2009年11月28日

シャトレのつぶやき1 ボンジュール

                                  
はじめまして、シャトレです。
ワタシが生まれたのはパリ。
女の子だからパリジェンヌと呼んでいただきたいの。

でも、体中に毛が生えていて、しかも四本の足。
なぜか何を言ってもニャーンという発音になってしまいます。
人間たちはワタシをネコだと言います。

もしかしたら本当にネコかも知れないと思って鏡を見てみたら、
やはりネコの顔と姿。
それでも気に入って下さったらワタシのつぶやきを
これからも読んでくださいね。

ニャーン

2009年12月3日

シャトレのつぶやき2 運命の日


ワタシがママンに出会ったのは12年前のこと。出会いの場所はシャトレ。そこからワタシの名前が生まれたの。
ある日、ママンが、お花や動物を売っているシャトレに行った時のこと。犬やネコや鳥やハムスターやウサギや金魚などの専門店に何となく入ったのです。
そのときワタシは、お友達だか姉妹だかよくわからないけれど、
何匹かで楽しく暮らしていたの。
そうしたら、突然、お店の人が
「このネコですか?」
とワタシを抱き上げて、見ず知らずの人に顔を見せたら、
「まあ、かわいい!」
って大きな声を出して、
「これにします」だって。
その時ワタシは生後三ヶ月のかわいい盛り。

こうしてワタシはママンのアパルトマンに暮らすことになりました。
でも人間との生活になれていないので、
最初のうちはドキドキ、ビクビクの連続。
そのたびにバスルームに逃げ込んでいました。
でも以外と居心地がいいので、家出する必要もないみたい。
ただ、いろいろと疲れるママンなのです。
その第一はワタシにやたらと言葉を教えること。
この苦労話は次回に・・・ネ。
ニャン

2010年1月2日

シャトレのつぶやき3 フランス語のレッスン

  
ワタシはママンの頭の中がわからない。
だって、ワタシがネコだと知っているのに、
言葉をおぼえさせようとするのだから。
それというのも、アメリカのテレビ番組で
オウムに数字を教えているのを見たからなの。
飼い主の女の人が数字を言うと、
オウムがその数字を書いたカードを口に加えて、
ちゃんと飼い主に渡していたの。
それを見たママンは大感激。
とつぜん、教育ママにはやがわりして、
ネコも教えれば言葉を覚えると信じたらしいの。
そのためにワタシは、フランス語の特訓を受けることになったのです。

最初、ワタシは、何が何だかわけがわからなくて、
ただただびっくりしていたけれど、
「デュ・レ」とママンが言いながらミルクをお皿にいれてくれたので、
飲んでみると、何ておいしい!
これが「デュ・レ」なのかってすぐにおぼえたの。
それからというもの、
ママンが「デュ・レ」と言うと、ニャ~ン♪って、
歌うように答えてミルク専用のお皿の前に行くと、
どうでしょう。
ママンは顔をほころばせて、
「まあ、何ておりこうさん。もっとあげるわね」
と、ミルクのおかわりをお皿にたっぷり入れてくれたの。

それで気を良くしたママンは、だんだん欲張りになって、
あれこれ教えることになったのです。
たとえば、
「ア・ターブル」はテーブルにつくこと。
ダイニングテーブルにはワタシの専用の椅子があって、
その前にワタシのお皿もあるのです。
「プロムナード」はお外に行くこと。
「クッキー」は乾燥エサのこと。
「ジャルダン」はワタシの額のように小さいバルコニーに出ること。
「フィニ」はおしまいということ。たとえばクッションの上にのっていて、
この言葉を聞いたらそこからおりなくてはいけないの。
などなど、今ではフランス語が12 くらいわかるようになりました。
でも、レッスンはとても疲れるから、ワタシは時間があると
眠るばかり。

それにしても、オウムとネコの違いがわからないママンとの生活はとても疲れます。もう眠くてたまりません。
グーグー。

2010年1月6日

シャトレのつぶやき4 ギャレット・デ・ロワ

1月6日は楽しい日。
おいしいおいしいパイのお菓子、ギャレットが食べられるの。
ギャレット・デ・ロワというのは「王様たちのギャレット」という意味。
その中にはフェーヴが入っています。
フェーヴはそら豆のこと。
それが胎児に似ているから、ギャレットの中に入れるようになったんだって。

