2011年11月1日

ホテル・リッツが閉まる

由緒あるホテル・リッツ
パリの名所的存在になっている高級ホテル・リッツが閉まります。
とはいっても約二年半かかるリニューアル工事のため。

現オーナーはエジプトの大実業家モハメッド・アルファイド。
1979年にリッツを購入し、その際にある程度のリニューアル工事をしたものの、
それ以降大々的な模様替えをしていなかったのです。
今回ホテルを全館閉めて工事ということは、
かなり本格的な変貌がなされるはず。

リッツといえば、ダイアナ元イギリス皇太子妃と
オーナーの子息ドディの最後の地となった所。
ふたりが揃ってホテルに入る場面と、裏口から外に出る場面のビデオが、
事件の後、何度テレビで流されたことか。

リッツはまたヘミングウェーやプルースト、チャップリン、ディートリッヒが愛し、シャネルが長年住み生涯を閉じたホテル。

友人が宿泊していた
リッツのお部屋。
王朝時代を彷彿させるインテリアが
素晴らしい。

シャネルの部屋は当時の面影をそのまま残しているし、ホテルの奥まったところにあるバー・ヘミングウェーは、彼が今そこでカクテルをじっくりと味わっているかのような、第二次世界対戦直後の雰囲気が満ち溢れています。
彼は戦いが終わったときにリッツに一番乗りし、自由に乾杯した人。
このバーでのカクテル・ヘミングウェーは、
一度は味わっていただきたい美味。

近年に続々と新ホテルが建築されてパリですが、ノスタルジーを掻き立てないではいない貴重な歴史を刻んでいるリッツは、やはり格別な存在。
工事後の2014年にどのような姿を見せてくれるか楽しみ。
でも、過去が葬られるようで寂しい気がしないでもなく、とても複雑。
バーに行ってカクテル・ヘミングウェーを飲みたい気分。