2013年12月27日

プラハでクリスマス


チェコのプラハには10代のころから特別な想いを抱いていました。

クリスマス・マーケットで賑わう
旧市庁舎前広場
コーラス部に入っていた学生時代に、何度も歌っていたスメタナの名曲を生んだモルダウ川の響きを、いつか自分の耳で聞いてみたいと思っていたのです。

プラハの象徴モルダウ川

川のほとりにたつスメタナの像
6つの交響詩からなる「わが祖国」の第2番がモルダウ(ヴェルタヴァ)で、この曲ほど思春期の私の心を動かした音楽はないのです。

そのメロディーを聞くたびにチェコの屈折した歴史、民族意識、強い愛国心、哀愁が体の中で渦巻き、感動に流されそうなほど。
大げさにいうと、国籍に関係なく、すべての人が祖国を懐かしみ、
熱い想いを抱かないではいられない曲のように
私には思えます。

心躍らせて訪れたプラハは、
ハプスブルク家統治のもとに発展を遂げた美術館のような街。
特に旧市長舎広場を囲む建造物は、様々な様式でありながら見事な調和があり、独特の趣があります。そこから延びる小道は可愛らしいしく、散策に最適。

人々は親切だし、物価は安いし、お料理はおいしいし、あちらこちらで見かけるボヘミアガラスはうっとりするほど美しい。
クリスマス・マーケットもあり、寒い寒い時期であるにもかかわらず、心に幸せが宿るほど楽しい。

作家カフカが住んでいた黄金小路の家
高台の壮麗な王宮からの眺めも抜群だし、
裏通りのオモチャのように小さい家の連なりがある黄金小路は現実離れしていて、
まるで童話の世界。
その一角にチェコが誇る作家カフカが住んでいたそうで、ますます不思議な空間に入った感じ。

魅力いっぱいのプラハ。
でも今度は春がいいかも。


最古のカレル橋
30もの聖人像が圧巻

2013年12月22日

シャトレのつぶやき 77 思い出のアルバム 19

 
エッ? お正月ってナーニ?

「もうじきお正月がくるのよ」
ママンがとてもとてもうれしそうにいう。
「お正月?」
聞いたこともないのでママンにシツモン。

「どんな人なの?」
「人じゃないの」
「もしかしてネコ?」
お正月ってナンだろうと考え込むワタシ


「ネコでもないし、イヌでもないの。お正月っていうのは、新しい年のことなのよ」
「・・・・・???」

「一年は365日って決まっていて、それが終わると新しい年になって、
また1から始まるの」

ずいぶんとややっこしいのね。
バルコニーに出たり・・・

ナニも365日で止めて1からやりなおさなくてもいいのに、ネ。
ずっと続ければいいのに。

「ダレがそんなこと決めたの?」
「誰って・・・、ナンだかしらないけれど、
そうなっているのよずっとずっと前から」

ワタシがちょっと知的なシツモンをすると、
あたふたするママン。


バスルームにいったりして
頭をリフレッシュしたけれど効果なし
結局、わけがわからないお正月の正体。
それがナニか追求するために、
あれこれひとりになって考えるワタシ。

場所を変えると突然いいアイデイアが浮かぶ
とママンがいつもいっているので、
マネてみたけれど、ちっとも効果なし。

悩みは刻々と深まるばかり。
そのうち眠りにおちいるワタシニャの。
 
疲れてねむ~いねむ~い

2013年12月17日

不思議な空

パリに長年住んでいるけれど、このような不思議な色の空を見たのは初めて。
これも夕焼けというのでしょうか。
科学がさっぱりわからない私の頭は、この空を見て混乱するばかりです。

まるで、誰かが黒で下絵を描いて、その上に色をつけたよう。
でも、そうかといって決して芸術的ではないし、あるいは、これがすごい芸術なのか、そこが微妙。
色合いが本当に不思議で、これはそうそう見れない現象かと思わず写真をとったのですが、今でも何が原因なのかわからず、写真を見るたびに悩みが深まります。
地球の不思議がまた増えた感じ。
もしかしたら、空に住むアーティストの傑作かもしれない、あるいは、他の惑星の芸術家からの地上へのプレゼントかも、などと想像も膨らみます。

