2015年5月31日

気仙沼市「ホヤぼーや」との再会

気仙沼市の方々と、「ホヤぼーや」と記念撮影。
前列左は大使館の加藤淳さん。
先日、日本大使公邸で集いがあり、素晴らしいピアノコンサートの後のディナーで同席させていただいたのは、宮城県気仙沼市の代表の方々。

初対面であるにもかかわらず話がはずみ、しかも女性は私ひとりのテーブルだったので、幸せ度も頂点に達したころ、実は・・・といただいたのは気仙沼市のキャラクター「ホヤぼーや」のパケージングのとっても美味しいクッキー。そればかりではなく、可愛いバッジと手ぬぐいもいただいたのです。
気仙沼市のキャラクター
海の子「ホヤぼーや」のバッジ。
可愛いいし、
頑張ろうという意志が伝わってくる
みんなのボーイフレンドです。

それを手にしたとき、はっと思い当たることがありました。それは去年、エッフェル塔の下に広がるシャン・ド・マルスで行なわれたイヴェント。東北スクールの子供たちが約100人集まり、前代未聞の想像を絶する大惨事にもかかわらず、未来を背負う子供たちはそれに負けずに頑張っている姿を見せた、あの感動的なイヴェント。その際に、気仙沼市のキャラクター「ホヤぼーや」も参加していたのです。

子供たちの故郷への想いをこめた、たくさんのブースやアトラクションを二日間見ていたとき、人懐っこそうなキャラクターが、おいでおいでと招いているではないですか。
近寄ったら一緒にカメラに収まろうよという。それが「ホヤぼーや」だったのです。
2014年9月1日付けのブログに昨年のイヴェントについて書きました。(参考のために)
http://rumiko-paris.blogspot.fr/2014/09/oecd.html

今回の集いで気仙沼市の方々とお話できたのは、もしかしたら「ホヤぼーや」がひっそりと動いたのかもなどと、思ったりしています。どの方も飾り気がなく、率直で、優しく、忘れえぬ思い出になります。

パリから再びエールを送ります。
「ホヤぼーや」も頑張ってネ。

2015年5月28日

パンテオンに4人のレジスタンスの人々を埋葬


フランスに貢献を成した人々をまつる学生街のパンテオンに、第二次世界大戦終了70周年の今年、新たに4人のレジスタンスの人々が移されました。

 戦争初期にドイツ支配に入ったフランスでは、それに抵抗するレジスタンス運動が広がり、多くの犠牲のもとに自由を取り戻しました。 この運動に携わった英雄たちの勇気と悲劇は繰り返し本になり、映画になり、語られています。

レジスタンスの4人がパンテオン入りするセレモニーは、5月27日、晴天の日に行なわれました。 フランソワ・オランド大統領がひとりひとりの経歴、レジスタンスの活動、逮捕後もナチに屈しなかった勇気を語り、男性二人、女性二人の強い愛国心を称えました。

オランド大統領の演説は、彼自身が準備したことがはっきりわかるほど心がこもり、感動的でした。
彼は演説に長けている政治家だと聞いてはいたものの、このセレモニーにおける言葉の選びかたも語り方も心が打たれるほど素晴らしく、長かったにもかかわらず最後まで聞かないではいられなかったほど。

 いつだったか、フランス人が語った言葉を今でも覚えています。 「戦争で命を落とした人に戦勝も敗戦もない。彼らは、皆、国のため、国民のために戦ったんだ。そうした人々に感謝することを忘れてはいけない」 

この言葉も感動的です。

2015年5月23日

「ルーヴル美術館 女たちの肖像 描かれなかったドラマ」を上梓しました。


ルーヴル美術館に展示されている作品は膨大です。そのどれもそこに展示する意味があるはずですから、何を訴えているのか、何を表現しているのかを知ることは重要です。

作品の作者名と創作年、あるいはタイトルが判明している場合には、そのすぐ近くに表示されています。タイトルが書かれている場合には、ある程度内容がわかります。
あるいは想像することができます。

私がルーヴル美術館の作品で特に興味を抱いているのは肖像画。写真がなかった時代に描かれた肖像画は写実的で、多少は美化しているのもありますが、その人を表していて、まるで本人を目の前にしているような印象を受けるのが楽しいのです。

展示されている多くの作品の中から11人の女性の肖像画に焦点を当て、その人の生い立ち、肖像画が描かれた背景などに触れているのが本書です。
絵の解説ではなく、描かれた女性の生き方を語ります。肖像画を前に、ああ、この女性はこのような人生を送ったのかと思っていただければ幸いです。

