2013年2月22日

クリヨンホテルのオークション


パリの高級ホテルとして
名高いクリヨンホテルが、
いよいよリニューアルのために
閉鎖されます。
多くの国家元首を迎えた
由緒あるクリヨン・ホテル

フランスが最高級ホテルの格付けを
《パラスホテル》としたとき、
リッツとともにそれを逃したクリヨン。

これでは名にかかわると、
ふたつのホテルはリニューアルをして
名誉挽回を計るということらしい。

貴族的なロビー兼ティールーム
メインレストラン、アンバサダー
リッツはすでに工事が始まっていて、二年後に再オープンの予定。けれども、何事も予定通りにいかないフランスのこと。かなりの遅れを今から予想しているフランス人です。

18世紀に建築されたクリヨンは、ルイ15世の治世の貴族の館だった由緒ある建物。クリヨン公爵とその子孫が長年にわたって暮らしていたために、ホテル名もそれにちなんで付けられたのです。マリー・アントワネットがピアノのレッスンをしていたこともあるという。

こうした貴重な歴史を刻んでいるクリヨン。歴史建造物として認定されている部分は、もちろんそのまま。それでもリニューアルで一掃したいようで、ホテルの家具装飾品をすべてオークションで売るそう。その数は3500というのだから、半端ではない。フィリップ・スタルクのクリスタルのコンソルもあれば、シルバーのナイフ、フォークもある。クッション、カーテン、椅子、テーブル・・・

4月12から16日まで内覧会があり、オークションは18日から22日まで。会場はもちろんクリヨンホテル。

工事で閉鎖中、従業員全員にサラリーは支払うという配慮は素晴らしい。これも社会党政権だから、とは限らず、労働組合が強いフランスでは別に珍しいことではないかも。それにしてもいい国。従業員はこの二年間に思いっきり人生を楽しむ、と顔をほころばせるばかり。この時期に、何と恵まれていることよ。

若かったあのころが懐かしい

クリヨンホテルの懐かしい思い出は、なんといってもデビュタントのソワレ。初期に何度か招待されて、友人と大騒ぎしながら慣れないロングドレスを着て出席したものです。

当時は本当の貴族の令嬢の社交界へのデビュー。オーガナイザーから日本の貴族の令嬢をぜひ、と頼まれたけれど、それはどう考えても不可能。

それも年月を重ねるうちに変わり、数年前からショービジネスや実業家のお嬢さんになり、それも今回の工事でストップ。今後どうなるかは未定。

変貌があちらこちらで見える、忙しい今日この頃のパリです。

2013年2月19日

パリの都市計画

20世紀初頭の二つの様式を取り入れた
デパート、サマリテーヌ

アール・デコとアール・ヌーヴォーを取り入れたデパート、サマリテーヌが老朽化を理由に閉鎖され、
その後オーナーのLVMHが新たな建造物になることを発表。
日本人を含む建築家も決まり、
いよいよ工事が開始されるかと大きな期待をよせていたところ、なにやら問題があるらしい。


LVMHの発表によると、
デラックスホテル、レストラン、
ビューロー、住宅、店舗などが設置され、パリの新しい名所になる予定。
1889年建築のエッフェル塔
ところが、その建物が透明であまりにも近代的過ぎることが
反論を呼んでいるのです。

確かに周囲の建造物は歴史を伝える重厚なものが多い。
そうした地域に、透き通る建物など建てたらパリの美感を損ねる。
パリの汚点にさえなると、うるさいパリ愛好者が騒ぎ始めたのです。

こうした例は今回が初めてではなく、
ルーヴルのピラミッドもエッフェル塔も、
その建築のときには論議を呼びました。

1989年に完成したルーヴル美術館の
ピラミッド
けれども今ではパリを代表する立派なモニュメント。

街全体の調和を大切にするパリ。
頑固なまでにそれに固守する人がいるからこそ、世界で最も美しい街と呼ばれる美感が保たれているのでしょう。
この論議がどのような展開をするか、
私は興味津々。

パリは変わらないで欲しい、でも、新旧の両面を持つパリもいい。
と、ちょっと複雑な心境。

2013年2月15日

法王退位表明 続き

ローマ法王ベネディクト16世が退位表明をしたことに関する反響は、スランスではとても大きく、表明後4日たった今でも大きな話題。

その中でもっとも多い意見は、85歳という年齢を考えれば当然。法王といえども人間なのだから、公の活躍に限度があるのはよくわかると好意的なもの。

哲学と神学を学び、特に神学の大家として認められ、前任のヨハネ・パウロ二世に卓越した知性を評価され、ヴァティカン入りした学者肌のドイツ人。


ヨハネ・パウロ二世が逝去した2005年に法王として選ばれたとき、ベネディクト16世はすでに78歳の高齢。多くの人が次の法王が選ばれるまでの、いわば臨時の法王と思ったほど控えめな性格だったようです。

