ナポレオン3世 |
以前から疑惑をもたれていたナポレオン3世の出生に、科学が正式な答えを出してくれそうな気配です。
ルイ16世とマリー・アントワネットの王子ルイ17世のときと同じように、またもやDNA鑑定で真実がわかるかもしれないと、フランス人は興味津々。
しかし何ということ。
そのDNA鑑定で、もしかしたら、
ナポレオン1世の父親はこれまで歴史書に書かれていたように(私もそのように書いたひとり)、シャルル・ボナパルトでないかもしれないそうで、私の頭の中は混乱極まりない。
ナポレオン1世 |
ナポレオン3世はナポレオン1世の弟ルイと、彼の最初の妃ジョゼフィーヌの娘オルタンスの間に生まれた子供。
オルタンスはジョゼフィーヌに似て多情な女性で愛人も多かった。ただし、ナポレオン3世を身ごもった頃には夫婦は一緒に暮していたので、ふたりの間に生まれた子である可能性は計算上では高い。
ところが今回の鑑定で、
ルイ・ボナパルト |
そのために次のような仮説が成り立つのです。
ナポレオン1世の父親とルイの父親は別人。ナポレオン1世かルイのどちらかの父はシャルル・ボナパルトで、どちらかの父はX。
ナポレオン3世とナポレオン1世の容姿も、性格も、政治力もまったく似ていないために、ずっと疑問が持たれていた二人の間柄。
ルイのお墓をあばいて骨を取り出し、さらなるDNA鑑定をするそうなので、そのときこそはっきりした事実がわかるでしょう。
オルタンス |
二人とも、唯一の息子を若い年齢で失ったのは、動かせない共通点です。
それにしても、ナポレオンの母レティシアにしても、ルイの妃のオルタンスにしても、すごい女性です。
このような母親から生まれ、育てられたからこそ、歴史に残るような人物になったのかも。
母は強い。影響力も大きい。
重大な秘密を抱えながらも、平然と、しかも誇り高く人生を生きた姿に目眩を覚えるほど。こうした例は何も過去だけでなく、現在もたくさんあるフランスです。