2025年1月8日

オペラ・ガルニエ、華やかに祝う150周年

 1875年1月5日に落成したオペラ・ガルニエは、フランスでは通常「ガルニエ宮」と呼ばれています。建築家シャルル・ガルニエの名を冠しているこのモニュメントは、150年経った今でも、そして今後もずっと彼の名で呼ぶのだから、この上ない名誉なこと。建築家の名が建造物に付けられている例は、他にはエッフェル塔くらいなのもので、非常に少ない。1923年には歴史的建造物に認定されている。


パリ・オペラ座建築家シャルル・ガルニエ
1825-1898
ガルニエの立派な胸像が西のファサードにあります。

これが西のファサードで、
ほぼ中央でガルニエの胸像が君臨しています。

パリに新しいオペラ座建築を命じたのはナポレオン3世。経済的に豊かで、文芸が栄え、パリ大改造で老朽化した建物が次々と取り壊され、広く機能的な道路やロンポワンがパリ中につくられ、街路樹が豊富に植えられ、高さと色を統一したアパルトマンが隅々に至るまで建てられた、華やかで美しい良き時代ベル・エポックだった。

そうした時代に建築されたオペラ座は、壮麗という表現がぴったりの、豪華極まりない折衷様式。建築にあたりコンクールを催し、170もの提案の中からシャルル・ガルニエの案が勝利に輝いたのです。1861年5月29日で、ガルニエは36歳で栄誉を獲得。

工事中のオペラ座 1866年

建築の最初の石が置かれたのは1862年で、完成は1875年。
建築を命じたナポレオン3世は普仏戦争で敗れ、
ロンドンに亡命し第二帝政が崩れ、
自分の栄華のために建築させた殿堂を見られなかった。

誰も彼もを驚嘆させる大階段。
1875年のオペラ座完成を祝うガラ・パーティは、文字通り絢爛豪華。
現在もガラの日は同じように正装で、女性はロングドレス、男性はタキシード。
大階段にはフランス共和国親衛隊が立ち並び出迎えます。

150年記念の今年、数多くのイヴェントが計画されています。1月24日のアニヴァーサリー・ガラは、オペラ座の全アーティストが参加する豪華なイヴェントだし、その他コンサート、バレーの特別公演、オペラ座の歴史がわかる展覧会、衣装の展覧会、討論会など一年中稀に見る催しが続きます。

私も数回ガラ・コンサート、ガラ・ディナーに出席しましたが、
べル・エポックに生きているような、忘れがたい思い出ばかり。
他では味わえない煌びやかな空気が満ちあふれています。