印象派の画家たちのサロンが初めて開かれたのは、1874年4月15日。今年は150年記念の年。それをお祝いする行事が、印象派にゆかりがある様々な地で行われています。その数は200という。その中でもっとも重要なのは、約150点の作品を展示しているオルセー美術館。
150年前、当時まったく無名だった画家たちが集まって開催したグループ展は、オペラ座から近い所にあった写真家ナダールのアトリエでした。多才な彼は若い芸術家たちへの支援を惜しまない人だったのです。
キャプシーヌ大通りにあったナダールのアトリエ。 1階がお店で2階がアトリエ。 |
クロード・モネの「キャプシーヌ大通り」 |
このサロンに参加した画家は約30人。モネ、ルノワール、ドガ,ピッサロ、シスレー、セザンヌ・・・・今では蒼々たる画家ばかり。
展覧会のパンフレット。 |
ルネッサンス期から続いていた古典主義は、テーマが歴史だったり、神話だったり、王侯貴族の肖像だったりし、一般の人とかけ離れていたし、構図にも決まりがあり教訓的な絵ばかりだった。そのすべてから脱出し、純粋に、率直に、日々の生活や風景を若い画家たちがあるがままに描くようになったのが、19世紀半ば。印象派の画家と呼ばれるようになった彼らの作品は、当然、非難の嵐を受けていました。けれども、自然や日常生活の瞬間的な動きなどを捕らえる眼と、それをキャンバスに表現する才能を評価する人が徐々に現れ、ついには、世界的な芸術となったのです。
明るい色彩、屋外の爽やかな光景、人生をたのしむ人々・・・それまでの、厳格な構図の硬い絵と異なる印象派の作品には、自由と、今を生きる喜びがみなぎっている。どの作品も刹那的な瞬間を描いていて、永久、不滅でないからこそ、心に深く響くように、私には思えます。
絵の中の花や木の葉は風に揺らぎ、雲は動き、川や海の水は流れ、人々の笑顔から笑い声が聞こえてくるかのように、キャンバスの中で息づいてる。絵は、額の中に留まって壁に描けられているのではなく、それを目にする人と共に生きている。
印象派の名を生んだクロード・モネの 「印象・日の出」 |
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