2017年2月27日

鳥に人気のムッシュー

パリコレの準備たけなわのチュイルリー公園で、鳥たちに大人気のムッシュー。
あちらからこちらから、カモメが白い羽を精一杯広げながら、ひとりのムッシューめがけて近寄っている。

気持ちよさそうに空を飛ぶカモメ。
うらやましい。
見るからに温厚そうなその人は、気をつけて見ると手に何か持っている。
そう、パンなのです。
それをめがけてカモメや鳩、カラスが大挙して寄ってくるのだけれど、こうした様子を見るにつけ、彼らの間には情報交換があるにちがいないと思わずにはいられない。

ムッシューの頭にカモメがとまった劇的な瞬間。

2017年2月25日

メトロの駅名は語る 26

République
レピュブリック (3,5,8,9,11号線)

当初、三角形の小さな広場にすぎなかったのが、現在見られるような大きな広場になったのは、ナポレオン3世の第二帝政時代でした。

1827年の広場。
中央に噴水がありシャトー・ド広場と呼ばれていました。
ナポレオン3世の時世に、3200人収容可能兵舎が広場近くにありました。必要な際に多数の兵士を集合させ、直ちに目的地に向かって移動できるよう、広場には7本の幅広い道路も創られます。

名前が変りレピュブリック広場と呼ばれるようになりました。
共和国を象徴する、人民のための広場です。
広場の名がレピュブリックとされたのは1889年。それが後にメトロ名にもなります。
中央には共和国を象徴する9,50メートルのブロンズのマリアンヌ像が置かれ、現在は共和国の名のもとに、様々な集会が行われたり、デモ行進の発着、終着の場となっています。

フランスの共和政が始まったのは革命のときで、1792年。
その後ナポレオンの第一帝政、王政復古、ナポレオン3世の第二帝政、共和政などめまぐるしい政変があり、現在は第五共和政。

大統領の挨拶は常に「共和国万歳、フランス万歳」で終わります。
なぜか、その言葉を聴くたびに感動します。

2017年2月24日

パリの犬たち 116

信号をまつのは退屈なの
さっきからず~とまっているのに、ちっとも信号がかわらないの。

こういうときは、どうすればいいの?
えッ、まつしかないの?
時間のむだだワン。

もったいないから、宝探しをしようかな。
でも、こんなところにいいものがあるはずないわね。

2017年2月21日

ギメ美術館、着物展


東洋美術品の宝庫、ギメ美術館で「江戸時代の着物の変遷」を開催。
そのヴェルニサージュが 2月20日に行われました。

江戸時代を訪問しているようで、
ご一緒した多津子さんと歓声をあげました。
江戸の初期1611年に「いとう呉服商」として創業し、その後拡大に拡大を続けてきた松坂屋は、歴史的価値がある着物を多数保存。その数は驚異的で5000を超えるとのこと。その中から約120点を選んで今回公開。(展覧会半ばに展示作品の入れ替えがあります)

展覧会のアートディレクターを務めたコシノジュンコさん。
彼女のバイタリティーにはいつも驚かされます。
コシノジュンコさんがアートディレクターを務めたこの展覧会は、松坂屋の貴重な着物と、着物の影響を受けた西洋のデザイナー、例えばイヴ・サンローラン、クリスチャン・ディオールの作品なども展示してあり、とても興味深いです。

松坂屋秘蔵の江戸時代の着物は、多くのフランス人を魅了。
「すばらしい」「日本ならではの文化」と絶賛の声があがっていました。
松坂屋が呉服店として栄えていた時代の絵や浮世絵、屏風などもあり、会場にさらなる雰囲気を放っています。

ジュンコさんと賢三さんは文化服装学院の同期生。
ひときわ注目を浴びていたジュンコさんの作品前で記念撮影。
創業したのはフランス国王ルイ13世の時世。フランスの象徴となっているヴェルサイユ宮殿は存在していなくて、ヴェルサイユは狩猟の森だったことを思うと、今でも継承されている日本の着物文化の奥深さが分かります。

Musée Guimet
6 Place d'Iéna
75116 Paris
5月22日まで 

2017年2月20日

メトロの駅名は語る 25

Temple
タンプル (3号線)

