科学も宇宙もさっぱりわからないけれど、10月25日、パリで部分日食が見れました。何もわからないからこそ、不思議だし、キレイだと思えたのです。
しかし、いつまでたっても、地球以外に惑星がある実感が湧かない。
まず左上が欠けて見える |
そしてまた小さく。 |
やはり地球は病んでいる。10月の半ばを過ぎたというのに、パリの午後の気温は連日20度を超えている。南仏はそれどころか、場所によっては海で泳げる気温。こうした好天が続くのを喜んでばかりいられない。水不足が続き、農家はとても大変なのです。
今は万聖節のヴァカンスで、パリは賑わっています。この好天気の中で、コンテンポラリーなアート作品を多数鑑賞できるのが、とても嬉しい。しかもパリの空気を体に浴びながら、です。
この青空の下に突然登場した、背が高い彫刻。 清々しく、いつまでも座り心地がいい椅子から、動きたくない。 |
その近くで後ろを振り向いたら、大きな顔があってびっくり。 シンプルだけど、豊かな表情。 |
今回は、背が高い作品が多い。 何を表現しているのでしょう。 |
花飾りがあるブルーのオベリスク、だそう。 カラフルなモザイクが生気を与えているよう。 |
数多くの惑星のような球が展示されていて、 子供たちがよじ登ったりして、楽しんでいます。 |
気を付けて!!! 芝生の中にも作品が。 |
ヴェルサイユ宮殿はルイ14世が建築し、ルイ15世が思う存分楽しみ、ルイ16世が責任を取らされたと、フランス人は言います。となると、壮麗な宮殿で気ままな生活を堪能したルイ15世は、幸せな国王と言えます。
3人のルイ国王の中で、もっともキレイな顔をしていたルイ15世には、それなりに歴史に残る愛妾がいました。改めて言うまでもなく、ポンパドゥール夫人とデュ・バリー夫人です。ルイ14世にも、もちろん、愛妾が数人いましたが、興味深い人はいません。ルイ16世は、歴代の国王で唯一愛妾がいなかった珍し国王です。
幸せなルイ15世の時世は、優美な曲線を描くロココ様式がもてはやされ、ヴェルサイユ宮殿は更なる輝きを散りばめていました。今年はルイ15世の戴冠式から300年の記念すべき重要な年。それを祝う展覧会を10月18日からヴェルサイユ宮殿で開催。
贅を尽くした数々の作品を集結し、訪れる人を夢のような世界へと招きます。約400点も展示しているので、見ごたえがあります。
ルイ15世が35年間使用していた事務机。 当時の様式を取り入れた逸品。 |
複雑な機能が集結されている時計。 |
当時の女性のドレスは、 体にかなりの負担がかかるデザインでした。 |
ポンパドゥール夫人が最も気に入っていたシャンデリア。 |
宮殿の3階にある複数の部屋は、長い間工事で閉まっていたのが、やっと終了。以前から訪れたいと思っていた、ルイ15世の公式愛妾デュ・バリー夫人の居室です。
デュ・バリー夫人の居室のひとつ。 左の優雅な家具は、宝石入れ。 |
窓辺に立つ愛妾の美しい姿が目に浮かぶよう。 |
イニシャル入りのフェミニンなモチーフのセーヴル焼きは、 マリー・アントワネットを彷彿させます。 |
デュ・バリー夫人のコレクションのひとつが マントロピースの上で華を添えています。 |
それにしても久々のヴェルサイユ宮殿で、フランスの栄光をひしひしと感じました。ビュッフェのランチも素晴らしく、上質の栄養をいただいたよう。
ビュッフェも品数豊富。 ヴェルサイユ宮殿でのランチは、一味違います。 |
休館日なのに、キレイなブーケがお出迎え。 本物の美に染まった日でした。 |
パリコレで賑わっていたファッションウイークが終わり、静けさが戻ってきたパリ。秋が始まり、パリらしい光景があちらこちらで見られます。
何よりも心に栄養を与えてくれるのは、紅葉し始めた美しい姿を見せる木々たち。伸び伸びとした木々の下を歩いていると、フレッシュな空気が全身を包み、新たな命を授かったかのように、嬉しくなります。
秋は、やはり、アートに親しむ季節。多くのギャラリーが展覧会を開き、ヴェルニサージュも大賑わい。こうしたギャラリーで、今まで知らなかったアーティストたちの作品に触れると、とても豊かな気分になります。
やはり、秋のパリはいい。
紅葉が始まった木々の下をゆったりと散策。 幸せなひとときです。 |
