パリ真っ只中のルーヴル美術館のすぐ隣という最高に贅沢な場に、カルティエ現代美術財団が、10年の歳月を費やして完成。建築家はフランスが誇る現代建築の鬼才、ジャン・ヌーヴェル。14区にあった最初の財団と同じ建築家。
総面積8500m²の壁はガラス張りで、中から外が見えるし、外から中が見え、財団とパリが一体となり呼応しているのがよくわかる。それはまた、周囲の歴史ある建造物とコンテンポラリーな財団の美しい交流だ。
建物自体は1855年の万博に合わせて建築した歴史あるもので、典型的なオスマン様式。当時はホテル、その後百貨店になり、さらにその後、骨董品専門店が並び、骨董品愛好家のお気に入りの場になっていた。そこに生まれた現代美術を展示するのにふさわしいコンテンポラリーな空間。地下、一階、二階に広がる展示スペースは6500m²。中央は吹き抜けのようになっているので、上からも下からも他の階の作品の一部が見える。その間を自由が飛び交っているようで、現代を生きている実感を感じる。
14区から新たな拠点に移った財団のオープニング記念の展覧会では、これまでの40年間に展示した4500点の中から選んだ100人のアーティストの作品を順次披露する予定。パリに新たなモニュメントが加わったようで、そこから明るい未来が生まれそう。
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| 世界が注目する石上純也さんの作品が エントランス近くで視線を集めます。 |
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| プレスプレヴューの日に、本人にお会いできて 大感激。もの静かで繊細でエレガントな建築家。 |
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| 一階の奥に展示されている『浜辺』Raymond Hains作 |
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| 木のお面 David Hammons作 |
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| 地下で異彩を放っている「サロン」 Freddy Mamani作 |
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| 地下、一階、二階の中央から各階の展示作品の一部が見える。 解放感があり、自由が飛び交っているよう。 |
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| 都会に緑を運んで来たような作品もあり、 爽やかさを散りばめている。Gran Chaco作 |
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| 『木の上の二二」 Agnès Varda作 ネコが大好きな私が、一番気に入った作品。 すました表情で、凛と立っているのがいかにもネコらしい。 |
当初ホテルだった時代に、かの福沢諭吉が泊まり『ルーヴル美術館近くの同じ名のホテル』と記録しているので、私たち日本人には格別な感慨がある。正式なホテル名は『ル・グラン・オテル・デュ・ルーヴル』







































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