クリスマス間近いある日のパリの夕刻の、空をキャンバスとする傑作です。
額に入れて飾りたい気分の空
ほんとうに不思議

2013年12月16日

クリスマス装飾 7

パリの中心に突然馬車が登場


来年は馬年。
だから、というわけではないけれど、
パリでも馬が目立ちます。
馬車まで登場なのです。

でもそれはジュエリー店、ティファニーの宣伝のためで、ラ・ぺ通りのお店の前に止まっていることもあるし、その界隈をパカパカと軽快な音を立てて走る、というか、歩いていることもある。プレゼント製品を後にたくさん積んでいて、まるでメルヘンの世界。

ご覧の通りティファニーの
宣伝用馬車です

その近くのヴァンドーム広場には、
真っ白いメリーゴーランド。
お馬さんがたくさんで可愛らしい。
私も乗ってみたかったけれど、
子供ばかりなのですぐに断念。グスン。
馬車も白いメリーゴーランドもシックなパリによく似合います。

今年は今までと異なる装飾がいっぱいで、
楽しさあふれるパリです。
それにしても寒い。
朝マイナス2度、
午後3、4度はやはり寒~い。
でもきれいなきれいなパリです。
真っ白い小さいメリーゴーランドが
おしゃれなパリにぴったり

2013年12月13日

クリスマス装飾 6

優美なパラス・ホテル、ル・ムーリス
華やぎを散りばめるマンダリン・オリエンタル・ホテル
世界に名を轟かせる宝飾店が、競い合って豪華なクリスマス装飾を行なっていますが、ホテルも同じ。

特に、外観は心をウキウキさせないではいない華やぎがいっぱいです。
見慣れた建造物も、部分的な装いをさせるだけでこれほどの変化を見せるのかと驚くばかり。
クリスマスシーズンだけの装飾美を見せるホテルには、格別の魅力があります。

こうした心がけは人のおしゃれにも共通すること。
何年も着ている服に、ある日、色鮮やかなアクセサリーをつけたら、
見違えるほどの新鮮さが生まれます。

ひとつの品にちょっとした工夫を与え様々な変化をもたらし、長年使用することに長けているパリジェンヌ。古くなったからとさっさと捨てないで、自分のアイディアで何とか新鮮味を加味し、いつまでも使う彼女たちから学ぶことは多いです。
落ち着きあるシックな装飾
インターコンティネンタルホテル

2013年12月8日

クリスマス装飾 5

パリはますます華やいでいます。
クリスマスはどこの国でもプレゼントの交換があり、それだけ街に熱気がこもります。経済危機と騒がれていますが、宝飾店が集まっているヴァンドーム広場と
ラ・ぺ通りは別世界。

特にウィークエンドはすごい人出。
ウィンドーショッピングだけかと思うと大違いです。
どの高級宝飾店もクライアントが多く、販売の人が忙しそうに動き回っています。
こういう世の中だから、確実な価値があるものが重視されるのでしょうね。
それにしてもゴージャス極まりないジュエリーばかりで、目も頭もクラクラ。
目の保養にたくさんの写真を掲載します。

カルティエ

ピアジェ
ショーメ

ヴァン・クリーフ&アーペル
 
シャネル

ブシュロン


ディオール

ルイ・ヴィトン

ブルガリ


ティファニー

2013年12月5日

東日本大震災 起きあがりこぼし展とオークション

「起きあがりこぼし」展覧会
左アラン・ドロン作、右高田賢三さん作
12月4日で大震災から早くも1000日。
イネス・ド・ラ・フレサンジュ作
復興に誠心誠意を込めてあたっていらっしゃる方々、ほんとうにご苦労様です。

フランスはいち早く大震災に対して行動を起こした国。
各地で支援活動が行なわれ、救助隊も派遣しました。
日本人の沈着な態度は世界にお手本を示し、フランスでも大きく報道されていました。

あれから約三年後、福島県会津市の郷土品「起き上がりこぼし」展をパリで開催。
再びパリジャンの熱い視線を集めています。

起き上がりこぼしプロジェクト代表の
高田賢三さん

400年前に誕生した「起き上がりこぼし」は、何度倒しても起き上がる不屈の精神、「七転八起」の表れ。これこそ大震災の被害を受け、復興に全身全霊を捧げていらっしゃる被災地の方々の美しい姿。

フランス人、日本人、国籍を問わずに様々な方々が絵付けをした「起き上がりこぼし」約100点が、現在パリ東寄りのベルシー展示会場で展示されています。作品の内、約半数は被災地へのプレゼントで、半分は19日にはパリ市長舎でオークションで売られ援助金となります。
ベルシーの会場
同じ形、同じ大きさの起き上がりこぼしが、それぞれの人の個性的な絵やデッサンで素晴らしい変化に富むアートになっていて、いつまでも見ていたいほど。

