2020年12月26日

いろいろな出来事があった2020年が、数日で終わります

コロナで生活が一変した2020年。振り返ってみると本当に多くの出来事がありました。フランスは2度もロックダウンを実施し、外出の際にはその理由、住所氏名、生年月日、出生地まで書き込む証明書を持参する義務があり、守らないと罰金。それが解除されたら、今度は夜8時以降の外出禁止。

食文化を誇るフランスなのにレストランもカフェもずっと閉まったまま。アートを愛し庇護する国なのに、美術館、オペラ座を含むすべての劇場も閉まったまま。家族や友人に会うにしても、6人が限度。人生を楽しく、美しく、有意義に暮らすアール・ド・ヴィーヴルの伝統があるフランスなのに、あれもダメ、これもダメと厳しい規制が長く続いている。そうした状況の中でも、結構ポジティブに暮らしている人が多いのには感心します。

連帯意識も高く、ホームレスや生活苦の人々に手を差し伸べる人も多い。日本では、フランス人は個人主義だとかエゴイストとか思っている人が多いようですが、私は友愛がある国民だと日々感じています。フランス革命に由来するフランス共和国標語「自由、平等、友愛」は、時代がいかに変わろうともフランス人の心から離れることはないようです。

通常、大みそかのシャンゼリゼは文字通り黒山の人で賑わい、花火があがり、友人たちとシャンパンでお祝いし、新年を迎える喜びがみなぎるのですが、今年はそれも禁止。でも、それに負けずに新たな年を新たな心で迎えようとするパリジャンたち。私も同じ気持ちです。

間もなく2020年が終わりです。
来年はもっと身軽な姿で外出したい。
寒さもどんどん厳しくなり、今日の朝は1度、午後5-6度。

2020年12月23日

リッツ・ホテルの前で、何か起きている

 ツーリストが少なくてどのホテルも寂し気ですが、リッツ・ホテル前は活気があふれていてびっくり。まず、ホテル前のヴァンドーム広場で、ミニスカートのサンタクロースの服を着た美女たちが数人、楽しそうに踊っている。何かの撮影らしくカメラマンが彼女たちを追いかけ、それが一段落するとモニターで出来具合を確かめている。そんな光景が遠くから見えたので急ぎ足で近づき、スマホでパチリ。

撮影が終わっておしゃべりするステキなサンタさんたち。

ホテルの入り口にはクリスマスにふさわしく、とび切りお洒落な大きなぬいぐるみ。愛嬌ある顔が親しみ深くていい。例年豪華なクリスマスツリーを飾るのに、今年はとっても控えめ。そのぬいぐるみの横から長い、長い行列が続いている。リッツ・ホテル特製のクリスマスケーキ、ビュッシュを買う人の列なのです。これほど並んでいたら、待ち時間も長いはず。それでもリッツ・ホテルのビュッシュでなくてはイヤ、とこだわる人が多いのでしょう。パリの人もブランド大好きなのです。

特大の着飾ったクマさん。おだやかな表情の顔がいい。

ホテル特製のクリスマスケーキを買う人の長い列。

夏もリッツはホテルを休業していましたが、スイーツ販売は今回と同じように外でしていました。いろいろなアイディアがあるものです。

2020年12月21日

太陽に会いに公園に。

 コロナ感染者が一向に減らないばかりか、マクロン大統領までついに陽性で、ヴェルサイユの公邸ラ・ランテルヌで自主隔離。そこでテレワークで公務をこなしています。

イギリスで奇妙なコロナ変異種が現れ、イギリス在住のフランス人は30万人もいるので、政府は素早く反応し、とりあえず48時間イギリスからの入国禁止を発表。緊張感が走っています。

そうした中で唯一ポジティブなことは、12月だというのに寛大な太陽が顔を出していること。なので、早速公園へ足を運ぶと、なつかしいカモたちが大勢集まっているではないですか。オーガニックのビスケットを持って行って良かった!! 

