2011年5月28日

カルラ・ブルーニ・サルコジ夫人秋に出産


カルラの妊娠の噂はやはり本当のよう。
正式発表という形はとらなかったけれど、丸みを帯びたお腹を人前で堂々と披露することによって、それを明らかにしたのです。

5月26日、ドーヴィルで開催されたサミット会議に同行した首脳夫人たちを、カルラが主催国元首夫人として昼食会に招待。白いドレスに薄いコートをはおったカルラは、時々お腹に手をあてて、いかにも幸せそう。

日焼けしたサルコジ大統領もニコニコ顔。
複雑で危険な国際事情、国際通貨基金(IMF)元専務理事ストロスカーンのスキャンダル、パッとしない支持率など、様々な問題が続いている中でのこのおめでたニュースに、大統領も特別な喜びを感じているはず。

それでも2012年の大統領選に、こうしたプライベートな出来事を利用すべきではないとの意向があるようで、正式発表はなし。フランスは公私の区別がはっきりしている国なのです。

トップモデル、トップ歌手、フランストップレディ。輝かしいカルラの経歴に、今新たなタイトルが加わろうとしているのです。第五共和制初のベビーをエリゼー宮に届けた女性、というタイトルが。

今までは、夫の大統領選出馬に賛成ではないと語っていたカルラでしたが、いつの間にかその反対の意見を言うになったカルラ。
もしかしたら、子供が生まれることが彼女の考えを変えたのかも。

2011年5月25日

美しい日本刺繍

マレー地区の
ギャラリーでの
個展「繍の華」
細く美しい光沢を持つ絹糸。
光りの動きによって様々な微妙な色合いを見せるその糸のみを使用して、形あるものを表現する日本刺繍。
そこには、日本人独自の繊細な感覚が織り込まれています。

日本刺繍の元となる手法がインド、中国を通って日本に紹介されたのは6世紀のこと。宗教や多くの文化が同じルートで日本に伝えられた時代です。

その後中国の漢字から、ひらがなやカタカナが誕生したのと同じように、刺繍にも日本人ならではの才知、技量、感覚が加えられ、本格的日本刺繍が生まれました。当初は神社や貴族、能楽など限られた世界のみだったのが、17世紀から一般に普及。特に着物や帯に日本刺繍が施され、女性はますます優美になったのです。

刺繍作家の本多可代子さん、
イラストレターのユーゴ君と一緒に。
こうした日本刺繍に魅せられたのが本多可代子さん。
40年以上前から数人の師から刺繍を学び、1984年には刺繍教室「繍の華」を設立。
現在、生徒が50人を越える規模になりました。

作品個展を日本各地で開催し、
今回パリで初の個展。
歴史と文化の香りに満ちたマレー地区のギュラリー・ハヤサキで、5月24日に前夜祭。多くのフランス人が訪れ、ひとつひとつの作品に近づきながら熱心に見ているのが、深く印象に残りました。

気が遠くなるほどの細かい作業の刺繍は、ヨーロッパの細密画に匹敵する精巧さ。
大切にしていきたい文化です。

個展「繍の華」
5月29日まで
ギャラリー・ハヤサキ
12ー14 rue des Jardin Saint Paul
75004 Paris

2011年5月20日

エリゼー宮にベビー?

今、静かに噂がささやかれています。
大統領夫人、カルラ・ブルーニ・サルコジが妊娠しているらしい、と。
「らしい」というのは、エリゼ宮から正式の発表がないため。
報道も控えめで、いかに神経を使っているかよくわかります。

フランスでは政治家の私生活はノータッチ。
ミッテラン元大統領に隠し子がいたことは、周知のことだったのに、その子に関する情報は長年なく、彼女が20歳になったころに報道されるようになったほど。

今回も噂はあったもののフランスでは正式な発表はなく、サルコジの父親がドイツの新聞のインタヴューで語ったこと。
現在妊娠3ヶ月らしい。

昨年大統領夫妻はインドを訪問。そのときにタージマハールを訪れ、
子供が授かるようにと祈願したとも言われています。カルラは前々から夫に男の子を授けたいと語っていたので、その願いがかなうかも。
サルコジにはすでに男児が3人、カルラには一人の男の子。