このイニシアティヴを取っているのが高田賢三さん。
パリ在住の日本人代表としてのボランティア精神に心を動かされ、12月5日のプレヴューにも多くの方がお見えになりました。

被災地の皆様に、このパリからの変わらぬ声援が届きますように。

2013年12月3日

カルティエ エキシビション

宝石商の王者と称えられるカルティエの逸品
「王の宝石商、宝石商の王」と謳われているカルティエが、その名にふさわしいエキシビションをグラン・パレで開催。

グラン・パレのサロン・ドヌールで開催
世の中にこれほど美しいものがあるのかと、ただ感嘆、感嘆、そしてまた感嘆。感動があまりにも強いと言葉を失うものなのです。世界中の人が褒めるパリの美観が束になってもかなわないほどの、圧倒的な装飾美がそこにあるのです。

中でも圧巻は王侯貴族の数々のティアラ。眩いばかりの煌きで日常はあっという間にはるかかなたに遠ざかり、夢の世界が目前に開かれます。その地上をこえた煌きは、誰も彼をも幻想の世界へ誘わないではいません。

このような宝飾品を創作する人がいて、それを購入する人がいるのだから、
地球は広いし不思議。本当に同じ地球に住んでいるのかしら、
もしかしたら他の惑星の方々かしら、
などと本気で思ったりさえするのだから、
ジュエリーのパワーは凄い。

グラン・パレが冬の空の下で
誇らしげに輝ききます
これだけの作品を、これだけ揃って見れるときにパリにいられるのは、ラッキーとしか言いようがない。ジュエリーをはじめとし、時計、オブジェなど展示数は600という破格の規模。
このイヴェントのために国境をこえてパリに運んだ作品も多く、しかも個人秘蔵や美術館秘蔵、王家所属、銀幕の女王が使用した眩いばかりの作品もあるのだから、見逃したら一大事、とばかりにプレヴューの日の会場のグラン・パレを動き回るのに忙しいこと。一点一点の前でため息をついているのだから、結構時間がかかる。しかも離れがたいのだから、更に時間がかかる。これが地上の出来事と実感するのにかなりの時間が必要なほどゴージャス。
残念ながらジュエリー撮影はNGで、お見せ出来ません。

モードもそうだけれど、ジュエリーも時代と共に変貌を遂げるのだということを、このエキシビションでわかります。時代を追いながら見ていくと、いろいろと学べて興味も知識も倍増。

たくさんのいいオーラを全身に受けられる
唯一無二の必見のエキシビションです。

グラン・パレ
2013年12月4日ー2014年2月16日

2013年11月28日

クリスマス装飾 4

賑わいを見せるシャンゼリゼのクリスマス・マーケット
恒例のクリスマス・マーケットで賑わいを増しているパリです。
シャンゼリゼの両サイドに登場するマーケットは、さすがパリ。
にぎやかだけれど、整然とした美しさがあります。
それは、美観を優先する街作りと同じ精神から生まれたもの。
買いたい小物がいっぱい

自由を尊び、何事も自分勝手にしているような印象を与えているパリジャンですが、どうしてどうして。彼らは守ることはきちんと守っているのです。
パリの美観を損ねないための連帯意識があるのです。
さすが、革命を世界に先駆けて起こした国、レジスタンスで自由フランスを取り戻した国。団結すべきときには立派に団結するのです。
そうでなれば、パリがいつの世にも、
世界で一番美しい街と言われ続けられるはずがない。

ゴーフルを食べるのも恒例になりました
それにしてもオイシ~イ!!
また食べに行こう
クリスマス・マーケットの発祥地は、
ドイツのドレスデンとされています。
それが今では世界中に広がっていて、
日本でも盛んだとか。一年の終わりに近いし、皆集まって楽しむのは大賛成。
 
ホットワインとゴーフルが飛ぶように売れる
シャンゼリゼのクリスマス・マーケット。
平和と温かさが漂い、誰もが幸せそう。
そうした光景を見たくて今年も行きました。
もちろん大好きなゴーフルもいただきました。
ただ、ホットワインは合わない。
ワインはやはり冷たいのがいい。


おいしそう!!
楽しそう!!

きれい !!

