一見、巨大な船のような ルイ・ヴィトン財団美術館 |
ブローニュの森の中に、ルイ・ヴィトン財団美術館がいよいよ完成。
フランス一の大富豪ベルナール・アルノーが会長を務める、大企業グループの計画であるからには、破格なものに違いないと前評判が高く、しかも奇妙な建造物を世界のあちらこちらに実現している、話題のアメリカ人建築家フランク・ゲーリーに設計を依頼したことで、ますます関心をひいていた美術館。
はやる心を抱えながら訪問すると、
噂の通り不思議な建物。
知り合いのドイツ少年たちと。 |
ヨットの帆からヒントを得たという、曲線を描くパネルが複雑に絡み合っているのです。しかもそれがガラスでできている。でも複雑すぎて何がナンだかよくわからない。
見方によっては雲のように見えるし、遠くから見ると帆を張ったまま動いていく巨大な船にも見える。こんなことを言ったらアルノーやゲーリーに怒られるかもしれないけれど、どこか見知らぬ惑星から、見知らぬ乗り物が森の中に降り立ったみたい。
それにしても何と大胆な建物。これが現代というか未来というか、とにかく尋常の感覚では理解しがたいかも。
大きな魚の体の中に いるようにも思える。 |
美術館というと、頑丈そうな壁に四方を守られているのが多いけれど、ルイ・ヴィトン財団美術館は、各階に行く階段が吹きさらしの中に、つまり戸外にあるように思える。それも多分ガラスが多く使用されているので、そうした錯覚を起こすのでしょう。
つまり、美術館内にいるようでありながら、そうではなく、その周囲を囲む外の緑や空と一体になっているような印象を持つのです。
中にいる限りでは、船の帆ではなく、雲の下にいる感覚の方が強い。
いたるところから見える外の景色がまた素晴らしい。
オープニングはオランド大統領出席のもとに行なわれ、単なる企業グループのメセナではなく、パリの、フランスの誇りとなる美術館である印象を与えました。
テラスがいたるところにあり 絶景も楽しめます。 |
住民の反対にあって、一時期工事がストップしたこともあるけれど、今後は名所として多くの訪問者を迎えるでしょう。
「ルイ・ヴィトン財団美術館」というバス停まで誕生し、足の便まで考え、しかも実現したのはやはりアルノーならでは。
27日から公開です。