街角にスズランが いっぱい。 |
小さな鈴をつけた愛らしい花が国中にあふれ、清々しい香りに包まれます。
愛情と友情のシンボルのスズランを贈る習慣は、16世紀のフランス国王シャルル9世の時代に始まったのですから、歴史は長い。とても長~い。
それは王の座についたばかりのことでした。11歳のシャルル9世が、野山に咲き乱れていたスズランの花束を5月1日に贈られ、
繊細な感性のシャルル9世 |
何しろ彼は繊細な心の持ち主で、
詩を綴るのが好きだった国王。
もちろん国事は母カトリーヌ・ド・メディシスに任せっぱなし。
スズランの花束を手にして大きな幸福感を味わったシャルル9世は、それ以後、家臣や貴族夫人にプレゼントするようになり、やがて世に広まったのです。
スズラン祭のときには、誰がどこで売ってもいいという習慣もあり、子供も大人も数日前から大活躍。
街中にあふれるスズランは、愛らしい姿をしているけれど、
毒を持っているのでお気をつけ遊ばせ。
あちらでもこちらでも スズランが売られます。 |
スズランがよく使われます。
スズランは幸福の訪れ、幸福の再来、純潔などを意味するのがその理由。
ウエディングブーケは香りのある花をという習慣が、ヨーロッパに古くからあるので、
爽やかな香りのスズランは最適なのかも。
そういえば、イギリスのキャサリン妃もスズランのブーケでした。
スズラン祭を境に、春の景色が一挙に広がるパリです。
でも、今年のスズラン祭の日は雨。
何がそんなに悲しいのか、空の色が寂しそう。
でも、ときどき太陽が姿を見せる奇妙なお天気です。