クリスマスには、たくさんの飾りを付けられ、褒められ、チヤホヤされるのに、新年になるともう役目は終わったとばかりに捨てられるモミの木。たくさんの立派な葉がついているというのに、人間に見放されて見向きもされないモミの木がかわいそうすぎる。今日も道端に無造作に捨てられているのを見て、心が痛みました。
役目は終わったと道端に捨てられるモミの木たち。 |
まだまだ若さいっぱいなのに、あまりにもかわいそう。 |
広大な土地で、同僚たちと一緒に成長し、心地よい香りをあたり一面に放ちながら、青春を楽しんでいたのに、クリスマスが近づくと、次々と切り倒され、バラバラに散って行ってしまう運命。
数日間賞賛された後は、急遽作られた不要なモミの木を捨てる場所に放り出され、まとめて粉砕され再利用されたり、暖炉の薪になったり。木を切るといろいろ非難されるのに、モミの木は別。私も以前は新鮮なモミの木を買って飾りを付けていましたが、ある時から、何だか残酷な気がして、止めました。今はプラスティックで充分だと思っています。
ちなみにフランスでモミの木を室内に飾るようになったのは、ルイ15世のお妃マリー・レクザンスカのお蔭で、1738年のこと。飾ったのはもちろんヴェルサイユ宮殿。でも当時はあまり興味を持たれなかったのです。宮殿の装飾があまりに煌びやかったからでしょうか。それから間もなくして、貴族たちが、さらに時が経ち、ブルジョワや一般の人がクリスマスにモミの木を飾るようになったのです。
19世紀末のアルザス地方のクリスマス・マーケット。 ツリーを買って、抱えながら家に向かう女性の姿が印象的。 当時は本当の木だけ。でも、今はプラスティックがあるから、 多くの人がそれに切り替えるといいのに、と思っています。 |
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