ノートルダム・ド・ロレット(12号線)
ノートルダム・ド・ロレット教会のすぐ近くにある駅です。
この教会がある地には17世紀に建築されたチャペルがありました。けれども革命後の1796年に取り壊され、その近くにロレットの聖母マリアにちなむ教会を建てることになったのです。革命で処刑されたルイ16世の弟プロヴァンス伯が王政復古で王座につき、ルイ18世を名乗った1823年に建築が開始され、完成したのは1836年、オルレアン家のルイ・フィリップ国王の時代でした。
1871年のノートルダム・ド・ロレット教会。 |
当時はネオクラシックがもてはやされていて、ノートルダム・ド・ロレット教会もその様式で建築され、コリント様式の重厚な柱が並び一件ギリシャ神殿のように見えます。正面上部に「信仰」「希望」「慈愛」を表現する3つの寓意彫像があり、内部はパリでもっともカラフルな教会と言われるだけあって、華やか。特に天井に施されたブルーを豊富に使用した十字架模様が圧巻です。
イタリアのロレットにある サントゥアリオ・デッラ・サンタ・カーザ。 |
聖母マリアが受胎告知を受けた場面を描いた 15世紀のフラ・アンジェリコの名画。 |
教会の名前はイタリアのロレット(ロレート)にあるサントゥアリオ・デッラ・サンタ・カーザに由来します。伝説によると、聖母マリアが受胎告知を受けたナザレの家を、13世紀に天使たちがロレットに運び、15世紀半ばから16世後半にかけてバシリカが建築されました。以後、カトリック教徒の重要な巡礼地となっています。パリのノートルダム・ド・ロレット教会は、このバシリカからインスパイアを受けていて外観が類似しています。
手前ののノートルダム・ド・ロレット教会が、 モンマルトルのサクレクールを 支えているように見えます。 |
かつてこの界隈に暮らす文芸人が多くいて、作曲家ジョルジュ・ビゼ、画家クロード・モネが洗礼を受けたのはこの教会でした。
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