2011年9月28日

ルーヴル美術館で故宮(紫禁城)展開催

見事な演出の故宮展
フランス人の中国への関心は深く、
パリの東洋語学校でも中国語を学ぶ生徒数が一番多いそう。
それに拍車をかけるように、ルーヴルで大規模な故宮展を開催。
9月29日から一般に公開されます。

27日の休館日に、学芸員の2時間30分にわたる詳しい説明つきで一足早く拝見。
その充実した内容から、いかにフランスと中国が才知をあわせて
この展覧会実現に取り組んだかわかります。

展示されているのは、北京の故宮博物院所属の貴重な130点にも及ぶ作品。
故宮の模型
元王朝から約800年に及ぶ中国の王朝文化の素晴らしさ、そして雅が、それぞれの作品から漂ってきます。

主だった皇帝、皇妃の肖像画、彼らが使用していた調度品、服、皇帝直筆の書・・・
ルイ14世を模倣してカツラをかぶり洋風の服を着た皇帝の肖像画もあったのは以外。そういう皇帝もいたのですね。

圧巻は何といっても玉座。まるで、いまにもそこに皇帝が姿を現しそう。
城塞だった時代のルーヴルも
展覧会に一役かっています。
故宮の巨大な模型もあり、その設計図とルーヴルの設計図を並べて展示しているのが面白い。
このふたつの建造物は、ほぼ同じ時期にそれぞれの国の君主の居城だったのです。大きさの比較ができるのが興味深い。
両国の同時期の皇帝と国王の比較も面白い。


招待状にもなった
康熙皇帝の肖像画
会場は3つにわかれていて、それらをじっくり訪問していると、自分が今中国にいるように思えるから不思議。
外に出てはじめてパリにいることを再認識。

展覧会会場は3箇所あるので、ひとつだけ見て帰らないように。
2012年1月9まで開催。

2011年9月21日

ヴェルサイユ宮殿 4世紀にわたる家具展

「鏡の回廊」に再現された
第一次世界大戦の
講和条約調印式の様子
1789年に始まった革命で、王家の居城だったヴェルサイユ宮殿は荒らされ、家具や装飾品の多くが競売にかけられました。
その後長い年月をかけて買い戻したり、心ある人からの寄贈もあり、宮殿は徐々にもとの姿を取り戻してきました。

宮殿に常時置かれている王朝華やかな時代の作品も多数あり、それはいつでも誰でも観賞することができます。

今回ヴェルサイユ宮殿は、旧王室家具保管庁、現在の国立家具館と協力して、今まで公開されたことのない貴重な家具や美術品を展示。その中には
フランスの官庁関係から特別に借用している作品もあり、そうした稀有な品を目の前にすると、フランスの奥深さや世襲財産のすごさがわかります。

国王、王妃など愛用していた時計。
ルイ15世の愛妾マダム・デュ・バリーのコレクションだった気品あふれるベースもあれば、マリー・アントワネットがゲーム室で使用していたゴージャスなタペストリーもある。
ルイ16世やマリー・アントワネット、そのほかの宮廷人愛用の目にまぶしいほどのゴールドの時計も数多い。
ルイ15世の 愛妾ポンパドゥーウル夫人の、
若く美しさが頂点に達していた時代の肖像画もあります

マリー・アントワネットも使用していた
タペストリー
ヴェルサイユ宮殿はスランスの象徴的な建造物なので、歴史的に重要な出来事も多い。
そのひとつは、第一次世界大戦の講和条約調印を、宮殿の「鏡の回廊」で行ったこと。1919年6月28日のことでした。

マダム・デュ・バリー
のコレクション


その調印に使用したビューロー、インク入れ、床のタピストリーなどを同じように「鏡の回廊」に設置。それだけでなく、調印に出席した各国代表の写真も展示し、当時の様子をわかりやすく再現しています。

王子、王女の部屋はオリジナリティーがいっぱいです。王朝時代の装飾と肖像画の真っ只中に、コンタンポラリーな家具が置かれているのです。それが見事な調和をしているのは、アートへの大きな理解を持つフランスならではの試み。