2013年11月26日

シャトレのつぶやき 76 思い出のアルバム18

こんな風になまけていたらいけないの
世界的に寿命がのびていて、とってもいいジダイ。
自転車でアシとコシを
きたえるの
でも、ゲンキで長生きするためには、いろいろと努力しなくてはダメダメ。
「食べ物にも気をつけないといけないのよ」
と、ママンが口をはさみます。
そんなこと、おりこうさんのワタシはヨ~クしっていま~す。

「それと体を動かすことも大事」
とママンの知ったかぶりがまだ続いている。
まあ、彼女は寒くても毎日お外に行って
あるき回っているのだから、
それはほめてあげないとネ。

上を向くことが大切なの

ワタシはというと、とても努力家で、自転車にものるし・・・といってもあまりのっているようには見えないけれど・・・
走ったり、転がったり、飛び上がったり、腹筋運動をしたり。


ママンが何かの本でよんで、
上を向くのが大切とわかったらしい。

「今の時代は携帯とコンピューターで下ばかり向く生活。だから
上向きポーズのヴァリエーション
肩が凝るし姿勢にも悪いのよ。毎日上を向くことを心がけないといけないのよ」

などと、たまにはいいことを言います。
ドキッとしたワタシはさっそく上をむく心がけをするようになったの。

ゲンキで長生きをしたいのは人間だけじゃニャイ。
ネコも同じ。
がんばりましょうネ。


2013年11月25日

クリスマス装飾 3

シックなサントノレ通り

世界中の人が憧れるブランド製品が並ぶ
サントノレ通りの飾りは、
赤が主体でとてもゴージャス。
その通りと交差するロワイヤル通りも同じ。
この界隈は赤が乱舞する幸せ空間。

赤には心を浮き立たせたり、
活気を与えるパワーがあって、
冬の時期にぴったりです。
こうした装飾に囲まれていると、
心が弾んで可能性がたくさんあるように思えるから不思議。

ロワイヤル通りもとてもステキ
通常は人々の感嘆を独り占めしている
「鉄の貴婦人」エッフェル塔ですが、
趣向を凝らしたイルミネーションがあふれている今の季節は、ちょっと押されぎみ。
地味にさえ見えます。
ときには主役を他に譲ってもいいですよね。

こうしたクリスマス飾りを見て、ときめきを感じている毎日です。
ロワイヤル通りの一角から
中庭形式の静かなヴィレッジに入れます

2013年11月24日

モニックの個展

モニック・グルゴーの
フェミニンな作品

秋から冬にかけて、
パリの様々なギャラリーが競うようにエキシビションを開催。
それぞれ個性的な絵が多く、
見ごたえがあります。

そのひとつが、モニック・グルゴーの個展。
彼女はナポレオンの忠実な部下だったグルゴー男爵の五代目にあたる子孫の奥方。
グルゴー男爵は、ナポレオンの歴史を読むとあらゆる箇所に登場する重要な部下で、ナポレオン終焉の地、セント・ヘレナ島にも同行したほど。

グルゴー男爵夫人のモニックは才能ある画家で、
これまでにも様々な国で個展を開催し、そのたびにご招待して下さる心優しい人。
今回は久々のパリでの個展。

ルソーに似た絵が彼女の画風で、詩情があり、色が鮮やかで、細密画のテクニックの凄さは圧倒されるほど。
「ルーペを使って描くこともあるのよ」
と気さくに裏話を語ります。
大作の前でモニックと
アトリエはパリの邸宅の最上階にあり、
ナポレオン一世と三世色が濃い、別世界のような素晴らしい住まい。

招待日は、さすが、
ナポレオンに関係のある人が多く、話がはずんでついつい長居してしまったほど。
特にエジプト美術専門家が語ることが楽しくて、ナポレオンのエジプト遠征を思い出させる貴重な話に彼を囲んで大きな輪ができ、終わったときには「この続きはいつですか?」と質問が出たほど。
色鮮やかな数々の作品

ナポレオンとジョゼフィーヌの別荘、マルメゾンの館長もいらしていて、彼のお話も中身が濃くて勉強になったし、ナポレオンの数人の部下の子孫も、いかにもそれらしい風貌で威厳があり、まるで軍人に囲まれているみたいで時代錯覚を起こしそうになったほど。

それにしてもナポレオンは凄い。
何代も先の子孫たちも結束させるパワーがあるのだから。
彼のオーラには終焉がないのだ、と思った日でした。