43歳のカルラ。その年齢の出産は今ではまったく問題ないという、いい時代になったもの。
1958年から続く第五共和制初のベビーになるのだから、関心は日々高まります。

2011年5月19日

ヴァンドーム広場に巨大タヒチパール


 世界に名を轟かせる高級宝飾店が立ち並ぶヴァンドーム広場。
そこに、何と、大きなパールがいくつもいくつも登場。
とはいっても布地でできたパール。
遠くから見ると本物のような光沢があり、パールの魅力が輝いています。
淡いピンクもあればブルーもあるし、イエローもある。
グレー、ホワイト、グリーン etc

ヴァンドーム広場を飾る
巨大タヒチパール
どれも品格があり、見ているだけで心が癒されます。
大きなパールの一部をくり抜き、そこに画面を設置し、タヒチでのパールの養殖の様子なども見せています。
タヒチで養殖パールが生産されるようになって今年は50周年。


その記念のイヴェント。
かつてはパールは非常に高額で、
ネックレスによっては建物と同額などというのがあったほど。
それが日本の御木本幸吉の研究によって、
1893年に養殖に成功。
その後どんどん開発がなされ、手頃な価格のパールとなったのです。

すっかりタヒチにいる気分
50周年記念のイヴェントのオープニングは5月18日20時30分。太鼓の音が響く中、元気一杯のタヒチのダンサーが、それはそれは楽しい踊りを披露。祭典という言葉がぴったり。

ヴァンドーム広場の中央にそびえる円柱を女性の首として、その周りにパールを飾るなど、パリならではの何とおしゃれなイヴェント。

 6月2日まで展示。

2011年5月18日

フランス高官のスキャンダル

フランスのメディアも国民の目も、今、こぞってニューヨークに集中。
国際通貨基金(IMF)専務理事、フランス人のドミニック・ストロスカーンが、
ニューヨークの高級ホテル、ソフィテルの女性従業員から性的暴行を受けたと告訴され、逮捕され、監獄に留置されたため。
この信じられないような電撃ニュースに、フランス全土が沸き立ったのは当然。

何しろ彼は、来年の大統領選で、現大統領ニコラ・サルコジーの強敵と見られている人物。その選挙戦まぎわにこうした事件が起きたために、人々の関心は高まる一方。

「これは誰かの陰謀にちがいない」
「いや、彼は以前から女性に言い寄ってばかりいた」
「事件後、パリ行きの飛行機に乗り、離陸10分前に逮捕されたというのだから、やはり、怪しい。国外逃亡を計ったのではないか」
「それは前々から予定されていた帰国だった」
「話があまりにもうますぎる。彼を陥れるたくらみとしか考えられない」
一般の人はこのように自由に意見を言ってるけれど、ストロスカーンが所属する社会党は、この微妙な事件に誰もがはっきりしない意見ばかり。

フランスで問題になっていることのひとつは、アメリカの報道の仕方。
まだ、事実は何もわかっていないのに、手錠をかけられた写真が堂々と発表されていることから、人権無視とさえ語られています。フランスではそれは禁止されていること。

高級ホテルのスイートルームから3mX4mの独房に移されたストロスカーン。
テレビの人気キャスターだったアンヌ・サンクレール夫人が、ふたりで闘うとニューヨーク入り。大統領夫人を夢見ていたのに、犯罪容疑者妻になり、気の毒。
弁護士はマイケル・ジャクソンを無罪にしたすご腕の人。
一刻も早くこの事件の真相を知りたい。

2011年5月15日

大成功の「美術館の夜」

長い行列のルーヴル美術館
21時30分ころ
文化国家フランスの名にふさわしく、5月14日の「美術館の夜」は大人気。
パリをはじめどの都市でも、多くの人が繰り出し大にぎわい。

この日はすべての美術館、博物館、そしていくつかのシャトーが夕刻から真夜中まで入場無料。
それに加えて、この日ならではのイヴェントがあるのだから、関心をひかないわけがない。

特別な展示をする美術館もあれば、中庭でコンサートを催したり、作品に囲まれながら詩の朗読をする美術館もある。アクロバットやダンスが登場することもある。ライトアップでいつもと異なる顔を見せ、人々を魅了する博物館もある。