背景を知ることによって、実際に地上に生き足跡を残した人として捉えるようになり、親しみが生まれ、見方が変わってくると思っています。

ルーヴル美術館に行く際に友人のような感覚で同行させていただけたら、とてもうれしいです。

2015年5月22日

フランス料理のプロモーション

星付きレストランの試食イヴェント
日本料理はさまざまな利点があり、特に健康、長寿に理想的と科学者も研究発表をしていることもあり、多くの国でもてはやされています。

チーズのブースではユニークな食べ方のお遊びを楽しめます。
何だか金魚すくいみたい。
大人気の日本料理に対抗するためではないのでしょうが、フランス料理も見直して欲しいと、グランパレで「パリのテイスト」と呼ぶ4日間の催しを開催。

14人のシェフがそれぞれご自慢の料理を作り、それを少量ずつ味わって下さいというのがその趣旨。料理とデザートは全部で47種類もある。どれもこれもおいしそうで迷うこと迷うこと。このイヴェントの発案者はフレンチ二大巨匠のアラン・デュカスとジョエル・ロブション。

三ツ星レストラン
「ポール・ボキューズ」ブースでは
栄誉あるトックを被っての
記念撮影をすすめられます。

入場料はなく、あらかじめインターネットでランチ、あるいは、ディナーのチケットを買って印刷し、グランパレでそれをジュトンに変えてもらい、それぞれの金額に合わせてジュトンで支払うシステム。追加を希望する人のために会場内にバンクがあり、そこで希望するだけジュトンの購入も可能。何だか子供時代に楽しんだ銀行屋さんと、お店みたいで楽しい。このほか食材のブースもたくさん。チーズ、生ハム、海草入りケーキ、オリーヴオイルなどは、無料で試食できる寛大なブースもあります。

さすがにすごい人。食が重要な文化であることを体で感じました。もちろんどれも美味。幸せを満喫できるいい企画です。また来年も実行してほしい。

5月24日まで。
グラン・パレ

2015年5月19日

ヴェルサイユ宮殿の庭園 リニューアルした「ラトナの泉」


修復がおこなわれていたヴェルサイユ宮殿の庭園の「ラトナの泉」が、3年ぶりにその華やかな姿を現しました。

リニューアルした「ラトナの泉」
美しくなった「ラトナの泉」のお披露目セレモニーが行なわれたのは、5月18日、休館日の月曜日。幸いこの日は久々の快晴で心もウキウキ。軽装でいざ出発。

フランス人のアート評論家と
ジャーナリストと。

コンコルド広場から宮殿までバスの送迎つき。そう聞いて大喜びで出席。招待客のほとんどの人が美術、建築、アートのジャーナリストと評論家。そうでなくても会話にたけているフランス人。バスの中のにぎやかなことといったら・・・・もう、はち切れそう。

泉の周りでビュッフェ。
久しぶりのヴェルサイユの庭園は、やはりきれい。
この広大な庭園にルイ14世は宮殿と同じ重要性を持たせ、そのために多くの泉や木立、劇場などを作り、いたるところに彫刻を飾り、騎馬試合をしたり、コンサートを開き、
花火を上げ、ダンスに興じ、屋外の生活も楽しんでいたのです。

3年かけて修復された「ラトナの泉」は、アポロンとディアナの母であるラトナに関する逸話を表しています。宮殿に背を向け、かなたに見える「アポロンの泉」に向っているラトナ。そのアポロンこそ太陽王ルイ14世の象徴。その先には大運河がゆったりと延びている。そこに行くまでの両サイドには彫刻と木々が左右対称に整然と並んでいる。

煌びやかな金箔は
豪奢なヴェルサイユ宮殿に欠かせない。
ラトナの泉」の装飾の一部。
ルイ14世の時代の18世紀に造られたこの庭園は、フランス庭園の最高峰。絶対王制を築き、貴族たちの反乱を避けるために規則でがんじがらめにしていた国政のありかたが、規則正しい庭園にも実現されているように思えます。

セレモニーはヴェルサイユ総監の挨拶に始まり、メセナの挨拶、その後、修復された噴水が勢いよく上がり、大拍手。そしてその周りでビュッフェ。ここでまたブルボン王朝や今の複雑な世の中の情勢などの話が盛り上がり、帰りのバスの中でも話し声が飛び交い、フランス人のエネルギーの凄さを再認識した日でした。このような国民とお付き合いするためには、やはりよく食べ、よく飲まなければいけないのでしょう。

