国王シャルル7世の 戴冠式のジャンヌ・ダルク。 彼女の肖像画というより、 画家アングルの想像作品。 |
イギリスに占拠されていたフランスを
救った少女として、
世界中で名高いジャンヌ・ダルク。
聖女にまで昇進した彼女の銅像は、
パリにいくつもあるけれど、
サン・トーギュスタン教会前とチュイルリー公園近くの騎馬像は、
見るからに雄々しく大人気。
5月12日午後、
このふたつの銅像をつなぐ路上で、
ジャンヌ・ダルクの行進があり、
パリ市民もツーリストも大喜び。
行進の先頭を行くジャンヌ・ダルク |
考えてみると5月は彼女の記念日が多い。
1429年5月8日
イギリスに占領されていた町オルレアンを、激戦の末、開放。
1430年5月23日
パリの北、コンピエーニュの森で、
イギリスと手を組んでいた敵、
ブルゴーニュ軍に捕らえられる。
5月30日
宗教裁判の結果、
魔女の汚名をきせられ19歳で火刑。
聖女ジャンヌ・ダルクへのオマージュの 長い行列が続く |
1920年5月16日
ローマ教皇ベネディクトゥス15世により聖女となる。
と、これだけ揃えば、
5月はジャンヌ・ダルクの月とさえ言える。
だから、行事があっても不思議ではない。
実は彼女が聖人に列せられた1920年に
5月第二日曜日をジャンヌ・ダルクの祝日、
別名、愛国心の祝日と決めたのです。
そのために、フランス各地で様々なイベントがあるのです。
勿論、愛国心の固まりの ベテランも登場 |
なので、もちろん、
心躍らせながら見物に。
ジャンヌ・ダルクの生家や、
彼女が通っていた教会を訪問したこともあるだけに、
無関心でいるわけにはいかない。
目的地はもちろん行進の出発点のサン・トーギュスタン教会。
目の前に見える馬上のジャンヌ・ダルクは、実にりりしい。
本物でないことを充分承知しているのに、
甲冑に身を固め、武装した多数の兵士に囲まれている姿を見ると、
これが奇跡の少女か、
と感激してしまうのだから不思議。
終着はチュイルリー公園近くの ジャンヌ・ダルク像。 そこで聖女ジャンヌ・ダルクと 愛国心に関して長い演説。 |
もし、彼女がみすぼらしい身支度だったら、
そうはいかなかったと思う。
ジャンヌ・ダルクを駆り立てたのは純な愛国心。
だから彼女の祝日には、愛国心を盛り上げようとフランスの国旗が華々しく飾られる。
赤、白、青の三色旗は、見れば見るほど美しい。
特に5月の晴天の日にはそれが青空に映え、
誰もが愛国者になりそう。
とは言うものの、このところ経済が下降線をたどる一方のフランス。外国移住の若者が急増しているのが事実。人気の国はイギリス、スイス、カナダ、ドイツだと統計が語る。
5月12日の祭典によって、何か変化が起きるのかしら?
いろいろとあるけれど、
私にはパリが一番合っている、
と再認識したジャンヌ・ダルクの祝日でした。