シャネルは繰り返し語っていたそうです。色はたくさんつけるほど醜くなるもの、と。
そのためにシャネルは黒一色とか、
襟と袖口だけに白をあしらった服を作っていたのです。それはとても清涼感があり、多くの女性を魅了。
シャネルのこの色に関するこだわりを思い出させるのはパリのクリスマス装飾。
シャンゼリゼの両サイドの街路樹に飾られた、無数の豆電球から放たれる透明感ある白色の光。コンコルド広場にこのシーズンのために設置された大観覧車や、ヴァンドーム広場の四隅のクリスマスツリーから発せられるのも、同じように透明感ある白色の光。
色を最小限におさえたそうした装飾は、身も心も洗われるほど美しい。
この素晴らしいイルミネーションを見るためだけでもこの時期にパリを訪れる価値あり。
パリの人はいつも感じがいいとは言えないけれど、こうしたすぐれた感覚を見せられると、どうしても許してしまうのです。
そのためにいつまでもパリから離れられないのが事実。