夕焼けがとてもきれいな
寒い日でした。
5月にしてはとても寒いこの夜、どこの美術館に行こうかと、案内書を手に動きまわっているパリジャンやツーリストで、夜が遠くに去ってしまった感じ。
もちろんレストランやカフェも遅くまで営業。

2005年に最初の「美術館の夜」が催され、今年で7年目。今ではヨーロッパ中に
広がり、文化への関心を高めることに大貢献。
やはりフランスは文化への特別な想いがある、いい国です。

2011年5月8日

シャトレのつぶやき 38 わが友たちよ

春は眠い眠いのです
ほんとうにびっくりしたわ。
なぜって・・・
こういうことなの。

春はどうしてか眠いわね。
ワタシがグーグー眠っていたら、
ママンが、突然、わけがわからないことをいうの。
「春眠あかつきをおぼえず・・・」
春は眠くて、朝になったこともわからないということなの。
つまり気候のせいね。
あの人、けっこういいこと知っているのね。

それでいつもの通りフカフカのクッションの上で、それはそれは気持ちよく眠っていたの。
そうしたら、どこからともなくネコ語が聞こえるじゃないの。
びっくりして声の方に向かって行ったら、すごく立派な毛並みの大きなネコがいるではないか!!

「君もびっくりしたかもしれないけれど、私もびっくり。なにしろドアの外でニャンニャンてないているから、てっきり君かと思ってあけたら、このネコが入ってきたの。
ほらよくあるじゃないの。君が私の目を盗んで外にいくことが。
今回もそうだと思ったの」

バスルームにまで
入り込んだデュシェス
 ドアの外でないていたっていっても、
自分の家でもないのにね。
きっとカンが悪いネコなのよ。

それでママンが管理人のマニュエルに、どこかのネコが迷い込んでいるって教えたの。
「で、どんなネコですか?」
「グレーの長い毛のネコで、ちょっとおすまし。すごく大きいネコです」
「ああ、それはデュシェスだ」
デュシェス!
日本語にすると公爵夫人。
ウィリアム王子と結婚したキャサリンと同じ称号なのです。

結局彼女はワタシの家が気に入らないようで、
その後二度と姿を見せませんでした。

すごく内気なステラ

管理人のマニュエルもネコをかっているのよ。ステラっていうの。すごく気が小さくて、一度ワタシの家の近くまできたけれど、なぜかワタシの姿を見て恐れたのか後ずさりして、帰ってしまったの。それっきり見かけないけれど、ママンが言うのには、管理室のデスクの上でゴロンゴロンしているんですって。

このほかには、あまりワタシの仲間は見かけないのよ、クリニック以外では。
またいつか、デュシェスとステラに遊びに来てほしいのだけど・・・
と言っている間にまた眠くなってきたわ。春眠あかつきをおぼえず・・・だからね。

2011年5月5日

キャサリンのティアラ

ウィリアムとキャサリンの「世紀の結婚」から1週間。 モナコのグレース・ケリーを思い出させるようなウェディングドレスも話題になっていますが、パリではティアラも盛んに語られています。
というのは、キャサリンが結婚式で付けたティアラが、フランスの宝飾店カルティエの逸品であるため。

イギリスには由緒ある宝飾店がある。それなのにキャサリンが晴れの日に付けたティアラの国籍はフランス。とは言うものの、新たに注文したのではなく、エリザベス女王が彼女に貸したのです。

1936年のこと。当時のヨーク公、後のジョージ6世が、お気に入りの宝飾店カルティエに、妃エリザベスのために注文したのがそのティアラ。その同じ年にヨーク公の兄エドワード8世が、王位を捨て二度の離婚暦のあるシンプソン夫人と結婚。この前代未聞の事件により、ヨーク公はいやいやながら国王になったのです。彼とその妃の人柄は映画「国王のスピーチ」でよくわかります。

ヨーク公からプレゼントされたティアラは、1936年のレセプションで妃の頭上に輝いていました。当時大流行したアールデコの素晴らしい作品です。
その後、そのティアラを公の場で見かけることはほとんどなく、時が経ち、現女王エリザベスが王女だった18歳のバースディに、王妃である母がプレゼント。