2015年5月15日

パリの犬たち 30

みんな準備はいい? 1、2、3で行動に移るのよ

「ハ~イ、準備OKだワン、ワン、ワン
「ではいくわよ。1、2、3  GO!
まあ、すばらしい!!
お花が咲いたみたいにきれい。
歴史に残る妙技。パチ、パチ、パチ。

2015年5月12日

オ・プランタン デパート150周年記念

ピンクがいっぱい。
幸せがいっぱい。

オペラ座の後方にあるオスマン通りに面する老舗デパート、オ・プランタン本店が
今年創立150年を迎え華々しい装飾で話題を呼んでいます。

外観も中も何もかも、
ピンク、ピンク、そしてまたピンク。
ピンクばかりに囲まれて心がウキウキしないではいません。

パリのエスプリあふれる
お出迎えの女性と男性。

1865年にオープンしたオ・プランタンは、その後拡大に拡大を続け、特にファッションに力を入れ外国人にも大人気。
丸天井とその外観は優美なアール・ヌーヴォーで、1975年に歴史的建造物に指定されている貴重なもの。

そうした重要な部分はそのまま残して、絶え間なくリニューアルをしています。以前は日曜日は休みだったのが、数年前からクリスマス3週間前からオープンするようになって、
とても便利。これは他のデパートも同じ。大進歩です。

路上や入り口、エスカレーターで
愛嬌を振りまくキャラクター。
労働組合が強いフランスにおいてのこの変化は、画期的なことなのです。

そういえばサーヴィスも日本を見習ってか、とてもよくなって気分がいい。もしかしたらユニクロのサーヴィスの評判があまりにもいいので、それをお手本にしたのかも。
多くのレストランを入れるようになったのも、日本の影響だと思う。

日本はサーヴィスが行き届いた国。このように多くのことを外国に教えているのです。

2015年5月11日

モナコ 王子と王女の洗礼式


君主国モナコの国民にとって、5月10日は待ちに待った日。生後5ヶ月の愛らしいプリンス、プリンセスの洗礼式が執り行なわれたのです。

快晴に恵まれたこの日、カロリーヌ王女、ステファニー王女、その子供たち他、多数の親族、親しい友人がモナコのカテドラルに一同に集まりした。

白とグリーンの爽やかな花がカテドラル中に飾られ、その中でアルベール二世がガブリエラ王女を、そしてシャルレーヌ妃がジャック王子を胸にだきながら洗礼式に臨み、祝福の言葉、パイプオルガン、賛美の歌が高い天井に向って響き渡ります。

王子、王女ともにディオールの純白のドレスに包まれ、大変ご機嫌の様子。母のシャルレーヌ妃がひときわエレガント。世継ぎを授け、その喜びが顔にあらわれているのでしょう、まぶしいほどのオーラが放たれていました。

式を終え外に出ると拍手が沸きあがり、夢のようなモナコ全土に幸せの花が咲いているような日でした。

2015年5月10日

パリの犬たち 29

春らしいお天気のある日のこと
チュイルリー庭園で、
色も大きさも様々な犬たちが駆け回って、とてもうれしそう。
見ている私もうれしい。やはり春はいい。

2015年5月8日

ヨーロッパ終戦70周年記念

5月8日は、第二次世界大戦のヨーロッパ終戦記念日。今から70年前のその日、連合軍がドイツを降伏させ、フランスでは「1945年 勝利の日」と呼ばれる祭日になっています。激しいレジスタンス運動の結果、自由を取り戻した国だけあって、英雄たちや犠牲者への想いがひときわ強いような印象を受けます。

自由フランス獲得のために犠牲になった人の名は、学校や道路、広場、メトロにつけられたり、命を落とした激戦地には記念碑が作られています。そうした場にも終戦記念日にはきれいなブーケが捧げられます。

この日シャンゼリゼでは、フランソワ・オランド大統領が無名戦士の墓である凱旋門に献花。今年は70周年記念とあって、テレビも朝から3時間近くにわたる実況中継と解説が続きました。すべての官庁関係の建造物に、そしてシャンゼリゼに、清々しい三色旗がひるがえり愛国心が急に高まる日です。

