獄中のマリー・アントワネットの 最後の肖像画 |
専門家の調査によると、その手紙は1793年初頭に書かれたものとのこと。
ということは、マリー・アントワネットがタンプル塔に幽閉されていた時。その年の1月21日に国王ルイ16世が処刑。
手紙がそれ以前のものか、以後のものかは、
内容から判断しにくい。
文字には一切乱れがなく、フランス語に誤りもなく、彼女がいかにフランス語習得の努力をしたかわかります。文字が美しいだけに、心に訴えるものも大きく、もの悲しい。
宛名は書かれていないけれど、ルイ16世の末弟アルトワ伯宛てではないかと推定されています。手紙に「義理の弟」という文字があるからです。
彼はマリー・アントワネットと同じように快活で、
ヴァティカン所蔵の マリー・アントワネットの手紙 |
ヴァティカンのアーカイヴ所蔵のこの貴重な手紙は、
ローマで他の資料と共に展示されるそう。
多分オークションにかけられたときに、ヴァティカンが購入したと見られているのですが、
何故フランスにないのか残念。
ともあれ、その全文をご紹介します。
親愛なる義理の弟よ、
私の苦悩を分かち合う人々の気持ちのみが、
この悲しい環境の中で、
マリー・アントワネットのサイン |
私が受けることができる
唯一の慰みなのです。
唯一の慰みなのです。
私の誠実な愛を。
あなたに心を配る義理の姉
マリー・アントワネット
マリー・アントワネットが看守の目を盗んで書いたに違いないと思うと、心が痛みます。
紙もなく、本の一部を破って書いた可能性もあるとのこと。
そうとなるとますます胸が締め付けられる想いです。
ヴァティカン所蔵の古文書展
LUX IN ARCANA
2月24日ー9月9日