ポルト・ド・ヴェルサイユ(12号線)
「ティエールの城壁」の門のひとつ、ポルト・ド・ヴェルサイユ跡に造られた駅。
ルイ・フィリップ国王の時代にパリを防御するために建築された城壁は、首相を務めたこともあった政治家ルイ・アドルフ・ティエールの案で実現。そのために「ティエールの城壁」と呼ばれていました。1841年に城壁の建築が始まり1844年に完成。33キロメートルもの長さがあり要所に17の門が設けられ、城壁の外側には幅15メートルの堀も造られました。
「ティエールの城壁」の17門のひとつだったポルト・ド・ヴェルサイユ。 後に解体され、その跡地にパリ見本市会場が建築されました。 |
ポルト・ド・ヴェルサイユに建築されたパリ見本市会場を視察する アレクサンドル・ミルラン大統領。1923年。 |
軍事的目的で建築されたこの城壁の解体が決定されたのは1919年で、時代の変化に連れて新たな武器が登場し、城壁がパリ防御に役立たないと判断されたためです。
ポルト・ド・ヴェルサイユ跡には、1923年、パリ見本市会場が建築され、それまでシャン・ド・マルスで開催されていたその見本市は、毎年ポルト・ド・ヴェルサイユで行われるようになり、会場も徐々に拡大されたのでした。農業、車、プレタ・ポルテ、本、あるいはチョコレートなど幅広い見本市を催し、日本を含めて外国からの訪問者も多数います。この会場に行く際に使用するメトロの駅は、もちろん、ポルト・ド・ヴェルサイユ駅。駅の周囲には手ごろなレストラン、カフェ、ホテルが立ち並び、一年中活気に満ち溢れています。
見本市会場の屋上のポタジェとレストラン。© VALODE&PISTRE ARCHITECTES |
この見本市会場6号館の屋上に、ヨーロッパ最大の規模を誇るポタジェが7月1日にオープン。14、000m²の広さがあり、そこで野菜や果物を栽培し、近くのレストランでもお料理に使用。大きな特徴は、誰でも1m²の畑を借りて自分で好きなものを栽培できること。1年契約で320ユーロ。パリに暮らしながら畑仕事を楽しめるこのアイディアは、賞賛すべきこと。今後このポタジェは拡大される予定だそうで、ますますポルト・ド・ヴェルサイユ駅がにぎわうことでしょう。
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