この近くには、フランス革命の際に国王一家が幽閉されていたタンプル塔があり、後年、それが取り壊され今はタンプル公園になりました。
この名から駅名が決まりました。

頑丈な石の壁に取り囲まれたタンプル騎士団の本拠地。
もともとこの地には、タンプル(テンプル)騎士団の拠点があり、豪勢な居館がありました。

キリスト教徒による第一回十字軍が、11世紀末に聖地エルサレムを手に入れると、それを守るために騎士修道会がいくつか作られます。そのひとつがタンプル騎士団。彼らは他の騎士団と同じように、修道士であり戦士でもありました。

第二回十字軍に参加した国王ルイ7世は、タンプル騎士団の業績を高く評価し、
当時パリの東近郊にあった広大な土地を寄贈します。後年パリが拡大され、その土地はパリ市内になります。

1240年から壁で取り囲んだ城砦のような建造物を創り、そこを拠点として勢力を増し、多額の寄付を受け、莫大な財産を持つようになります。
財産管理の安全性を知ったフランス国王や貴族たちは、タンプル騎士団に財産を預けたほど有力な騎士団でした。

ところが14世紀のフィリップ一世が、国王以上に裕福で有力な騎士団に激怒し、不法な罪状で騎士たちを捕らえ、財産を没収し、騎士団は廃止され、領地と建物は聖ヨハネ慈善修道会のものとなります。
タンプル騎士団の敷地内には、
高さ50メートルの大塔と、それにぴったりつく小塔も建築されました。
そこに、革命で捕らえられたルイ16世一家が幽閉されていました。
時が流れ、18世紀にルイ16世の末弟アルトワ伯の息子が、その修道会代表となり彼所有となります。その後革命の時代を迎え、修道会は廃止され、塔にルイ16世一家が幽閉されたのです。

タンプル塔の国王一家。
左から、国王の妹、国王夫妻の王女、マリー・アントワネット、
王子に勉強を教える国王。
 ナポレオン皇帝は、この忌まわしい歴史が刻まれているタンプル塔を嫌い、1808年、取り壊す命令を出し、後年に公園がつくられたのです。
一説では、王家の人々の巡礼地になるのをナポレオンが恐れ、壊させたともいわれています。

2017年2月16日

久しぶりの快晴

久々の快晴。葉のない木々も格別美しく見える。
この快晴をどれほど待ち焦がれていたか!!!!
もう、うれしくて、うれしくて、建物の中などに閉じこもっていられない。
空が青いだけでこんなに幸せな気分になれるのね。

カモメさんたちも太陽がうれしいのか、
あちらこちらから集まって、午後の団欒を楽しみます。
さすがに空気には2月の寒さがあるけれど、太陽の中にいるとーコトなしでも大丈夫。
今日のパリの高気温は13度。

木々の葉は全部落ちて裸の枝ばかりだけれど、それはそれで美しい。
何でもアートに見えるパリです。

2017年2月15日

パリの犬たち 115

ボク ひとりじゃないよ
   
「ひとりでお外に出たらあぶないからダメッ!!」 
うるさいパパとママンがいつも言う。

だから今日もファミリーそろってお散歩だい。

2017年2月12日

メトロの駅名は語る 24

Réaumur=Sébastopol
レオミュール=セバストポル (3,4号線)

東西に走るレオミュール通りと南北に走るセバストポル大通りが交差する地にあるこの駅は、おわかりのように二つの名からなっています。

著名な学者レオミュール
レオミュールは18世紀の科学者であり、昆虫学者であり、物理学者だった人で、特に彼が書いた昆虫の生態に関する6巻にも及ぶ集大成は高く評価されています。

レオミュール通りのアール・ヌーヴォーの建造物。
彼の名を冠したレオミュール通りは、1900年代にファサード・コンクールが行われた際の建築物が多数残っていて、それを見るために足を運ぶ価値があります。特に、当時のまま残っているアール・ヌーヴォーのファサードが見ごたえあります。

1905年のセバストポル。
セバストポルは黒海に面したクリミア半島の都市で、重要な軍港があります。
1854年、その地はクリミア戦争の激戦地になりました。
イギリス・フランス・トルコ連合軍と、セバストポルを陣取っているロシア黒海艦隊の間で激戦が繰り広げられ、約一年間のすざまじい戦いの後、ロシアは撤退。

