2013年3月26日

ナポレオン婚約指輪

ナポレオンが
ジョゼフィーヌに贈った婚約指輪

ナポレオンが最初の妻ジョゼフィーヌに贈った婚約指輪が
競売にかけられ、
予想をはるかに上回る金額で落とされ話題を呼んでいます。

何しろ予想では1万ユーロ前後とされていたのに、
約90万ユーロの値で落札。
約一億円です。


ナポレオンの最初の妻
ジョゼフィーヌ
後に子供が生まれないために離婚。

ジョゼフィーヌとの結婚を決めたときのナポレオンは貧乏で、服装はみすぼらしく、靴もよれよれ、髪の毛の手入れをするお金にもことかいていたほど。

栄養失調で顔色も悪いし、
ガリガリにやせていたのです。

それに反して、有力なバラスの愛人になっていた
ジョゼフィーヌは、バラスが悲鳴をあげるほどの浪費家で、
贅沢な住まいに贅沢な装い。

すっかり熱をあげたナポレオンは、
ジョゼフィーヌに
ふたりの子供がいるにもかかわらず、
結婚を申し込んだのです。
1796年のことでした。
時空を超えて世界中の人の熱い視線を
受けるナポレオン

2月24日に婚約した際に、
貧しいながらもナポレオンは婚約指輪をジョゼフィーヌに贈り、3月9日に無事に結婚。
ふたりとも年齢をごまかしながらの
奇妙な結婚でした。

ナポレオンの当時の財政からして
婚約指輪はたいした価値がないと、
予想では約100万円ほどだったのが、
歴史に名を残した人物の貴重な指輪ということで、
今回の破格の値段がついたのです。

ダイヤモンとトサファイアのこの婚約指輪をもっていたのは、
ナポレオンの弟ジェロームの孫。
世界的に名をなした人は、時代を超えて人を魅了するものなのですね。

2013年3月24日

スーパースター、ローマ法王

フランスの雑誌の表紙を飾る
ローマ法王

新しいローマ法王をめぐる取材は、
日を追って加熱する一方。
とにかく人気がすごい。

今まで法王はヨーロッパの人だったのが、
フランシスコ新法王は
アルゼンチン出身。
そのためか、
明るく人懐っこい性格であることが、
どの写真からも伺えます。

10代のときには
心をときめかした女性もいたという、
一般の人と同じような経験をしていることも
人間味があっていい。

「神さまからのお告げがあったから、君と人生を歩むことにはならない」
などどいう内容の別れの言葉も、
いかにも青年らしくてほほえましい。
つまり、好感をもてる法王なのです。

ドライバーつきの車ではなく地下鉄を愛用し、
ローマに向かう際にもエコノミーを利用。
服装も質素を好み、プライベート秘書も持たず。

こうした様々な逸話を知れば知るほど、
新法王が
私たちと同じ地球上に住んでいる人なのだ
という実感がわき、
それが人気のもととなっているのは確か。

法王就任後の初めてのミサの後、
世界中から集まった群衆の間を
防弾ガラスもない車で回ったのも、
人との間に壁を作りたくないという意志のあらわれ。

民主化を積極的にはかる法王出現で、
今後どのような変化があるか期待は大きい。

人民と親しく、人民と同じ高さにいて、人民のために尽くそうという法王を向かえ、
世界に明るさと温かさが広がったように思えます。

2013年3月20日

科学の発展のために

左がパストゥール博士、右がワイズマン博士
共に科学のためにというロゴ

パリのパストゥール研究所とイスラエルのワイズマン研究所が、合同で研究開発をするようになって早くも39年。

そのイニシアティヴをとったのが、厚生大臣として実力を発揮し、政治史に名を残したシモーヌ・ヴェイユ女史。彼女はイスラエル系フランス人なのです。パストゥール博士のことは小さいときに伝記で読んで、よく知っていましたが、ワイズマン博士に関してはまったく無知。

合同研究発表の後
階上で立食ディナー
事務局長の説明によると、ワイズマンは若いころにパストゥール研究所で研究に従事し、イスラエルに戻ったときに、同じような研究所を設立したいと、情熱のすべてをかけ資金援助に奔走し、ついに実現させた博士とのこと。

こうした経緯でふたつの研究所の団結がなされたのです。

私は科学と何の接点もありませんが、ふたつの研究所が力を合わせて様々な研究をおこなっていることを知り、事務局長に紹介され、いろいろなイヴェントに参加するようになり、いつの間にか多くの科学者の知り合いができたのです。
事務局長のパリアンティ博士
いつも声をかけてくださる
寛大で活動的な博士です。

