晩餐後隣室で記念撮影 |
洗練された文化が花開いていたイタリアで、
外交官の娘として生まれ育ったランブイエ侯爵夫人は、
フランスに暮らすようになったとき、それまでのイタリアでの生活に比べて、フランスには洗練された社交がないことに落胆します。
なにしろ彼女がいた頃のイタリアは、
ルネッサンス文化がいたるところに見られ、何もかも芸術的だったのです。フランスに居住するようになったランブイエ侯爵夫人は、率先して、宮廷の儀式ばった社交とは異なる、いわば血の通った独自の文化交流の場を作りました。
大使夫人齋藤千恵子さん、 特殊メイクアーティストのレイコ・クルックさん、 作家の辻仁成さん。 |
今でもフランス人は10人、20人も自宅に招くことが多いのですが、これもサロンのなごりかも知れません。
このような場で会話術も社交術も磨かれ、知識が豊富になっていくのです。ひとり黙っているわけにはいかないから、自分の意見も述べられるようにと、それなりに準備もする。
自分磨きにもおおいに役立つものです。フランス人が会話にたけているのは、歴史があるのです。
2月18日の大使公邸での集いは、昔のサロンを彷彿させるものでした。
招待されたのは作家、画家、音楽家など約30人。
アペリティフのときからすでに会話が始まり、会食中も、食後酒のときも貴重な意見交換が行なわれ、すばらしい雰囲気。
三宅純さん(作曲家)、 黒田アキさん(画家) 高田賢三さん(デザイナー、画家) |
このような機会を設けてくださったことに大感謝。
パリに長年暮らしていてもお互いの交流がないことが多いので、新たな出会いに刺激され、夜がふけてもその場を去るのが惜しく、会話はいつまでも途切れることがありませんでした。
17世紀にタイムスリップしたようで、感激もひとしおの
貴重な夜でした。