2012年7月28日

オリンピック

ロンドン・オリンピックがついに開幕。
日本も大騒ぎでしょうが、フランスも負けていません。

熱気に浮かされたのか、パリ市長舎前広場に大スクリーンを設置し、
みんな一緒にオープニング・セレモニーを見ましょう、ということらしい。
それに応えて大勢の人が集まり、朝方までお祭り騒ぎ。

オリンピック開催をロンドンと争って見事敗北したフランス。
そんなことはすっかり忘れて、
子供みたいに夢中になるのがフランス人のいいところ。

私もテレビでセレモニーを見ていましたが、会場のアナンスがどれも
最初にフランス語でその後英語だったのが印象的。

なぜなら、現在オリンピックが開催されているのは、フランス人のクーベルタン男爵のお陰だから、それに敬意を表しているのです。
近代オリンピックの父
クーベルタン。祖父はナポレオンと
ルイ18世の高官という名門出身。
彼が過去のオリンピアのスポーツ競技に絶大な関心を抱き、その復活のために多大な努力をし、ついに実現されたのが1896年。ギリシャのアテネでのことでした。

クーベルタンがスポーツの重要性に気がついたのは、イギリスに滞在しているときに見た学校でのスポーツ教育。
スポーツは強靭な体と精神を作る。
それゆえにイギリス軍人が強いのだと解釈。
ナポレオンが誇る軍団がワーテルローでイギリスに大敗したのも、軍人の心身の強さの差によるというのが彼のまじめな説。

昔はイギリスとフランスは戦いが絶えない仲だったけれど、
今は時代が変わり、フランス人の中には親英家も多い。

パリ市内にあるクーベルタンの記念碑
それに輪をかけたのが、オランド大統領による高額所得者への最高75パーセントの課税案。
イギリス首相はそれに素早く反応を示し、大金持ちのフランス人や企業にイギリスにいらっしゃい、
税金は心配しなくていいと魅力的な提案。

オリンピックもあり、今、最高潮のイギリス。
パリから陸続きになったし、少しの間ロンドン暮らしを考えてもいいかもなどと、
パリでボーとしながら思ったりの日々。