サプライズがいっぱいの王子、王女の間
やはりフランスはすごい。
ヴェルサイユ宮殿はすごい。
そして何よりも、こうした重要な作品を一般に公開する民主性がいい。

12月11日まで開催。

2011年9月18日

高田賢三さん 新居お祝いパーティ

さわやかな万年青年、賢三さん
いつもさわやかで楽しい賢三さんが、新居に友人を招待してとてもステキなパーティを開催。
気さくな彼は人気者なので、皆、この日を楽しみにして大集合。

入り口で黒服のチャーミングな男性のお出迎えがあり、シャンパンを受け取り、先へ進むと賢三さんがニコニコ顔で暖かく歓待。ライブのピアノ演奏もあり、それはそれは心地よい雰囲気。

シャンデリアが輝くいくつもの部屋に、椅子やテーブルがさりげなく置かれていて、その周りで日仏の会話が飛び交います。顔見知り同士だから、話もはずむし笑い声も高らかにあがる。



エントランスからサロンへの
廊下。まるで美術館みたい。
誰もが賢三さんの家の素晴らしさをほめ、嘆息もたくさん。どの部屋もドアを開放しているので、好きなように見ることが出来るのです。バルコニーから外に目を移す、パリの象徴のエッフェル塔やアンヴァリッドの夜景も手に取るように見える。やはり賢三さんの好みは飛び抜けています。


何人ものサーヴィスの男性が、プレートを手にしながら種類豊富なお料理やドリンクをすすめ、イルミネショーンにより夜景もひときわの輝きを放ち、パーティもたけなわ。いつの間にか音楽が早いテンポにかわり、大きくなり、体がウキウキしないではいない。そうです、テクノミュージックにのってダンスタイムです。

賢三さんによるインテリアに、
彼の卓越した美意識を再確認

パリに住む日本人でもっともパリジャンらしい賢三さん。
ステキなパーティーをありがとう。
Merci Kenzo !!!

2011年9月15日

シャトレのつぶやき 47 お月見

お月見を楽しんでいるのよ
日本にはお月見という習慣があるのね。
その日はおだんごを食べたり、おもちを食べたり、お酒を飲んだり、枝まめを食べたり、胃がとても大変な日なのね。

「平安時代からお祝いしていたのよ。
貴族たちは優雅な心の持ち主だから、お月様がよく見えるところまで小舟にのっていって、お祝いをしたり、詩を作っていたの」
と知ったかぶりのママン。

三日月
お月さまは高いところにいるから、
別にお舟にのらなくても見えるのに、とワタシは思うけれど、人間ってナンでも複雑にするのがすきなのネ。

「お月さまにはウサギがいるって信じていたってホント?」
「そうよ、お月様の影がそう見えたのね。
私も子供のころは
それを本当に信じていたの。
ウサギがお月様でお餅をついているって」
まあ、単純なあの人だから
ちっとも驚かないわ。

「でも、ウサギなんていないのよネ」 「1969年にアメリカの3人の宇宙飛行士が月に行って、何もないことがわかったの」
と、また知ったかぶりのママン。
それでみんな現実的になったのね。

満月
でもお月さまってロマンティックでステキ。ワタシもちょっとマネをして、注目をひこうと思うの。
どう、このお月さまスタイル?

2011年9月13日

チュイルリー公園に巨大彫刻出現

突然登場した
ロハス作の彫刻
パリ中心にあるチュイルリー公園は、彫刻がたくさんありアート性が高い公園。
そこに突然、長い長い円柱のようなものが登場。
しかも横たわっているのです。

それを設置しているときにはトンネルかと思ったけれど、出口がなく、しかも先に行くに従って細くなっている。

実は、それは、アルゼンチンの彫刻家、
アドリアン・ビジャール・ロハスの特別作品なのです。

彼は様々な国で賞をとった著名な彫刻家で、チュイルリー公園にコンタンポラリーな彫刻がないことを残念に思い、
今回の実現となったそう。
粘土で制作した長さ90メートル、重さ16トンの作品は10月24日まで展示。