毎年、ヴェルサイユ宮殿やオペラ座でガラ・ディナーがあり、それに出席するために、多くのイスラエル人が本国からおいでになり、支援活動を活発におこなっているのです。
その愛国心と連帯精神にはいつも心打たれます。

3月19日には、新しい試みとして、パストゥール研究所で共同研究発表と友好をあたためるパーティーがあり、光栄なことに招待を受け出席しました。

おしゃれで美味ばかり
英語とフランス語での発表は専門用語が多く、よくわかりませんでしたが、立派な博士たちがこれほど大勢いらして、その方たちが一致団結して様々な病を克服しようと研究を続けていらっしゃるのかと、心強く思ったし、感激も大きかった。

素晴らしかったのは、研究発表の合間に、チェロとヴァイオリンによる、バッハとヘンデルの演奏が二度あったこと。透き通るような名曲は頭を休めるのに最適でした。

科学には国境はないし、競争もない。あるのは、最大の協力をしあいながら難病を克服しようという強い意志のみ。それをしっかりと体感できた充実した日でした。

2013年3月18日

イースター

物語を語っているような
楽しさいっぱいのチョコレート屋さん

移動性の祭日イースターがもうじきです。
カトリックの国フランスでは、
この祝日はとても重要。
何しろキリストがよみがえった日なのですから、
国をあげてのお祝いです。

学校はもちろん長いお休みが続き、
それに合わせて親までヴァカンスという
恵まれた国、フランス。

日本だったら、
子供の休みに合わせて親も休暇などとても想像もつかないけれど、
フランスは何があろうとこの習慣は変わらない。

イースターの花形は
何といってもニワトリ
そういえば、皆、旅行に行っているらしく、パリ市内の道路もすいていること。

パリのチョコレート屋さんのショーウインドーは、すでに一ヶ月ほど前からイースター気分。
復活を表す祭日だから、新たな命を生む卵のチョコレートがほとんど。
カラフルで物語を語っているようなディスプレイが楽しいこと。
にわとり、卵、豊穣をあらわすウサギ・・・どれもかわいくてずっと飾っておきたいほど。

動物の形をしたチョコレートを食べるたびに、
残虐な野獣になったみたいで心が痛むのに、
鳥や豚、牛の肉、魚は何の躊躇もなく食べてしまう。
不思議なものです。
メルヘンの国のよう。
食べるのがもったいない。
でもやはり食べたい。
悩みが深くなる一方
もしかしたら、肉や魚は全身のままでなく、元の形を失っているから
情が移らないのかも。

などと話はかなりずれてしまったけれど、
にわとりの形のチョコレートを買って、少しずつ崩しながら
「ごめんね、痛い?でもおいしいから止められないの」
などと言いながら結局毎年食べるのです。



2013年3月6日

楽しいファッションウィーク


一年に四回あるファッションウィークの間の、
何と華麗で楽しいパリであることよ。

特に、道行く人の服装が個性的で華やかで、
見ているだけで心ウキウキ。

普段はシックで落ち着いた服装が目立つパリなのに、
デザイナーたちがコレクションを発表するファッションウィークは別。

ショーを見に行く人自身がデザイナーであるかのように、
アイディアあふれる思い思いの服装。かえってそちらの方が面白いこともある。
パリコレの会場で

ストリートファッションは
いつの時代にも存在しているのです。

パリで面白いのは、各人の服装に変化があること。
自分をしっかり持ち、自分をしっかり観察し、
自分に何が似合うかよく知っている。
だから、日本人のように、
まるで制服を着ているように全員同じにはなっていない。

他の人に似合っても自分に似合わなければ、
たとえそれが流行であっても着る必要はないのです。

靴の王者にふさわしい
個性あふれる
ロジェ・ヴィヴィエのパーティー
ファッションウィークには他にも楽しいことがたくさんあります。
そのひとつが靴の王者、ロジェ・ヴィヴィエの本の出版記念パーティー。

 ここでも思い思いの服装の人がそれこそあふれるほど出席し、
熱気が爆発していて窓を開けたほど。

特別に施したインテリアがこれまた個性的で、
さすがパリと感激を新たにしたほど。
このようにパリに暮らしていると
ストレスはたまらないのです。
特に、いとも簡単に感動する私は、です。

