2020年9月5日

パラスホテルが待っています

コロナウイルスのために3月から閉まっていたパラスホテルのほとんどが、9月上旬から再オープン。ル・ブリストルもル・ムーリスも、プラザ・アテネもクリヨンもリッツも、重厚な扉を開けて歓迎しているようで、街に明るさが戻ってきた感じ。

本来なら9月はいろいろなエヴェントがあり、夏前から予約が殺到するのに、どこもまだ閑散としています。もちろん外国からの宿泊客がほとんどいないためですが、それでも再オープンするのは、パラスホテルがパリの格を保つのに欠かせないから、と語るホテルのマネジャーもいます。ごもっとも。

ロックダウン以前の光景が見られて
とてもうれしい。
パリの優雅な景観にパラスホテルは欠かせない。
再オープンしたヴァンドーム広場のホテル・リッツ。


なにしろ、どのパラスホテルもパリの最高の地にあり、存在感を放つ大きさだし、外壁に優美なレリーフをほどこしたり、ギリシャ神殿のような趣ある列柱が歴史を語ったり、深紅のゼラニュウムをすべての窓辺に飾ったりしている。

色鮮やかなカ―ペットを敷き詰めたホールも廊下も宮殿のようだし、家具も最高級品ばかり。ホテルマン、ホテルウーマンはシンプルで清潔感あるユニフォームで微笑みを称えながら接待してくれる。中庭では色とりどりの花々に囲まれながら、パラソルの下で時を忘れてホテルご自慢の絶品やティーを楽しめる。気軽に、でも一味異なる個性的なクラブサンドイッチも味わえる。

このようにパラスホテルはパリの美しい景観に欠かせないし、本物のアール・ド・ヴィーヴルを体感できる。「パリ」という名称が放つ甘美な響きを、魅力を保ち続けるために必要なのです。アメリカ、中国、日本からの顧客を当分の間見込めない今、プライスを多少下げてフランス人とヨーロッパ各国からの利用者を待っているパラスホテル。やはりパリがパリであるために、いつも扉を大きく開けていてほしい。