2025年11月1日

アール・デコ100周年記念展

 1925年に開催されたパリ万博装飾美術博覧会で脚光を浴びたアール・デコから、早くも100年。それを記念する大規模な展覧会を、リヴォリ通りの装飾芸術美術館が開催。展示作品は1000点にものぼり、2026年4月26日まで続く。家具、ジュエリー、様々なオブジェ、ファッションなど多岐に及ぶ当時の作品は革新的で、現代的で、一世を風靡した。アール・デコは建築にも大きな影響を与え、ニューヨークやパリに現在も健在。

展示会場は3つのフロアに及び、ほとんどは当時のオリジナル作品。
それに加えて新たにクリエイトしたのもある。

注目のオリエント急行は一階にあり、すごい人気。
パリとイスタンブールを繋ぐ豪華列車への憧れは、
今でも衰えることはない。
1883年運航開始、2009年廃止。

座り心地良さそうなサロンのソファ。

新たなオリエント急行のダイニング車。
ボヘミアガラスの装飾、クリストフルのシルバーウエア、
アビランドの食器が気品を放っている。

憧れのオリエント急行を目のまえにして
幸せいっぱいの私たち。

パリとアムステルダムを結ぶ列車の
ファーストクラスのサロン。1927年から1990年まで運行。
色鮮やかな椅子は、景色を見るために動かすことができる。
希望すればここで食事も可能。

アールデコの時代には多くの家具が生まれ、
斬新で知的なデザインがもてはやされていた。

ピュアなラインと植物のモチーフのハーモニ―が特徴の家具。

個性的な鏡台。

ガラスや陶磁器の作品も多く生まれた時代だった。

ひときわの輝きを放っているジュエリー。
カルティエやブッシュロンの逸品が見られるのは貴重。

当時はアールデコを愛するジャンヌ・ランバンが花を咲かせていた。
ブロドリーはため息がでるほど緻密。

夜毎、着飾った紳士、淑女が美味と会話を楽しんだ、
世界最長の313mを誇る豪華客船ノルマンディー号の
グランド・ダイニングルーム。

ノルマンディー号のグランド・ダイニングルーム全景。

このような豪華客船に乗れるのは裕福な人のみ。
長い航海の間に何度も服も靴も変えるから、
特別なトランクが必要。
30足の靴専用のルイ・ヴィトンのトランク。
もちろん、特別オーダー。

このような展覧会を見ると、アールデコの時代の豊かさがよくわかる。イヴ・サンローランはアールデコを絶賛し、特に家具を数多くコレクションし、それに包まれたパリの邸宅に暮らしていたことが思い出される。