2013年3月2日

華のパリコレ

3月1日午後。ナポレオンが眠るアンヴァリッドの周辺は、
いつもと異なる華やぎが漂っていました。

着飾った人々が次から次へと集まり、
カメラマンはシャターを押すのに忙しい。
道行く人も、いったい何がおきているのかと足を止める。
目をアンヴァリッドに向けると、
その手前に大きなテントが張られている。
その上のほうにはDiorという文字が書かれている。

非日常の世界の会場

そうなのです。
ディオールの2013年秋冬コレクションの会場は
アンヴァリッドなのです。
さすが、です。


黒山の人だかりの中を入り口に向かって歩き、
招待状の厳しい検査の後、テントの中に入ると、
巨大な鏡の球がいくつもあり、そこに行き交う人々がうつり、まるで見知らぬ国に迷い込んだよう。

それこそ現代的幻想の世界。
床には雲が浮かぶ青い空。
特設会場にいる実感が湧かないほど現実から遠い。
それが、これから始まるコレクション発表への期待を
ふくらませないではいない。


コレクションは期待以上の気品とアート性が高いものばかり。
メゾンの創立者クリスチャン・ディオールへの敬意を示して、ディオールの伝説的バー・ジャケットを現代風にアレンジした数点の作品。

デザイナーになる前は画商だったディオールへのオマージュをこめた、ポップアートの巨匠、アンディ・ウォホールの作品をときには刺繡で、またときにはプリントで表現。
ディオールが好きだったシュールレアリスムのダリを彷彿させるのもある。

その他、アシンメトリー、ミニもあれば、ディオールの時代に流行らせた千鳥格子も、若さを取り入れ部分的に使用しているのもいい。

ポップアートとシュールレアリスムに彩られたコレクションは、すべての無駄な装飾をはぶきピュアーで優美。
そのどれも、ディオール本来の役割であるフランスのエレガンスの代表と呼ぶのにふさわしい。

ショーを見終わって感じたのは、会場の装飾自体がポップアートとシュールレアリスムだということ。



 
ラフ・シモンズを主任デサイナーとして選んだメゾン・ディオールが、いかに正しい判断を下したかを再認識した今回のコレクション。7月のオートクチュールへの期待が今から高まります。

2013年3月1日

シャトレのつぶやき 67 思い出のアルバム9 

きょうもまたお留守番
やっぱりさみしいわ。

ママンは信じられないくらい、
年中お外にいくの。
いったいナニをしているのかしらね。
いつかそおーっと後をつけてみようかな。

「ナニっていろいろあるのよ。
キミの食べ物もかうし、自分のもあるし。
それからお洋服でしょ、お靴でしょ、
美容院に行ってカットもしてもらわなければならないし・・・・」

人間ってほんとうにややこしいのね。
ワタシは食べるものがあればいいだけなのに。
あ、それとトイレのお砂ネ。

あっ、ママンの足音が聞こえる!!
目がピカーッとキラメク。
ヘアの手入れは自分ですればいいのに、ワタシをみならって。
「そうもいかないのよ。キミのは長さが決まっているし、だいたいどうやって毛をそろえているの?
まさか私が眠っている間に、ハサミでカットしているんじゃないわよネ」
「そうじゃないの。舌で毛のお手入れをするときにぬけたり、足でからだをかくときにぬけたり・・・」
「それであちこちに
毛が散らばっているのか~」
「ネ、ワタシはナンでも自分ひとりでできるんだから」

よかったかえってきた!
再会を喜び合うワタシたち。
 
「お外に行くのはお友達とのお食事や映画を見るためでもあるし、いろいろな展覧会もあるし、パリコレもある」
「で、お仕事は?」
「それもありネ」
と、このようになんだかんだと言っては外出するママン。

ひとりでお留守番はやっぱりさみしい。
シクシク メソメソ・・・
だからママンの足音が聞こえると、
パッと起き上がって近づくの。
そうするとママンは
「今日もいい子にしていたの?」

ママンの足の上で甘えながら
お昼寝。

と妙にやさしい声でいいながらだっこしてくれるのだけど、
ワタシはそのだっこがキライなの。とにかくしめつけられるのがイヤなの。

それよりママンの足の上にひっくり返って寝るほうがずっと幸せで~す。
それにしてもあの人、本を読むときすごくお行儀が悪いの。
「この方が頭にしっかり入るのよ」
だって。
すごいいいわけね。

ワタシから見ると、なまけものポーズでしかない。
と、このように毎日があっというまにすぎていくのです。