何でもヴィンテージがもてはやされる今日この頃。 主に衣類のヴィンテージがすごい。ところが、今日見かけたのは、昔のバス。後ろにプラットホームがあって、そこに乗っている人たちが、風に吹かれていかにも幸せそうで、うらやましい。
プラットフォーム付きの最後のバス。いつか乗ってみたい。 |
我が家に帰っていろいろ調べたら、バスの歴史が思ったより古くてびっくり。
数人の人が一緒に乗る馬車が登場したのは、ルイ14世の時代だったから、17世紀。ただし、金額は結構高く、それを利用できる人は限られていたので、かなり不評だったのです。利用者は貴族たちが多かったようだけれど、お金があるのだから、自分専用の馬車をもてばいいのに、と庶民の私は思ってしまう。
かつては馬が引く「乗り合い馬車」が パリ市民に人気がある交通機関でした。 |
時が経ち、馬による「乗り合い馬車」がパリで定期的に運行されたのが1828年で、シャルル10世の時世。フランス革命で処刑されたルイ16世の末弟で、王政復古で兄がまず国王になり、彼亡きあと王座に就いた人。
オムニバスと呼ばれるその「乗り合い馬車」は、値段も手ごろで大評判。当然、利用者が多く、10社もの会社が生まれたほど。
1905年の自動車ショーで、バスが紹介され、翌年には早くもパリの北と南をつなぐ乗り合いバスが走ったというから、パリ市民の移動は一気に便利になったのです。
2階建てバスも早くに登場。趣きがあっていい。 |
サン・マルタン大通りを走るプラットフォーム付きバス。 連なっているのを見ると、いかに人気があったか分かります。 |
年々改革がなされ、様々なバスが登場。特に人気があったのは、後方にプラットフォームがあるバス。けれどもこれも、時代の変化で姿を消す運命に陥り、1971年1月23日、ポルト・ドゥ・ジャンティイとサン・ラザール駅をつなぐ最後の運航を終え、パリ市民の前から姿を消してしまったのです。
でも、しっかり者のパリジャンが、その最後のバスをきちんとキープしていて、それを何かの機会 (それが何の機会かわからない ) に走らせているのです。私が偶然見たのは、そのバス。ああ、いつか乗ってみたい。でも、排気ガスがかなりひどかったから、どうしよう。でも、やはり一度は乗ってみたい。
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