なぜかというと・・・
ママンがいつものようにお話ししてくれました。
世の救い主のイエス・キリストがベツレヘムに生まれたので、
東方の三人の博士、メルキオール、バルタザール、カスパールがお祝いにかけつけたの。それが1月6日。
その博士たちは、ワタシにはナンのことだかわからないけれど、
黄金、乳香、没薬をプレゼントしたんだって。
それを記念して、この日に、
中に陶器のフェーヴが入ったギャレットを食べてお祝いするようになったの。

ギャレットはアーモンド入りとか、チョコレートや野いちごが入ったのもあって、
どれにしようか選ぶのが大変、それでいくつも食べることになってしまうのです。
大きなギャレットを切って分けるとき、
どれにフェーヴが入っているか知るのが楽しみ。
それにあたった人は男の子だったら王様になれるし、
女の子だったら女王様になれるの。
そして、自分の好きな人をその日のカップルに選べるという、
とっても幸せな日なの。
ギャレットを買うと必ずクラウンがついているので、
それをかぶるのよ。

フェーヴもバラエティーに富んできて、
そら豆の形はどうでもよくなって、今ではお人形さんとか、動物、小さな家まであるの。それも楽しみ。

クリスマスでケーキを食べて、
またまたギャレット。体重大丈夫かな。
だけど、クラウンをかぶるのって、すご~~くむずかしい。



2010年1月20日

シャトレのつぶやき5 毛皮ものがたり

 
旧年の末からとてもとても寒いパリ。気をつけていたけれど、ちょっとカゼ気味になって寝込んでしまいました。クシャミもひっきりなしに出たし。デモ、もう大丈夫、しっかり寝たから。

ひとりで寝ているのもつまらないから、
クリスマスプレゼントの私にそっくりな可愛いいネコちゃんと一緒に、フカフカのお布団に転がっていました。
そうしたらママンがナンと言ったと思う? 
「そんな安物の毛皮なんか着ているからカゼひくのよ」だって。自尊心を傷つけられるってこういうことよね。
安物だなんて言われたって、これしかないの。生まれたときからずっとこの毛皮一枚。
だから毎日ていねいになめて手入れをしているの。それも大変なことなのよ。
なにしろワタシの毛は長いでしょ。だから時間もかかるし、ときにはエビソリになることもあるの。ミンクの方が豪華でいいに決まっているけれど、世界がいくら広いといっても、ミンクを着ているネコなんて見たことないでしょ。

そうそう、毛皮といえば、スイスはネコにはとても恐い国なんだって。
2,3年前だけど、スイスでネコの毛皮を売っているってテレビで放送していたの。
それを知ってママンは
「なにがあってもスイスに一人で行ってはダメよ」
と言っていたけれど、なんだか平和な中立国スイスのイメージが狂ってしまうわネ。
最近では映画監督のロマン・ポランスキーが、
30年ほど前にアメリカで犯した罪のために国際手配されていて、
今までどの国でもナンともなかったのに、いきなりスイスで逮捕されたし。
ポランスキーはしばらくはプリゾンに入っていたけれど、
ものすごい保釈金を払ってそこからナンとか出て、
今はスイスにある自分の別荘でおとなしく暮らしているんだって。
でもスイスが彼のパスポートを没収したからどこにも行けないの。
その上、いつアメリカに引き渡されるかもしれないらしいの。
まるで、「レ・ミゼラブル」のジャン・ヴァルジャンを追う
ジャベル警部みたいにしつこいのね。

とにかく、安物であってもワタシの毛皮はワタシにとってとても大切。
ママンがナンて言っても変えないの。
夏の暑いときにはキッチンやバスルームのタイルの上に
転がって体をひやすの。
とってもいい気持ちよ。それを見てママンはまた言うの。
「この暑いのにどうして毛皮なんか着ているの。チャックをつけてあげるから脱いだらどうなの」
ほんとうに疲れる人。

