会場はセーヌ左岸の広大な植物園内。この日も非常な寒さに震える夜でしたが、それが一挙に飛んでしまうほどの驚きと感嘆の連続。
シシーになった気分で乗った おとぎ話に登場するような馬車 |
テントはいわば馬車の乗り場だったのです。さすが高級馬具製作を起源とするメゾンにふさわしい。
アペリティフをいただく温室の外壁に Hのイルミネーション |
光の国から今舞い降りてきたかのように、
豆電球を体中にまとった幻想的な馬に引かれた6人乗り。
そこに着飾った御者の誘導で乗り、馬車は冬の寒さで葉を落とした木々の間を通りながら、植物園の中をゆったりと走ります。
その光景は、私に、オーストリア皇妃シシーを思い起こさせました。多分、今、ハプスブルグ家について書いているからでしょう。
その内、遠くに輝くHの文字が見えてきました。勿論エルメスのHです。
そこにも明かりが灯されていて、木々の間から見えるその文字が、私たちが向かっている目的地を示していることは、一目瞭然。
光の輪を通ってディナー会場へ |
見上げるほど大きな木や珍しい葉を見せる植物を観賞しながら、そこでアペリティフ。
と、どこからか鳥の鳴き声や、現実離れした楽器の音が聞こえてくる。気をつけてあたりを見回すと、女性、男性が植物の間に隠れるようにしながら、歌ったり竹の楽器を奏でているのです。
長さ70メトルのテーブルに 招待客は300人 |
幻想的なディナー会場の 国立鉱物博物館 |
帰りはみなバラバラになるので、タクシーを無数にキープ。
パリならではの、そして破格のメゾンならではの、いつまでも記憶の奥に留まるすばらしいソワレでした。