10月も末。
木々はすっかり秋の色。
紅葉した美しい姿を見せているのもあれば、
葉を全部失って寂しそうなのもある。
秋はアートの展覧会も多く、そのためか、
何となく芸術が育つ季節のように思えてならない。
絵が描けそうな、詩を綴れそうな気がするのはパリだから?かも。
枯葉が不規則に散っている
人気のない小道を見るにつけ、
ポツンと置かれた空っぽの椅子を見るにつけ、
そしてまた、
彫刻に鳥がとまっているのを見るにつけ、
そこにアートがあるように思えてならない。
公園のベンチに腰かけているときに、
子供たちの騒ぐ声が聞こえていても、
走り回っている姿を見ても、
すべてが芸術に見える心境になるのが、秋。
噴水のあがりかたも、
その周りに置かれたごく普通のいすも、
そこに腰かけておしゃべりしたり、新聞や本を読む人も、
枯葉をお掃除する人も、何もかもが絵になっている。
パリジャンは自己中心の人が多く、
苛立つことも多いけれど、
その彼らが作った街なのだと、その彼らが住んでいる街なのだ思うと、すぐに許してしまう。
彼らは、きっとみな、アーティストなのだ、
そう思うと、パリ市民はアーティストにつきものの気難しさを持っているのだと解釈できる。
ひときわの趣を放つパリの秋。
一番好きな季節です。