ところがそれから8年もの長い間、しかも、複雑で過激な世界情勢が続いていた中で、重要な任務をこなしてきたベネディクト16世。

ヨハネ・パウロ二世が若者や大勢の群集に囲まれたり、熱気や喝采、歓声を好んだカリスマ的な存在だったのに比べ、ベネディクト16世はあくまでも謙虚で静かな人。
学者肌の法王は、突然、煌びやかな服装でスポットライトの中に置かれたわけだから、それはかなり負担になっていたはず。

数ヶ月前から杖を必要とし、時には支えてもらいながら階段をのぼりおりしていた法王。
背を丸くしながら歩を進めるベネディクト16世の写真を見ていると、地上に生きる年老いた人間であることがひしひしと伝わってきます。

無名の人となって、静かな人生を送ることを温かく見守りたいものです。

2013年2月13日

ローマ法王退位を発表


ローマ法王が任期中に退位を発表。
カトリックのフランスでは
大大ニュースです。

法王は85歳になられたとのことで、
年齢的にこれ以上続けていくことが出来ないというのがその理由のようです。

神にお祈りを捧げて
このような決断を下したようで、
そうであれば、
カトリックの人はそれを衝撃もなく受けいれることでしょう。
ローマのヴァティカン

フランス大統領はすぐにコメントを述べ、
法王の賢明な決断を尊重するとのいかにも理知的な発言。

法王が任期中に退位するのは
1415年以来。
実に600年前にさかのぼるのであるから、
やはり大ニュース。
フランスはなおさらのこと。
なぜならその600年前に当時の教皇グレゴリウス12世が退位したのは、
南仏のアヴィニオンにもうひとりの教皇をたてたために、
教会の大分裂が起き、グレゴリウス12世は強制的な退位に追いやられたのです。

今月28日に退位する法王。
後任の法王を急いで決めないといけないヴァティカンです。
なにしろキリスト復活祭をまじかに控えているのだから。

この突然の退位宣言は、
やはり一般人には衝撃。
法王がひとりの人間であることを、実感させる出来事です。


2013年2月2日

オランダ女王退位表明


今、オランダは動いている。33年間女王として国に貢献してきたベアトリクス女王が、テレビで退位を表明したからです。

この突然の表明は、オランダでは好意的に受け止められているようです。

「国事に疲れたからではなく、新たな時代に譲るべきだと思ったからです」
と、その退位の理由を述べています。

この言葉からオランダが若返り新たな期待を寄せられる国になる、という印象を与えるのは確か。ベアトリクス女王の後を継いで国王になるのは、45歳のウィレム・アレクサンダー皇太子。

彼は何と116年ぶりに生まれた王子。待ちに待った国王が誕生するのだから、これはオランダの歴史上非常に重要なこと。

1830年に逝去したウィレム3世以来の国王時代を目前にしているオランダ。これでは国が盛り上がるのは当然。


オランダ王室は女系で有名なのです。女王が3代も続いた記録のある国。

ちなみにベアトリクス女王の後、国王になるウィレム・アレクサンダーの3人の子供もプリンセスのみ。このようにして歴史はくり返すのです。 4月30日の女王退位と それに続く19世紀以来の国王誕生で、世界の注目の的になるオランダ。


フランスではすぐにイギリス王室と比較して、 エリザベス2世とチャールズ皇太子の年齢あげ、 何かいいたそう。



2013年2月1日

シャトレのつぶやき 66 思い出のアルバム8

夏の暑いときに
籐イスはサイコー


ワタシって眠るのがとってもお上手なの。
場所をえらばないで、
どこででもすぐに眠れるのは、
ジマンしていいことよね。

だってネコによっては、
クッションがいいとか、
お布団の中がいいとか、
ネコベッドじゃないとイヤとか、
ネコタワーの最上階でしか眠れないとか、
いろいろとわがままなのが多いじゃない?



ルイ16世様式のおイスの上で
マリー・アントワネットになった気分
ところがワタシはすなおないい性格だから、
どこででもす~っと眠りの世界にハイっていけるの。
これって特技のひとつに入れられるわね。
アナタのジマンはナンですかって
聞かれたら、そうお返事しよっと。


でも、ここだけの話だけれど、
一番好きなのはママンのベッドの上。
夜、ベッドカバーをはずした瞬間にとびのって、両手でたっぷりモミモミした後、そこにひっくり返るの。

広いソファも悪くないわ。
もう、サイコー!
フワフワしていて雲の上にいるみたい。

「やめて、やめて、ここを一体どこだと思っているの!」
ワタシがベッドにとびのるたびに、ママンのヒメイが響くけれど、止められない。
「どこって、ワタシがねるところでしょ?」
「かん違いしないでネ、このベッドは私のなの。一日の疲れをとる大切な場所なの」

床の上でも熟睡する特技をもつワタシです。
だからなのね、お花や雲の絵が描いてあるシーツにしているのは。ちょっと少女シュミ。
それにくるまっていると、いい夢を見られると思っているのね、きっと。
ほんとうに単純なんだから。

でも、白状するとそれはワタシも同じ。
このようにして、ベッドカバーをはずし、その上にワタシが飛び乗り毛をいっぱいちらし、ママンのヒメイが上がりが毎日あきもせず続くので~す。