2015年3月18日

イヴ・サンローラン、貴重なエキシビション

財団の外に見られる
エキシビションのポスター。

イヴ・サンローランとピエール・ベルジェが創立した財団では、これまで多くの高度なエキシビションを開催し、多くの国の文化紹介に貢献してきました。

今年から趣旨を変えて、イヴ・サンローランのみに関する催しにすることをベルジェが決定。その趣旨の最初のエキシビションは「71年代」。

挑発的なクリエーションで話題を呼んだコレクションです。その代表作ともいえるグリーンのファーコートを筆頭に、28点展示。その頃は私まだパリに住んでいなかったので、ひときわ感動。一点一点がまるで宝物のように思える。

友人のギメ博物館の
オレリー・サミュエルと。


素晴らしいのは作品だけでなく、それぞれの作品のサンローランのデッサンがあること。
中にはサンプル用の布地もはってある。
当時のショーの映像も流れていて、小さな部屋でのコレクション発表だったことがわかる。16区のスポンティニ通り30 bis 番地でのことでした。
ここが出発点で、そこからあれほどの大企業となったのです。

プレ・ヴェルニサージュに招待された人々は、いつも通りエレガントな装いの人ばかり。ベルジェが嬉しそうに顔をほころばせながら、ひとりひとり迎えている。

私の顔を見ると両手を広げて「ああ、ルミコ」と大きな声で言うので、視線を浴びる。

赤いポピーの花があちらこちらに。
だから、彼に失礼にならないように、着るものに気をつかう。できるだけサンローランを着るように心がけているけれど、私が持っている服には限りがある。ただ、ありがたいことに、サンローランの作品は時代遅れにならない。
アクセサリーで変化をつければ何十年たっても、新し
い服を身に着けた幸福感に浸れる。
するとベルジェは必ず言う。「とてもシックだね」。
何度言われても嬉しい言葉。

作品をじっくり鑑賞した後はカクテル。こだわりのベルジェだから、何もかもパーフェクト。時間はあっという間に経ってしまう。
預けておいたコートを若いイケメンから受け取り外に出ると、あたりは真っ暗。
パリがさらに好きになるような日でした。

5 avenue Marceau
75116 Paris
7月19日まで。