2018年10月4日

ルイ14世を憤激させた、美しすぎるシャトー

パリから車で1時間ほどの近い距離にあるシャトー、ヴォ―・ル・ヴィコントには、たくさんの歴史がつまっています。

伯爵家所有のシャトー、ヴォー・ル・ヴィコント。

シャトーの裏手に広がる広大な庭園。
典型的なシンメトリーのフランス式庭園。

中でも興味深いのは、ルイ14世がこのシャトーがあまりにも洗練されているので、嫉妬心に火がついたこと。その結果、城主の大蔵卿フーケを国費を乱用した理由で逮捕させ、監獄に入れます。

23歳のルイ14世。
この年齢のときにヴォ―・ル・ヴィコントを訪れました。

ヴェルサイユ宮殿がない時代で、
国王が暮していたのは古く重々しいお城。

それに比べてヴォ―・ル・ヴィコントは豪華で洗練されていて、
ルイ14世は抑えきれないほどの怒りを覚えたのでした。


二コラ・フーケ(1661-1680)
文芸に大きな関心を持っていた有能な貴族。
ルイ14世の怒りをかい、獄死します。

もっとも名門貴族のフーケは野心の固まりで敵も多く、国王も側近たちも失脚させる機会をねらっていたとされています。ルイ14世が後年に建築させたヴェルサイユ宮殿のもとになったのは、このヴォ―・ル・ヴィコント城です。

17 世紀のタペストリーが各部屋の壁に豊富に飾られています。

17世紀の天井画、クリスタルのシャンデリア、タペストリー。
高位の貴族の生活がいかに贅沢だったか体感できます。
革命を逃れた貴重な品々ばかりです。


当時の貴族たちの装い。

シャトーの装飾画を手がけた著名な画家シャルル・ルブランの部屋。
楕円形のグランサロン。
グランサロンのクーポルの上にあがれると知って、
たくさんの階段をのぼりました。
古い時代に人の技と知恵が造った木枠は驚異的。圧巻です。

ヴォ―・ル・ヴィコントは由緒ある伯爵家が持ち主で、今でもシャトーに暮らしています。こうした事実を知るとフランスの奥深さがわかります。

ロジェ・ムーアが主役を演じた「007」の撮影がこのシャトーで行われ、
そのとき使用したヘリコプターが展示してありました。

シャトー最上階には撮影小道具や衣装もあり、
それらを見れたのはラッキーでした。

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