2021年10月14日

オランジュリー美術館 デイヴィッド・ホックニーの展覧会

 イギリスの現代アートを代表するデイヴィッド・ホックニーの展覧会を、チュイルリー公園内のオランジュリー美術館で開催中。

1937年にイギリスに生まれたホックニーは美術大学卒業後、ポップアート運動にたずさわり、その後アメリカに渡りカリフォルニアに暮らすようになります。その地で新しい素材アクリルで絵を描き、一躍才能を認められる。特にプールを描いた数々の作品が、当時の代表作として知られています。カリフォルニアの寛大な陽光がきらめくホックニーの作品は、明るく、楽しく、活気があり、作品の前にいるだけで生き生きとしてきます。

オランジュリー美術館で展示されているのは、「ノルマンディーでの1年」と名付けた、四季の動きを表す作品集。この美術館に常設されているクロード・モネの一連の水連の作品のように、光や季節によって異なる変化を追っている作品ばかり。


小さい花が咲き乱れる木に、春の訪れの喜びがいっぱい。
木の下の黄色い花もかわいい。

ノルマンディー地方の木枠の家々。
オレンジの屋根が、そこに暮らす人々の幸せを語っているよう。

雨が降っていても川の水がピンク色なので、憂鬱にならない。
後方の、かすんで見える光景がポエティック。


豊かな緑に恵まれた広大なノルマンディー地方の、
澄んだ空気が目に見えるよう。

ケーキのような牧草ロール。
酪農が盛んなノルマンディー地方には牛が多く、
こうした光景はあちらこちらで見かけます。
木の幹の色がとってもおしゃれ。

木枠の家、小池、流れる水。のどかで平和な村。
ノルマンディー地方に別荘を持っているパリジャンは結構多い。


高さ1メートル、長さ90メートルもあるこの連作は、2020年から2021年のコロナでロックダウン中に、ノルマンディーで描いたもの。底抜けに明るく楽しい絵を追っていると、身も心もハツラツとし、世の中の不安が消え去り、平和と幸せがあたりに漂っているように感じます。

やがて秋になり、落ち葉の季節。
でも、遠くに見える木々のピンクの幹が、
数ヵ月後に来る春の喜びや明るさを告げています。

雪景色に心が洗われそう。
雪が静かに舞う音がきこえてくるよう。

壁画のように展示されている連作に、
初日から大勢の人が訪問。2022年2月14日まで開催。要予約。

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