2010年2月10日

シャトレのつぶやき6 お留守番シクシク


お留守番 シクシク
ママンが急に東京に行ってしまったの。
いつ帰ってくるかわからないのでドアの前でずっと待っていたら、ナンと3日で帰ってきたのよ。
いったい何しに行ったのかしらね。でもやっぱり寂しかった。毎日シクシク泣いていたの。今回もおみやげを買ってこなかったけれど、まあいいや。

飛行機に乗ると食べるとき以外はずっと眠っているママンなのに、今回は映画を見ていたんだって。
ナンとそれはマイケル・ジャクソンのThis is it あまりにも感激したので帰りの飛行機でも同じのを見たっていうから、かなり重症ね。
マイケルのような天才的歌手は、何世紀にひとりしか生まれないのに、すごく残念だわってしつこいくらい言うの。
彼の血も肉も骨も皮膚も、ミュージックのためだけにできているような人は、
ミュージックだけに専念できるように、周りの人が助けるべき。それなのに、
みんなしてマイケルを利用することしか考えないで、いいアドヴァイスをしたり、
保護してあげないでいたから、借金が増えるし、
裁判にかけられるような事件がおきてしまったってママンは嘆くばかり。
医者のミスが命取りだったようだけれど、それだって、
マイケルの健康管理をきちんとする人がいたら、
悲劇は起きなかったかもしれないって、ママンの嘆きはちっともおさまらない。
「ああいう人はネ、地球の宝なのよ。普通の人とちがうからこそ、あれだけ素晴らしい歌をうたったり、信じられないくらいの踊りをしていたのよ。そういうアーテイストを人間が作った規則で縛ってはいけないの」
そうか、マイケルは地球の宝か。けっこういい表現だと思わない?

ところで、東京にいる時に、親戚の子の写真をとったからって見せてくれたの。ナナって名前らしいけれど、それってフランス語で女の子っていう意味。
ママンがいうにはワタシとナナの間には結構共通点があるんだって。
まず、ふたりとも女の子、しかも同じ7月生まれ。話す言葉が限られていて、
あっちは「あー、あー」こっちは「ニャン、ニャン」
大きさもほとんど同じ。手足が短い。電池が入っていないのにちゃんと動く。ミルク大好き。ひとりでナニもできないくせに、一日中あれこれ注文ばかり。

いくら親戚っていってもワタシたち似ていないわね。
ワタシは毛がふさふさしているけれど、あっちはほとんどなし。
ねえ、ナナとワタシとどっちがかわいい?

2010年3月25日

シャトレのつぶやき7 ネズミってなあに?

 
世の中にはワタシが知らないことが多すぎる。
いつだったか、アパルトマンの管理人のマニュエルが、見たこともない箱を持ってきたの。
「お宅はネコがいるから必要ないでしょうけれど、管理会社からの指示なので置いていきますが」
って言いながら、わけのわからないその箱をキッチンに置いていったの。
それを見てママンが言う。
「いやになっちゃうわね。地下の水道工事をしたときから、数件にネズミが出るようになったんだって。だからネズミ取りを置いていったのよ」
そう言われてもワタシにはさっぱりわからない。
だって、ネズミなんて見たことがないんだもん。

それから何日かたったある日の夜中、ワタシは見たの、黒っぽい小さい生き物を。もちろんママンは眠っていたから見たのは私だけ。
それがすごくかわいいの。小さい体をクルクル動かしながら、壁に沿って歩くのよ。時々立ち止まって、目を動かして様子をさぐっているみたいだったわ。ワタシは遠くから眺めていたから、その生き物はワタシに気がつかなかったみたい。そのうちその生き物はワタシのお皿に近づくじゃないの。ナニをするのかなって見ていたら、小さい両手をのばしてワタシのお夜食をひとつつまんで、さあ~てすごい勢いで電子レンジの後ろに消えてしまったの。ワタシはただびっくりするばかり。声も上げなければ、追いかけることもしなかったの。

