かくれんぼって大好き |
ナニが一番おもしろいかというと、
ママンのあわてたすがたを見ることなの。
ワタシがちょっとナニかのかげにかくれると、
あの人青くなって大声を出したり、
あちこちウロウロとさがしまわったり。
たいして広くないアパルトマンだから、
カンタンに見つけられハズなのに、
心が動揺してるママンは、それさえもできない。
イスやソファの下をみるのはクラシックなことで、
あわてふためくあの人は、
ゴミ箱の中をのぞいたり、
カーテンの後ろをみたり、
自分のブーツの中をみたり、
その辺に散らかしている新聞をどけたり、
本箱の上をみたり・・・
しかもジシンがないから、同じところを何度もみるの。
ひどいときには、ドアをあけて外をみる。
ワタシがひとりで重いドアをあけられないのをしっているのにネ。
ベッドサイドのテーブルの上に
キティちゃんのぬいぐるみが
置いてあって、
その隣りにワタシがすわっているときにも、
区別がつけられないで、みのがすこともあるの。
これはほんとうに重症ね。
あちこちさがしても
ワタシのすがたが見えないと、
「どこにいるの?」
と、今度はすご~くやさしい声をだすの。
それに誘惑されまいと、
ガンバってかくれ続けるワタシ。
少しづつしか姿をみせないの |
もうそろそろ出てきてもいいんじゃない?
いいことがあるから、ネッ」
こういうときはあぶないことをワタシは経験でしっている。
たった数分間かくれていただけなのに、
何年も離れ離れになっていたみたいに、
ワタシをぎゅっとしめ付けて、
ほおずりまでするの。
メイワク、メイワク。
でもあわてるあの人をカンサツするのって、シゲキテキ。
だからワタシは時々かくれるのです。