フランス人は言います。国旗を見たり国歌の演奏を聴くと、無性に国が立派に思えて何かしたい気になる。

確かに国旗や国歌は心を動かします。
フランスの国歌は革命のときに作られたもので、「祖国の子供たちよ」と呼びかけ「市民たちよ武器を持て」と勇ましい歌詞。国旗も革命のときにパリ市の色の赤と青の間に王家の白を入れて、今後は、皆、平等を表す三色旗となった国。さすが共和国らしい。三色旗は色は異なりますが、他の国にも大きな影響を与えています。

ジャンヌ・ダルクの凛々しい像。
フランスを救った少女の
愛国心が称えられる日でもあります。

5月8日はまた、ジャンヌ・ダルクがオルレアンをイギリス支配から解放した日でもある。ということで、彼女の像にも国旗が捧げられます。たくさんの花束、ひるがえる国旗。この日は異なった感動を呼ぶ稀有な日です。

2015年5月6日

格別な場で格別なディナー

ナポレオン研究の第一人者と夫人方のテーブル。
壁の装飾が印象的。

フランス共和国親衛隊といえば、パリ祭の日に凛々しい制服に身を包み、赤い飾りがついた鉄兜を被り、銃を手にしながら馬に乗り、大統領を護衛しつつシャンゼリゼを行進する姿がすぐに浮かびます。

ナポレオンの命日、5月5日のディナーはその共和国親衛隊の参謀本部の中だったのです。これはやはり格別としかいいようがない。それというのもナポレオン史学会の会員であるお陰。


左からベルギー支部代表、南仏支部代表、
何の代表でもない私。私以外はこの日のために
遠方から泊りがけでいらしたのです。
さすが場所が場所だけに、身分証明書と荷物検査がひときわ厳しい。
華やかなユニフォームの軍人ががあちらこちらにいて、王朝時代か帝政時代にいる錯覚を起こしそう。ユニフォームを着ている男性が皆エリートに見えるのは、一体なぜ? などと思っているとシャンパンのアペリティフが運ばれてくる。これがたまらないほど美味しい。何度も会っている会員同士なので、家族みたいでリラックスできる。そうでないと食事もおいしくいただけません。

こういう場での演説は短いほどいいという会長のあいさつに、皆、そうだとうなずく。テーブルでの会話は、当然、皇帝に関することばかり。ワインが飛び切り美味しく、お料理もトラディショナルでしっかりしたお味。

はち切れそうな賑わいのしめくくりは、再びシャンパンを手に全員が立ち上がり「皇帝バンザイ」の大合唱。ナポレオンの衰えない人気の凄さを再確認した夜でした。

2015年5月2日

物語の中の世界みたいな光景

シンデレラにぴったりな白い馬車と御者、そして趣ある高級宝石店。
絵のような光景です。

何のためにその馬車がそこにいたのかは知らないけれど、夢のような、あるいは、映画の中の世界のようで楽しい。

そういえばこの界隈は、よく映画の撮影に使われる。
いつだったかこの近くを歩いていたら、それまでなかったキオスクが立っていて、
あら、便利になってよかったと思ったら、これからソフィ・マルソーの映画撮影があるから、どいてと追い払われたこともあった。
実際の生活の場がそのまま撮影に使用できるとは、パリはやはり素晴らしい街。

2015年5月1日

スズラン祭

スズランがいっぱいの
爽やかなチョコレートのお店

5月1日は、メーデーの日であり、スズラン祭の日でもあるフランス。
街のいたるところでスズランが売られる写真は、もう何度かブログにのせたので、今年はスイーツのお店の飾りの写真を楽しんでください。 

それにしても、スズランは可愛いいですね。 本当に鈴のようで、しかも小さいから好感が持てる。 幸せを届けたい人にプレゼントするのが慣わしですが、それを思いついたのが国王だったことに、フランスならではのお洒落なエスプリが感じられます。

可愛いディスプレイが人の足を引き止めます。
その国王はカトリーヌ・ド・メディシスの息子シャルル9世。宮廷のご婦人方に贈ったというから、ますます素晴らしい。
そうした彼が後に、激しい宗教戦争のもとになるプロテスタント虐殺を命じたなんてとても信じられない。

そんなことも知らずに、短い命だけれど精一杯きれいな姿を見せてくれるスズラン。
純白を表す白と、希望の象徴のグリーン。
 清々しい香りは万人に好かれます。

毎年このスズランを目にすると、春が本格的と感じるのに、今年はどうしたことでしょう、と暖房が入ったアパルトマンで考えています。