次の日もまた小さい生き物が来て、同じようにワタシのお夜食を持っていったわ。ワタシは夜中に起きたことをママンには何も報告しないでいたの。毎日来てくれるので、お友だちができたみたいでうれしかったくらい。
そういう夜が何回か続いたある日の朝、
「ちっともネズミがかからないわ。ということは、我が家にはいないってことよね。あるいは君がいるから怖くて出ないのかも」
ってママンがワタシに言う。
「もしかしたら、ネズミ取りに付けたエサがよくないのかも」
そう言ってママンは冷蔵庫からカマンベールのチーズを取り出して、
やわらかくておいしそうな部分をつけてあげるじゃないの。
しかも高級なカマンベールよ。そうしたら、いつものように夜中に出てきたお友だちが、ワタシのお夜食には見向きもしないで、カマンベールめがけては箱の飛び込んだの。そのとたん、大きな音がして箱のフタが閉まったの。お友だちもびっくりしたみたいだけれど、ワタシもびっくり。
ママンが起きてくるまでじっとお友だちが入っている箱を見つめていたの。
わぁーん。
ネズミちゃんとお別れなんてさみしいよ~
やっと朝になって目覚めたママンはキッチンに入るなり「あら、ネズミだわ。やっぱりいたのね」
だって。それでワタシはお友だちがネズミだって知ったのよ。
箱に入ったままのお友だちをママンはビニール袋に入れて、
「じゃ、ちょっと待っててね」
と言いながら出かけてしまったの。
どうするんだろう。ワタシはとても心配でしかたありませんでした。ママンが帰ってくるのを首を長くして待っていると、ドアを開けるなりワタシの頭をなでながら語ってくれました。
「あのネズミを公園に放してあげたの。あそこなら緑も多くて空気もいいし、レストランもいくつもあるから食べ物にも困らないと思って」
ああ、なんてやさしいママン。

その後なぜかネズミはぴったり来なくなりました。
本当はたまに遊びに来てほしいのだけど・・・・
それにしてもネズミが嫌われネコがかわいがられるなんて、世の中すごく不公平。
きっとネズミたちもそう思っているにちがいないわ。かわいそうに、グスン
そう思うワタシはナンていい性格の持ち主でしょう。

2010年4月8日

シャトレのつぶやき8 ネコは電磁波が好き

ネコが電気製品から出る電磁波が好きだって知っていた?
そうなの、ナゼかはわからないけれど、好きなの。
だから、ママンがコンピューターをしているときは、いつもすぐ近くにいるの。
他のお部屋で遊んでいても、コンピューターがつく音が聞こえると、
いそいそとそこに行くほど大好き。
ママンのコンピューターは、つけるとチロチロリーって音がするからすぐわかる。
でも、あの人すごく飽きっぽい人だし、他の人が持っているのをすぐに欲しがる性格だから、
年中買い換えているのよ。それによって音も変わるから大変。本当にいろいろな苦労があるの。

ママンが出来ることだっらワタシにも出来るはずと思って試してみたけれど、
意外とむずかしいのね。
それに、ワタシの指がくっついているもんだから、
よく打てないの。トホホ・・・

でもテレビはいいわね、見ているだけだもん。
ワタシが好きな番組は動物の番組。
大きな動物でも小さな動物でもいいの。
なにしろ彼らは箱の中に入っているから、ちっともこわくない。
鳥もいいわね。

それとサッカーとかテニスの試合も好き。
なにしろ、ほら、ボールがあちこちに行くじゃない。
それを画面で追っているとすごく面白くて
時間が経つのを忘れてしまうわ。
「テレビが君のお守りをしているのね」
などとママンはいやみを言うけれど、まあ、そうかも知れない。

電磁波は人間の体にとても悪い影響を与えるそうで、
フランスでも問題になっているけれど、
ワタシたちネコはそれが好きなんだから、世の中って本当に複雑。
でもちょっと心配なのは、電磁波が人間に悪いということは、
もしかしたらネコにも悪いんじゃないのかしら。

誰か知っていたら教えてね。
人間の寿命がのびたからにはネコもがんばらなくちゃ。
そのためにも体に悪いことは避けないと。