 それにしても、チュイルリー公園のお花が今とてもきれいです。特に、秋の花ダリアの見事さは、一見の価値アリ。


咲き乱れる秋の花々
パリは季節によって変化があり、いつまでも新鮮。 パリの公園は、アパルトマン暮らしのパリジャン、パリジェンヌの共通のお庭なのです。

彫刻とお花でひときわ話題を呼んでいるチュイルリー公園に、ぜひ行きましょう。
たくさんの元気をもらえますよ。

2011年9月10日

あまリ人気がなかったパリ・プラージュ

例年のにぎわいがなかった
朝のパリ・プラージュ
セーヌ川沿いの道路を閉鎖して、砂を大量に運んで作る一ヶ月限りのパリの浜辺、パリ・プラージュ。

今年は10周年ということで、パリ市長が張り切って砂のシャトーまで作らせたのに、例年よりずっと少ない人出でがっかりしている様子。

世界的な不景気は、ヴァカンス大好きのフランス人にさえ倹約を深刻に考えさせたようで、ヴァカンス前の統計では、85パーセントの人が遠出はしないでフランスに留まるとのことでした。

だからこそパリ・プラージュは人気が出ると思っていたのに、期待に反してさみしいばかりの結果。

いったいフランス人はどこでヴァカンスを過ごしたのでしょうね。
海辺に行った人もいたけれど、
何しろ寒い夏。
とても浜辺になどいられないと、キャンセルも続出。
ホテルもレストランも大被害。

ディズニーランドのと同じシャトーを
砂で作ったり、
すてきな放水装置もあったのに・・
パリ・プラージュに人が集まらなかった最大の理由も、多分、天候が悪かったから。セーターを離せない寒さだったのだから、たとえそれがパリのセーヌのほとりという素晴らしい場であっても、浜辺と聞いただけで震えてしまうではないですか。

それも終わって、紅葉のパリ到来。セーヌ河畔も浜辺が消えていつもの姿に戻り、ひときわ魅惑的なパリです。

2011年9月3日

シャトレのつぶやき 46 アザちゃんを紹介します


アザちゃんです。
 実は、数年前からわが家には同居人?がいるの。
それがアザちゃん。

あれはいつのクリスマスだったかな、もう忘れてしまったけれど、
「ほら、これが今年の君へのプレゼント。仲良くしてね」
そういいながらママンがワタシの目の前に置いたのが、白い動物。

「キャーッ! ナーニそれ?」
見たこともない動物なので、
思わず大きな悲鳴をあげてしまったワタシ。

かわいいい顔しているわね。
仲良くしてあげるわネ。
 「アザラシっていうのよ。デパートのおもちゃ売り場であれこれ見ていたら、すごくかわいい顔のぬいぐるみがあるので、思わず買ってしまったの」
フ~ン、そうなのか、彼女は子供でもないのにおもちゃ売り場に行くのね。
「なんとなく君に似ていると思わないはない?」
気になることをいうから、よ~く見たら、ホント、ちょっと似ているかも。

「フカフカしていて、さわると気持ちいいわよ。心がなごむわ。君みたいに落ち着きがない性格も、きっとよくなるわよ」

ワタシになついて、まねばかりするの。
だからちょっと迷惑顔のワタシ。

ますます気になることをいうので、さわってみたら、ホント~にフ~ワフワ。ワタシの毛をなでると心臓にいいって知っていた?それと同じくらいさわり心地がいいの。

それにしても、このアザちゃん、すごくしつっこいの。ワタシのまねをしたり、どこまでもくっついてきたりするの。
えーッ、ぬいぐるみが動くことないって?
ああ、そうかも。
これもママンの仕業ね、きっと。
 
おんぶしてちょうだいだって。
こんなことってあり?
  
でもね、ママンはワタシのことを、電池が入っていないのにひとりで動く変なぬいぐるみって呼んでいるのよ。
このように、このアパルトマンには変な人間と、変なネコと、変なぬいぐるみが雑居しているのです。