日動画廊のパリ支配人の長谷川崇子さん。 「何年ぶりかしら」、とお互いに振り返ったら、 「コロナ騒ぎもあったし4年以上経っているはず」と知って、びっくり。 |
またすぐに行きたくなる静かな公園。 |
パリは美しい景観を保つために、色の規制がかなり厳しかったのに、一体、どうしたことか、最近、色が溢れてきているようです。
ファッションウイークの間は、雰囲気を盛り上げるために、たくさんの色が街を飾っていましたが、それは数日で消える運命。ところが、最近は、常設のドアや建物がカラフルで、しかもかなり大胆な色。落ち着いた石灰石の建造物が整然と並ぶ中に、とつぜん現れる刺激的カラー。正直言って、私は馴染めません。やはりパリはシックなままでいて欲しい。
建物全体をショッキングピンクの布で包んでいて、 それこそショッキング。ファッションウイークが終わった後、 取り外し、ホッとしました。 |
ファッションウイーク中は、いくつもソワレが開催され、 外は魅惑的なライトアップ。これは一日限り。 |
カラフルな外壁のブティック。 これは、当分このままでしょう。 |
大胆な赤いドアも結構増えています。 |
フランスの三色旗が、建物を囲んでいて、とても目立ちます。 それが目的なのでしょう。 |
ということで、二年後にオリンピックを控えて、パリが大きく変貌するようで、ちょっと心配なこの頃。
ファッションウイークの最中に、カルティエがコレクションを発表。連日ショーがあり忙しいにもかかわらず、いかにもファッションに携わっている装いで、多くの人が集まっていました。
カルティエと言えば、パンテールが長年のアイコン。そのパンテールに捧げる作品が圧倒的に多く、私も大好きなモチーフなので、じっくりと鑑賞。その数点をご紹介します。
迫力満点のブレスレット。 これを身に付けたら、いろいろなことから守ってくれそう。 |
パンテールのしなやかな体がフェミニンなネックレス |
様々な貴石を使用した、バラエティに富むパンテールのリング。 |
留め金でカルティエの作品だとわかるバッグも大人気。 |
フレグランスのチョイスもたくさんあります。 カルティエの特徴あるカラーのケースがおしゃれ。 |
若くチャーミングなアマンドと。 |
ステキな花飾りに囲まれたビュッフェで、 会話に花が咲きます。 |
個性的なネックㇾスにすっかり魅了されました。 |
DIOR by Dior クリスチャン・ディオール 自叙伝 (翻訳) 集英社 | |
CHANEL BOOK 完全版 (翻訳) さくら舎 | |
シャネル シャネルを支えた 8人のレジェンドと 生きている言葉 さくら舎 | |
ルーヴル美術館 女たちの肖像 描かれなかったドラマ 講談社+α文庫 |
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カルティエと王家の宝石 集英社インターナショナル | |
カルティエを愛した女たち 集英社インターナショナル | |
最期の日のマリー・アントワネット ハプスブルク家の連続悲劇 講談社+α文庫 | |
イヴ・サンローラン への手紙 (翻訳) 中央公論新社 | |
クイズで入門 ヨーロッパの王室 講談社+α文庫 | |
マリー・アントワネットと フェルセン 真実の恋 講談社+α文庫 | |
国王を虜にした女たち 講談社+α文庫 | |
息子を国王にした女たち 講談社+α文庫 | |
ディオールの世界 集英社 | |
ディオールと華麗なるセレブリティの物語 講談社 | |
Yves Saint Laurent
The Beginning of a Legend アルク出版 | |
フランス革命秘話 大修館書店 | |
マリー・アントワネットと悲運の王子 講談社+α文庫 | |
ナポレオンが選んだ三人の女 講談社+α文庫 | |
ヴェルサイユ宮殿 密謀物語 大和書房文庫 | |
パリのフローリスト、 パリのお花屋さん フォーシーズンズプレス | |
セザンヌ 〔共著〕 婦人画報社 | |
ヴェルサイユ 王の悦び 〔翻訳〕 Les Editions du Huitième Jour | |
花の向こうに 〔翻訳〕 世界文化社 |