2021年10月25日

ヴァンドーム広場にカルダーの巨大な作品が

 ヴァンドーム広場には度々アート作品が展示されるので、目が離せない。2019年のFIAC(国際現代アート見本市)の時には、草間彌生さんの大きなカボチャが展示され、まさか、と一瞬目を疑ったけれど、ほんとうだった。

今年のFIACに合わせて ヴァンドーム広場に展示されているのは、アメリカの彫刻家アレクサンダー・カルダーの最後の作品。草間彌生さんのカボチャは数日で姿を消したけれど、カルダーの巨大な作品は長い間展示されているそう。

アレクサンダー・カルダー(1898-1976)


驚くべきことは、展示されている「フライングドラゴン」の大きさ。高さ9m、長さ17m、幅6m、重さ18トン。どの数字も大きい。巨大なドラゴンが生を受けて、今、まさに飛び立とうとしている姿をあらわしていて、赤にも見えるし、オレンジにも見える。インパクトがあるので、広場中央の円柱の頂上に君臨しているナポレオンが、薄れて見える。ナポレオンは「何でここに、ドラゴンが」と思っているかも知れない。

力強く、それでいてエレガントにも見える「フライングドラゴン」

見る角度によってまったく異なる姿がすごい

左に立っているのはセキュリティーの人。
まるで重要人物みたいな「フライングドラゴン」


風になびいたり、手でそっと触るだけで動く、画期的な彫刻をクリエイトしていたカルダ―だけれど、ヴァンドーム広場の「フライングドラゴン」はモビールでなく、固定された貴重な彫刻。見る角度によって異なるフォルムがあり、力強さがほとばしっている。けれども重い感じはしない。このドラゴンにのって、未知の世界に行ってみたい、などと思うのは私だけではないと思う。

彫刻を見ながら「未来の飛行機だ」「古代の恐竜かな」「新型ドローン?」
などと語り合っている人の声を聞くのも楽しい。

作者のイニシャルと制作年が控えめに刻まれている。

ダイナミックな彫刻が突然姿を現し、
円柱上のナポレオンもさぞかしびっくりしているでしょう。

見れば見るほどカルダ―のすごさが伝わってくる。今度はイルミネーションの中に浮かぶ「フライングドラゴン」を見よう。きっと幻想的でさらなるインパクトがあるはず。

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