パリの高級ホテルとして
名高いクリヨンホテルが、
いよいよリニューアルのために
閉鎖されます。
多くの国家元首を迎えた 由緒あるクリヨン・ホテル |
フランスが最高級ホテルの格付けを
《パラスホテル》としたとき、
リッツとともにそれを逃したクリヨン。
これでは名にかかわると、
ふたつのホテルはリニューアルをして
名誉挽回を計るということらしい。
貴族的なロビー兼ティールーム |
メインレストラン、アンバサダー |
18世紀に建築されたクリヨンは、ルイ15世の治世の貴族の館だった由緒ある建物。クリヨン公爵とその子孫が長年にわたって暮らしていたために、ホテル名もそれにちなんで付けられたのです。マリー・アントワネットがピアノのレッスンをしていたこともあるという。
こうした貴重な歴史を刻んでいるクリヨン。歴史建造物として認定されている部分は、もちろんそのまま。それでもリニューアルで一掃したいようで、ホテルの家具装飾品をすべてオークションで売るそう。その数は3500というのだから、半端ではない。フィリップ・スタルクのクリスタルのコンソルもあれば、シルバーのナイフ、フォークもある。クッション、カーテン、椅子、テーブル・・・
4月12から16日まで内覧会があり、オークションは18日から22日まで。会場はもちろんクリヨンホテル。
工事で閉鎖中、従業員全員にサラリーは支払うという配慮は素晴らしい。これも社会党政権だから、とは限らず、労働組合が強いフランスでは別に珍しいことではないかも。それにしてもいい国。従業員はこの二年間に思いっきり人生を楽しむ、と顔をほころばせるばかり。この時期に、何と恵まれていることよ。
若かったあのころが懐かしい |
クリヨンホテルの懐かしい思い出は、なんといってもデビュタントのソワレ。初期に何度か招待されて、友人と大騒ぎしながら慣れないロングドレスを着て出席したものです。
当時は本当の貴族の令嬢の社交界へのデビュー。オーガナイザーから日本の貴族の令嬢をぜひ、と頼まれたけれど、それはどう考えても不可能。
それも年月を重ねるうちに変わり、数年前からショービジネスや実業家のお嬢さんになり、それも今回の工事でストップ。今後どうなるかは未定。
変貌があちらこちらで見える、忙しい今日この頃のパリです。