太陽と同じように寛大な心でたっぷりあげたら、嬉しそうな声をあげてかわいい。ヨタヨタ歩く姿もかわいい。昨日、日曜日のことでした。

ホ~ラ、おいしいおやつよ。たっぷり召し上げれ。
カモメたちが広い空を自由自在に飛んでいて、うらやましい。
ロックダウンの間閉まってたメリーゴーランドも再開。
うれしそうな子供たちの顔にホットします。

2020年12月19日

クリスマス ちょっとだけのにぎわい

クリスマスは家族そろってお祝いをする日。でも、今年はコロナのために多人数で集まるのはNG。最高で6人だそう。家族間の感染が多いことがわかったので、こうした処置がとられるフランス。

ロックダウンが解除されたとはいえ、 レストラン、カフェ、バーが閉まっているだけでなく、劇場も映画館も、美術館もクローズされたままクリスマス、大晦日、新年を迎えるのはやはり寂しい。

こうした状況の中でホッとするのはデパート界隈のにぎわいぶり。イルミネーションやショーウインドーの飾りを楽しむたくさんの人々の姿を目にすると安堵します。でも、夜8時以降の外出禁止令があるため、この時間を過ぎると人だけでなく車も消えてしまい、街灯が灯っているとはいえ、ちょっと怖いし寒さが身に沁みる。

それを忘れるようなクリスマスの楽しげな光景をお届けします。

チョコレートやビュッシュを買う行列を見ると、
心が和みます。

ピンクのビュッシュがたくさんの幸せを届けてくれそう。

シャーベットのオリジナリティあふれるビュッシュ。
初めて見ました。

スタイリッシュなビュッシュ。
3つの異なるお味のチョコレートが魅力的。

デパート界隈が一番にぎわっています。
とはいえ、例年よりずっと少ない人出。

小規模ながら屋台もあり、結構人気を呼んでいます。

思わず足を止めてしまう愛らしい子供服専門店。
スパンコールを散りばめた白いドレスがクリスマスにふさわしい。

2020年12月15日

ギャラリー・ラファイエットの輝き

 クリスマスにもっとも華やかなツリーを飾るデパート、ギャラリー・ラファイエット。今年のテーマは「クリスマスの旅」。ロックダウンが続いて思うように旅ができないので、せめて館内で旅を楽しんでくださいという意図があるのだそうです。

クーポールの下に飾られた、
ロケット形のクリスマス・ツリー。

大きな金魚が泳いだり、星が煌めいたり、
鮮やかな色の提灯もいっぱい。

中央の背が高いク―ポールに届くように飾られているクリスマスツリーは、ロケットの形に見えます。これに乗って宇宙に飛び立ちましょうということなのでしょうか。あらゆる色とたくさんのプレゼントを積んだロケット形ツリーの下には、発射のさいに噴き出す炎を表すカラフルな飾りまである。その上の広い空間を大きな金魚が泳いだり、提灯や星が漂っている。ひときわ目立つのは何といっても赤い飛行機。

約100年前の飛行機の模型。
このプロペラ機でデパートの屋上に降り立った人がいたのです。
本当のことだから驚きます。冒険家が多いフランスらしい。

約100年前の1919年1月19日のこと。ギャラリー・ラファイエットの屋上に飛行機で着陸成功した人に、多額の懸賞金を払うという信じられないような提案があり、それに応じたのがジュール・ヴェドリーヌ。いくつかのレースに参加したベテランパイロットです。彼はこの大冒険を見事にこなし、28mⅹ12mの狭い屋上に無事に着陸。約束の賞金25000フランを手にしたものの、パリ上空を飛行機で飛んではいけない法律を犯したために罰金を払うことになったのです。

多くの報道陣が見守る中、
危機一髪で狭い屋上に着陸したプロペラ機。


話題豊富な今年のクリスマスツリー。階上から見ると喜びや楽しさを振りまいているようで、やはりクリスマスに欠かせない存在。

何度見ても才知ある設計のデパートだと思わずにいられません。

2020年12月12日

メトロの駅名は語る 160

Guy Môquet
ギィ・モケ(13号線) 

第二次世界大戦でナチス・ドイツの犠牲になった最年少ギィ・モケの名が駅名になっています。

ギィ・モケ(1924-1941)