勝利を得た激戦地の名がセバストポル大通りとなったのです。

2017年2月9日

ハートのチョコがいっぱい

スタイリッシュなハート型チョコ。
バレンタインデーが近づいてきて、チョコレート店のショーウインドウに、ハ-ト型チョコレートが並んでいます。 だからといって、パリの人がプレゼントするために買うとは限らないのが事実。

ユニークでラヴリーなチョコが整列。
2月14日のバレンタインデーに、女性が好きな男性にチョコレートをプレゼントするのは、日本人が考えた日本独特のお話のようです。

華やかなショーウインドウ。通りかかる人から歓声があがります。
フランスでも2月14日に、恋人にプレゼントをする人が多くいますが、チョコレーに限らず、お花だったり、きれいなカードだったり様々。
レストランでロマンチックなお食事を、という豪華なカップルもいます。なので、この日のディナーの予約は結構大変。もっと豪華になるとジュエリーをプレゼント。

ピンクの箱入れ。パリのお土産にぴったり。
ハート型チョコレートを買っている人を見ていると、圧倒的にツーリストが多い。
可愛らしいからバレンタインデーだけでなく、パリのお土産としてはとてもいい。

中身がなくなったら、小物入れになるから便利。
でも、これってどう見ても女性へのプレゼント用ですね。
それにしてもスイーツを買う機会が多いこと。
この後はイースターで、またまたショーウインドウにチョコレートが飾られるでしょう。
趣向を凝らしているから、見ているだけで楽しい。

幸せがいっぱい入っているようで、
心がホカホカしてきます。
という私も毎日チョコレートを食べています。
ただし、有機の90%カカオのブラックチョコ。
やはり健康第一です。

2017年2月6日

ヴェルサイユ宮殿からのカード

ヴェルサイユ宮殿で、今、祭典に関する展覧会を開催中。王朝時代の宮廷生活の華やかさ、贅沢さがいかなるものだったか伝わってくる画期的なもの。

ヴェルサイユ宮殿からの新年のカード。
そのために今年の新年のカードは、宮殿の「鏡の回廊」での仮装舞踏会を描いた三つ折りの豪華なもの。

あまりにもステキなので、我がサロンに飾っています。 これを見ながら夢の中をさまようのはとても心地よいことです。

2017年はいい年になりそう。

2017年2月5日

パリの犬たち 114

元気で長生きするために・・・・
ボクたちも、元気で長生きするために、いろいろと努力しているんだよ。
そのひとつは瞑想。
広く緑があるところで瞑想するのは効果が二倍、と信じているボク。
静かにしていてね。

2017年2月1日

メトロの駅名は語る 23

Bourse
ブルス (3号線)

「ブルス」フランス語で証券取引所のことです。
フランスに証券取引所が生まれたのは17世紀で、古い歴史があります。

現在見られるパリ2区の証券取引所を建築させたのは皇帝ナポレオン。1808年、最盛期に自ら建築用の最初の石を置いています。

1854年、セレモニーが行われた証券取引所。
けれども完成したのは1826年で、ナポレオンは失脚しセント・ヘレナ島で世を去っていました。その年に完成した姿を見せた証券取引所は、コリント様式の列柱に取り囲まれた均整のとれた建物で、まるで、ギリシャの神殿のよう。

1900年に描かれた証券取引所の外観。
現在も同じ姿。
2000年に証券取引所の機能を果たさなくなり、今はレセプションやディナー、コンサートなどの会場として使用されています。

この界隈は今でも両替所が多く、レートがいいと旅行者に評判です。
昔の紙幣やコインを取り扱っているお店もあり、一日中賑わいを見せています。

グルメにうれしいのは、この周囲においしいレストランが たくさんあること。
中でも 下記の4店はおすすめです。

Le Vaudeville 1920年代のインテリアがすばらしい。味もしっかりしている。
Gallopin 1876年創業、伝統的な味が大人気。
Mori Venice Bar ヴェネティアの本格的味が魅力。コンテンポラリーなインテリアもステキ。
Terroir Parisien Bourse スターシェフ、ヤニック・アレノご自慢の最新フレンチの味を満喫できます。