2013年2月15日

法王退位表明 続き

ローマ法王ベネディクト16世が退位表明をしたことに関する反響は、スランスではとても大きく、表明後4日たった今でも大きな話題。

その中でもっとも多い意見は、85歳という年齢を考えれば当然。法王といえども人間なのだから、公の活躍に限度があるのはよくわかると好意的なもの。

哲学と神学を学び、特に神学の大家として認められ、前任のヨハネ・パウロ二世に卓越した知性を評価され、ヴァティカン入りした学者肌のドイツ人。


ヨハネ・パウロ二世が逝去した2005年に法王として選ばれたとき、ベネディクト16世はすでに78歳の高齢。多くの人が次の法王が選ばれるまでの、いわば臨時の法王と思ったほど控えめな性格だったようです。

ところがそれから8年もの長い間、しかも、複雑で過激な世界情勢が続いていた中で、重要な任務をこなしてきたベネディクト16世。

ヨハネ・パウロ二世が若者や大勢の群集に囲まれたり、熱気や喝采、歓声を好んだカリスマ的な存在だったのに比べ、ベネディクト16世はあくまでも謙虚で静かな人。
学者肌の法王は、突然、煌びやかな服装でスポットライトの中に置かれたわけだから、それはかなり負担になっていたはず。

数ヶ月前から杖を必要とし、時には支えてもらいながら階段をのぼりおりしていた法王。
背を丸くしながら歩を進めるベネディクト16世の写真を見ていると、地上に生きる年老いた人間であることがひしひしと伝わってきます。

無名の人となって、静かな人生を送ることを温かく見守りたいものです。