共産党員を両親としてパリで生まれたギィは早くから感化を受け、中学生ですでに若者の共産主義運動に加わります。第二次世界大戦初期にフランスはドイツに降伏し、1940年6月22日独仏休戦協定が結ばれ、北フランスはドイツ支配に置かれ、南は自由フランスとなります。
16歳のギィは共産主義のビラなどを配っていましたが、1940年10月に警察に捕まり、数カ所の刑務所を転々とし、フランス東北のクレルヴォ―刑務所にいる間に17歳の誕生日を迎えます。そこには青年共産党員も数人いて、後年にギィと同じ運命を辿ります。
1941年10月20日、ブルターニュ地方のナントに駐屯していたドイツ司令官、カール・ホッツが青年共産党員によって暗殺され、その報復として刑務所に捕らえられていた数10人が処刑される運命に陥ったのです。その中にギィ・モケもいました。彼は17歳で最年少でした。10月22日、仲間たちとフランス国家を歌いながら処刑場に向かい銃殺されたギィは、その前に両親に宛てて最後の手紙を書き、そこに綴られた感動的な言葉が今でも語られています。

僕の愛する小さなママン、大好きな弟、愛するパパ・・・
僕は死ぬのです! 
僕が望むのは、特に愛するママン、勇気を持っていてほしいことです。

僕だって生きたかった。
でも、心から願うのは、僕の死が何かに役立つこと。
パパ、あなたが僕に示した道を歩むために、 最善をつくしたことを知ってください。

17 歳半、僕の人生は短かかった。
でも後悔はしない、あなたたちと別れるのでなければ。
ママン、約束してほしい、勇気を持って苦しみを乗り越えることを。

 後年、名誉あるクロワ・ド・ゲール、レジスタンス勲章、レジョン・ドヌール勲章シュヴァリエを授与された他、彼の名を冠した道路や学校が生まれ、そしてメトロの駅にも名が残されたのです。

2020年12月8日

かわいい、きれい、おもしろい

 豊かなアイディアでひと目をひくディスプレイが多いパリ。小さなスぺースでも格別な個性を発揮していると、遠くからでも気になり近づきたくなります。

少女時代に戻ったみたい。
ディスプレイも可愛いけれど、ジュエリーもとってもラヴリー。

スノーボードを楽しむ元気なサンタさん。
ユーモアいっぱいのウインドー。

シンプルだけど、大きなインパクト。
何となくベルナール・ビュフェの絵を思い出します。


オペラ座のバレエを見ている気分を味わえる
ポエジーあふれる世界。



ポーランド教会の前広場に煌びやかなモンゴルフィエールが。
これに乗って上からクリスマスのパリを見たい。
でもそれは不可能だから、マスクを数秒間はずしてせめて記念撮影を。

2020年12月7日

パリの犬たち 244

 とっても心細い

ここで待っていなさいってパパが言うから、
一歩も動かないでいるのに、
どこに行ったのか、ちっとも戻ってこない。

パパはたしか、
こっちの方角に向かったと思うんだけど・・・
ああ、時が経つにつれてだんだん心細くなる。

近くに誰もいないし、
正直いって、あまり居心地いい場所じゃないから、
早くここから移動したいワン。

2020年12月5日

高級宝飾店の煌めき

宝石には、やはり特別なパワーがあるのでしょうね。高級宝飾店のショーウインドーを見るだけで、飛び切りの幸福感に浸れるのだから。しかもその余韻が結構長い間続くのです。

クリスマスのパリのショーウインドー巡り第二段です。

ひときわ目立つ華やかなショーメ。
リニューアルしてますます高貴な輝きを放っています。

格別な美しさがあるブシュロンのブルーは
やはり魅力的。

アイコンのジップネックレスで即座にわかる,
ヴァンクリーフ&アーペル。
ゴージャスで限りなく楽しい色合わせは、
ブルガリならでは。
気品漂うシャネルのディスプレイ。
シンプルなのに華麗。



