ランスのカテドラル |
その地にあるカテドラルが建築されたのは13世紀。今年は800年記念ということで、特別な行事がくり広げられています。
ランスのカテドラルといえば、ジャンヌ・ダルクの名が浮かびます。
王太子シャルルをランスに連れて行き、カテドラルで国王として戴冠式を行なうようにとの「声」をジャンヌは聞いたのです。ジャンヌは13歳でした。当時、イギリスとフランスは、フランスの王位継承権をめぐって戦っていました。それが約百年続いた有名な「百年戦争」。
最初は信じられなかったジャンヌでしたが、そのうち彼女はその「声」が、大天使ミカエルであり、神を代弁していることを知ったのです。
16歳の時、意を決したジャンヌは「声」の導きに従って有力者に会いに行き、護衛をつけてもらい、ロワール河畔のシノン城で王太子に名乗り出ます。
シャルル7世の戴冠式 |
後は神が望んでいるように、シャルルをランスに連れて行き、戴冠式を行ない、フランス国王とすること。
それは1429年7月17日に実現。
その結果、王太子は晴れて国王シャルル7世となり、ジャンヌはその役目を果たしました。
それで身を引けばその後起こった火刑の悲劇はなかったはず。ところが戦闘心に燃えるジャンヌは戦いを続け、ついに捕虜になり、魔女の汚名を着せられ19歳で処刑されました。
カテドラルの入り口で 微笑む天使 |
正式な国王になるために、ランスのカテドラルで戴冠式を行なうようになったのには、わけがあります。
初代国王クロヴィスがランスで洗礼を受けたとき、聖水を届けるために聖霊が鳩の姿になり、地上に下りて来ました。聖水を受取った聖レミ司祭はクロヴィスの額につけ、神から王権を認められ、地上に置ける神の代理人になったとしたのです。
このような重要な歴史を持つランスのカテドラル。シャンパンもおいしいし、訪問する絶好の機会。カテドラルの入り口の「微笑みの天使」の彫刻も、ひときわやさしい笑顔。
祭典は10月末まで