2023年11月17日

文化省でのセレモニー

パリの真っ只中のパレロワイヤルにある文化省は、ルイ13世の宰相リシュリュー枢機卿が1628年から建築させた旧邸宅の一角にあります。とはいえ、館の大部分は起伏に富んだ歴史と共に数回変貌を遂げ、火災にもあい、今ではわずか一部分が残っているのみ。それは、ビュラン作の黒白の円柱が並んでいる広場前で、ギャラリー・デ・プルーと呼ばれる回廊。その壁には船首のリリーフがあります。リシュリューは航海貿易監督官でもあったその名残り。その階上が文化省です。

リシュリューの豪奢な館だった時代の唯一の名残りの、
船主のリリーフがいくつか並んでいます。

文化省を設立したのは第二次世界大戦の英雄で、後に大統領に選出されたシャルル・ド・ゴール。16世紀のルネッサンスの時代から、国王が率先して芸術文化を保護していたフランス。革命でそれが消え、愛国心の固まりのド・ゴールは、文化国家フランスの復活を直ちに行ったのです。大統領に就任したのは1959年1月8日で、文化省設立は一ヵ月後の2月3日だったことから、いかにド・ゴールが熱意を抱いていたか分かります。

今回招待されたセレモニーレ会場は、数多い文化省の部屋の中でもっとも華やぎがあるサロンで、かつてはオルレアン公、後のルイ・フィリップ国王の妃マリー・アメリ―が使用していた部屋。ゴージャスなシャンデリア、いくつもの背の高い鏡、彫刻が施された暖炉、バルコニーから一望できるパレロワイヤルの庭園・・・これが官庁関係の建物と実感が湧かないほど絢爛豪華。しかも上等なシャンパン、ワインがふるまわれ、芸術的なフィンガーフードまである。


セレモニー開始の挨拶が短くてスマート。

ビュッフェタイムになると賑わいが一挙に湧き上がります。

私もフランス人の友人と久々の会話を楽しみました。


フランスの大人ならではの知性とエレガンスがほとばしっていて、
思わず見とれてしまう。

文化省のセレモニーに招待されたのは4回目。今回はルーヴル美術館のある研究員の業績を称えるセレモニーでした。

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