リュ・デュ・バック(12号線)
バックは平底の渡し船のことで、その名の道路に面したメトロの駅名です。
セーヌ川を横切るバック。 |
かつて左岸のヴォジラールは石灰石が豊富な地域でした。そこで採石した石灰石を運ぶために現在のバック通りを通り、その後、渡し船にのせて右岸に渡り、チュイルリー宮殿建築に必要な石材を運んでいたのです。16世紀のことでした。
バック通りメトロはルーヴル対岸のヴォルテール河畔から、学生街のセーヴル通りまで続く1000メートルを超える長い道路です。パリ左岸のほぼ中央にあるこの通りには18世紀に多くの邸宅が建築され、後年著名人が足跡を残しています。
44番地にはアンドレ・マルローが住んでいたこともあり、ここでゴンクール賞を受賞した「人間の条件」の一部を執筆し、97番地の邸宅には評論家で作家のスタール夫人が数年間暮らしていました。98番地にはかつてキャバレーがあり、そこにナポレオン暗殺計画の首謀者カドゥーダルが隠れ住んでいたこともあります。当時の2人のエンジェルのレリーフが、現在のお店の入り口の上に残っています。作家シャトーブリアンは120番地の邸宅に住みそこで生涯を閉じています。
スタール夫人が暮らしていた邸宅。 |
ナポレオン暗殺を企てたカドゥーダルが隠れ住んだ家。 当時はキャバレーで、 その時代のエンジェルの装飾は今でも残っています。 |
シャトーブリアンが住み生涯を閉じた邸宅。 |
修道女カトリーヌ・ラブレに聖母マリアが出現し、「奇跡のメダイユ教会」とか「不思議なメダルの礼拝堂」と呼ばれる祈りの場があるのは140番地です。
世界中から人々が集まる「奇跡のメダイユ教会」 |
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