2020年5月17日

マリー・アントワネット、結婚250年記念

フランス王太子ルイ・オーギュストとオーストリア大皇女マリー・アントワネットが結婚したのは1770年5月16日。ヴェルサイユ宮殿の王立礼拝堂で、厳かで華麗な結婚式が執り行われて、今年250年記念を迎えます。

結婚式の当日朝、ヴェルサイユ宮殿に到着した
マリー・アントワネット。
ヴェルサイユ宮殿の王立礼拝堂で執り行われた結婚式。

残念ながら、コロナウイルスで特別行事はありません。第一、宮殿も閉まったままでいつ再開するか未定です。

すでに250年経った、というより、わずか250年前だったという印象が強い。それは、多分、繰り返しマリー・アントワネットが語られ、常に時代と共にいるからだと思います。展覧会を開催すると連日長蛇の列ができ、王妃に関する本の出版も後を絶たない。マリー・アントワネットは時空を超えて人々を魅了する比類なき女性だから、人々の関心が高いのでしょう。

王太子はゴールドの輝かしい装い。
マリー・アントワネットは無数のダイヤモンドを散りばめたタフタのドレス。
長いヘアには純白のバラの花を絡ませていました。
これほど長い間興味を持たれるのは、彼女が今でも通用する現代性を持つ女性だったからだと、私には思えます。何世紀も保たれてきた伝統を打ち破る勇気を持つ女性であり、モードの改革を行う格別の美的感性があり、習慣を破って子育ても自らする母性愛もある。従来の妃のように夫に従うのではなく、自分の意志で行動する強さもそなえている。

これらはイギリス元皇太子妃ダイアナにも当てはまることで、マリー・アントワネットとダイアナの共通点です。お二人がいつまでも慕われているのは、勇気を持って行動し、それでいて、女性ならではのエレガンスと気品を保っていた強味があるからでしょう。偶然とはいえ、マリー・アントワネットもダイアナも30半ばの美しい年齢で世を去り、しかも悲劇的な最期をパリで閉じたことまで同じ。不思議です。

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