欧州連合軍最高司令官のアメリカ軍人アイゼンハワーが「レッツ・ゴー」のサインを出したのは6月5日。それから75年後の同じ日、ノルマンディー上陸作戦に参加した国々の国家元首が集まり、エリザベス2世女王列席の元にイギリスのポーツマスでセレモニーが行われました。
その翌日6月6日、フランスのノルマンディーのオマハビーチ近くにあるアメリカ兵墓地を前に、アメリカとフランスの大統領によるオマージュの式が催されました。当時20歳前後だったアメリカ兵。彼らは目的も知らされないまま大海を越え、作戦開始直前にノルマンディ―上陸を告げられ、恐怖にかられながらも命をかけて戦い、フランスに、ヨーロッパに自由を取りもどしたのです。
フランスはこのことを決して忘れないとマクロン大統領は若い声で宣言し、セレモニーに招待された生き延びたベテラン兵士たちは涙ぐみ、当時の爆撃機が何機も空を飛ぶと歓声がわきあがり、アメリカ兵墓地に白いブーケを捧げて式典は終わりました。
ノルマンディー上陸作戦を直前にした兵士たちに言葉を送る、 欧州連合軍最高司令官のアメリカ軍人アイゼンハワー。 |
イギリスからドーバー海峡を横断し、 目的地であるノルマンディーのビーチに向かうアメリカ兵たち。 |
ノルマンディーのオマハビーチにおける連合軍。 |
75周年記念のセレモニーは最初から最後までテレビの実況中継でみました。何よりも感激したのは、現在90歳を超える上陸作戦に参加したベテランたちが、元気な姿を見せていたこと。両国の国歌演奏の間数分間立ち続け、二人の大領領の長い演説が終わった時に起立して拍手を送る姿は、多くの人に希望と勇気を与えたことでしょう。
この日の主役は史上最大作戦のベテランたちでしたが、トランプ大統領が招待された数人のヒーローたちの生い立ちや業績を、すべて空で語ったことも注目されました。矍鑠とした旧兵士たち、説得力に長けた大統領の演説。アメリカ人への評価があがった印象を受けた記念行事でした。
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