ところがエリザベス王女は、それを公式の場につけることはなかったのです。
父亡き後、王位を継いで女王になってから、娘アンが何回か使用したという記録はあるものの、いつからかそのティアラは、王家の宝飾庫の奥に眠るようになったのです。

今回の結婚式で久々に人々の目にふれたティアラ。
キャサリンのシンプルな人柄とも、ドレスとも、なんと似合っていたことか。
すべてが自然で、決して目立とうとしないキャサリン。
国内外で圧倒的人気があるのも、そうした飾りけなさに好感をおぼえるからでしょう。
多くの女性に影響を与える予感がします。

2011年5月3日

メレリオのロマンチックなリング

婚約指輪と結婚指輪
「ロマンス」
1613年に創立された世界最古の宝飾店メレリオ・ディ・メレーが、とてもとてもロマンティックなリングを発表。しかも婚約指輪と結婚指輪のおそろい。

その発表は、イギリスのウィリアム王太子結婚3日後の5月2日。
ヨーロッパ全土をおおったウェディングムードが
いまだに残る晴れた日であり、
しかもロマンティック美術館でブッフェ・ランチを味わいながら、新作品を鑑賞するという気の入れ方。

モンマルトルの中腹にあるロマンティック美術館は、19世紀初頭に貴族の館として建築。細い小道の奥の、豊かな緑に包まれた品格あるこの館は、訪問する人を現代から離れさせ、当時を浮遊する心地よさを味わわせてくれます。

メレリオの顧客だった
ジョルジュ・サンドの注文
ロマン派の女流作家ジョルジュ・サンドや、ピアノの詩人フレデリック・ショパンもよく招かれていたというこの館こそ、将来を誓い合う人のリング発表にふさわしい。

同じロマン派の作家であり詩人のアルフレッド・ミュッセと恋におちいったジョルジュ・サンドは、その後フレデリック・ショパンとの激しい愛を生きた人。
彼女は、実は、長年にわたってメレリオの顧客だったのです。
ジョルジュ・サンドの注文が明記してある台帳が残っているのは、さすが由緒ある歴史を誇るメゾンならでは。

ロマンティック美術館での
新作発表会
ジョルジュ・サンドの時代のデッサンを元に新たに制作したリング。
ロマンティックで高貴。
「パッション」「ロマンス」「優しさ」など、それぞれ名称があるのも夢があっていい。

やはり、いいものはいいと再認識した日。

2011年5月1日

100人のアーティストによるチャリティーコンサート

100人のアーティストによる
コンサートのプログラム
日仏のアーティスト100人が集まって、東日本大震災被災者のためにチャリティーコンサートをガヴォー・ホールで開催。4月30日のことです。

この素晴らしいアイデイアを持ったのは、ショパンの曲で日本で人気があるジャン・マルク・ルイサダと、実力派女優マーシャ・メリル。
この2人に日本人数人が加わり、3週間弱という短期間の準備で、大胆ともいえるコンサートが実現。

朝11時に始まる最初のコンサートから、21時開始の最終のまで、5つのコンサートからなる日本に捧げる音楽の1日。
齋藤泰雄駐仏日本大使、吉川元偉OECD 日本大使、竹内佐和子パリ日本文化会館館長もおいでになり、その重要性を示してくださいました。

親日家のシルヴィー・ヴァルタンは
3曲歌いました。
ほとんどがクラシックの演奏。特別出演は親日家のシルヴィー・ヴァルタン。
有名、無名を問わず、これほど多くのアーティストが快くボランティアで出演してくださったその心が、被災者に届けばと願っています。

このように、震災が起きて一ヶ月以上たちますが、フランス人は被災者のことを忘れていません。
日本人の繊細な心情を、美しく表現する作品を生み出した小津安二郎監督の映画を、ほんとうに理解できる感性を持つフランス人。
彼らは一時期ではなく、永遠に続く友情を日本に抱いているのです。

チャリティーショーは、フランス各地で様々な形でまだまだ続いています。
一緒に頑張りましょう。