16年という長い間ドイツ首相を務めてきたアンゲラ・メルケルは、フランス大統領がシラク、サルコジ、オランド、マクロンと4回変わっても、格別な友好関係を保っていました。そうした女史が引退するとあって、マクロン大統領はフランスならではのお礼をしたいと、11月3日、メルケル首相をブルゴーニュ地方のシャトー・デュ・クロ・ド・ヴージュに招待。
アンゲラ・メルケル独首相 |
ワインで世界に名を轟かせているブルゴーニュのシンボルともいえる、シャトー・デュ・クロ・ド・ヴージュは、ユネスコの世界遺産になっている貴重な建造物。12世紀にシトー派の修道院が建てられ、その修道士たちがワイン作りをし、16世紀にルネサンス様式の瀟洒なシャトーになります。そして1934年には、ブルゴーニュ地方のワイン普及とクオリティを高めることを目的とする「ブルゴーニュ利き酒騎士団」の本部になる栄誉を獲得。
ブルゴーニュ地方の宝、シャトー・デュ・クロ・ド・ヴージュ。 12世紀の部分がわずかに残っていて、 後の大部分は16世紀のルネサンス様式。 |
この重要な歴史を伝えるシャトーで、マクロン大統領は若々しい張りのある声で「たくさんの事を教えてくれてありがとう、メルシー・アンゲラ」とメルケル首相にお礼を述べ、フランス最高のレジオンドヌール勲章グランクロワを授与。ピアノコンサート、ディナ―、ワインのプレゼント。シンプルで心がこもったおもてなしはフランス国民に好評でした。
「ヨーロッパの母」と呼ばれ頼りにされていたアンゲラ・メルケルが、一線から身を引いた後、ヨーロッパの勢力が衰えないか、ちょっと不安。マクロン大統領は自分でイニシアティブをとりたいようだけれど、フランス大統領選も控えているし、どうなることか。
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