2020年12月15日

ギャラリー・ラファイエットの輝き

 クリスマスにもっとも華やかなツリーを飾るデパート、ギャラリー・ラファイエット。今年のテーマは「クリスマスの旅」。ロックダウンが続いて思うように旅ができないので、せめて館内で旅を楽しんでくださいという意図があるのだそうです。

クーポールの下に飾られた、
ロケット形のクリスマス・ツリー。

大きな金魚が泳いだり、星が煌めいたり、
鮮やかな色の提灯もいっぱい。

中央の背が高いク―ポールに届くように飾られているクリスマスツリーは、ロケットの形に見えます。これに乗って宇宙に飛び立ちましょうということなのでしょうか。あらゆる色とたくさんのプレゼントを積んだロケット形ツリーの下には、発射のさいに噴き出す炎を表すカラフルな飾りまである。その上の広い空間を大きな金魚が泳いだり、提灯や星が漂っている。ひときわ目立つのは何といっても赤い飛行機。

約100年前の飛行機の模型。
このプロペラ機でデパートの屋上に降り立った人がいたのです。
本当のことだから驚きます。冒険家が多いフランスらしい。

約100年前の1919年1月19日のこと。ギャラリー・ラファイエットの屋上に飛行機で着陸成功した人に、多額の懸賞金を払うという信じられないような提案があり、それに応じたのがジュール・ヴェドリーヌ。いくつかのレースに参加したベテランパイロットです。彼はこの大冒険を見事にこなし、28mⅹ12mの狭い屋上に無事に着陸。約束の賞金25000フランを手にしたものの、パリ上空を飛行機で飛んではいけない法律を犯したために罰金を払うことになったのです。

多くの報道陣が見守る中、
危機一髪で狭い屋上に着陸したプロペラ機。


話題豊富な今年のクリスマスツリー。階上から見ると喜びや楽しさを振りまいているようで、やはりクリスマスに欠かせない存在。

何度見ても才知ある設計のデパートだと思わずにいられません。