栄光の時代の皇帝ナポレオン |
ところが英語は苦手だったよう。
何しろ彼が英語を真剣に学ぼうと決心したのは、敗北し流刑地セント・ヘレナに船で向かっているとき。
初歩的なことも知らなかったナポレオンは、部下を教師として熱心に学んでいました。
その証拠ともいえるメモが6月5日に競売され、この事実が明らかになったのです。
「What was it arrived?」
「How many were they?」
こうした文がそのメモには書かれていたそう。
流刑地セント・ヘレナ島の ナポレオン |
彼に英語を教えていたのは部下ラス・カーズで、伯爵の称号を持つ人物。
革命中にロンドンに亡命していたために、英語が完璧。
セント・ヘレナ島でもラス・カーズから熱心に教わっていたとはいえ、英語で書くことはほとんどダメ。会話もダメ。
それでもラス・カーズの記録では、ナポレオンはさすがに覚えが早かったとある。
どこまでも忠実な部下。
ナポレオン直筆の英語のメモは9万ユーロで落札。
それにしても、宿敵イギリスの言葉をイギリスによって送られた流刑地で学んでいたとは、何と皮肉なこと。
一時は島からアメリカへの亡命も考えたナポレオン。その準備だったのか、あるいは、単にイギリス人に英語で何かを伝えたかったのか、それは誰もわからない。