真っ白な背景の中で、
ノーブルな姿を見せるルイ・ヴィトンのジュエリー。

ウィークエンドには行列ができるカルティエ。
外にサロンを設けて特別接待です。

2020年12月2日

楽しさ飛び交うパリ

 クリスマスを迎える12月に入り、華やかさと楽しさがあちこちで飛び跳ねています。まるで、魔法の杖を振ったかのように、今まで隠れていたパリの魅力が一斉に姿を見せた感じ。寒いけれど、キレイなショーウィンドー巡りは幸せの火を灯してくれそう。今日はまず第一段をご紹介しますね。

ドキッとするほど華やかなディオール。

近づくとますますドキドキ。
様々な色が組み合わされているのに、
爽やかさがほとばしっているドレス。
着てみたいけれど・・・絶対に無理。

シックにまとめたシャネル外観。
メゾンのロゴ、ダブルCが大きく描かれています。
夜、イルミネーションが灯ったら、さぞかしインパクトがあるでしょう。

ココ・シャネルがこよなく愛した黒と白。
コンテンポラリーなデザインでも、
一見してシャネルとわかるのが強み。


白を基調とした香水専門店ゲラン。
身も心も清められそう。

日本が世界に誇る現代アートの鬼才、
草間彌生さんがデザインしたヴーヴ・クリコ。
無数の黄色い水玉がシャンパーニュの泡のよう。
ワイン専門店のショーウィンドー。


ヴーヴ・クリコ【ラ・グランダム】
ボトルもラベルもボックスも草間さんのデザインで、
限定販売。

2020年11月29日

ショッピング熱

 11月28日は、ガマンしながら待ち続けていたブティックやデパートの再オープンの日。土曜日で、しかも好天気に恵まれたこともあり、どこもかしこもショッピングを楽しむ人でいっぱい。とにかく長い間禁止されていたので、何か買いたくて仕方ない、という感じ。レストランや旅行も行かなかったから、経済的余裕があるのでしょか。道行く人のほとんどが、お買い物をした証拠の紙袋を持っていて、みな、いかにも嬉しそうだし幸せそう。

ショッピングを終えて
紙袋を持ちながらを散策する人がいっぱいのパリ。

ヴァンドーム広場のカルティエの前に、
このように行列がありびっくり。


何よりも驚いたのは、ほとんど例外なしに高級宝飾店にクライアントがいたこと。もっと驚いたのは、カルティエの前に列ができていたこと。今まで見たこともなかった光景。コロナでブティック内に入れる人数の制限があるのはわかるけれど、これほどの高級宝飾店に列ができるのは、異例。

不自由な生活をしてきたし、貯金もあるし、クリスマスだから、と今までにない高級品を買いたいのかもしれない。クリスマスまでまだまだかなりの日数がある。この調子が続いて停滞していた経済がある程度回復するのを期待。でもレストランやカフェは2021年1月20日まで開けられない。政府の援助があるとはいえお気の毒。

2020年11月24日

クリスマスを待つパリ

 ロックダウンが続いているパリですが、クリスマスが近づいてきたので、シャンゼリゼの街路樹に赤いイルミネーションが灯され、デパートもクローズしているとはいえ、ショーウィンドーのカラフルな飾りが祭典らしい雰囲気を散りばめています。

それにもかかわらず、人をほとんど見かけないので寂しい。ショーウィンドーから軽快な音楽が流れているのに、楽しい気分からほど遠い。例年、子どもたちが目を輝かせたり、歓声を上げるのに、それがないからますます寂しい。

デパートの入り口は、ご覧の通り閉まっています。
でも、中はキレイな飾り。
一刻も早く入りたい。

厳しい現実を忘れさせるような、
夢いっぱいの街並み。

ゴージャス極まりないシャンデリアも、
ショーウィンドーを飾っています。


誰もいないから、たっぷり楽しめるわね。
そういう私も同じ。

元気に踊り続ける姿を見ると、
パワーをもらえそう。

などと、
デパートのショーウィンドーに
見とれているのは私くらい。
街は華やかな装飾にふさわしくないほど、
静か。