「鏡の回廊」に再現された 第一次世界大戦の 講和条約調印式の様子 |
その後長い年月をかけて買い戻したり、心ある人からの寄贈もあり、宮殿は徐々にもとの姿を取り戻してきました。
宮殿に常時置かれている王朝華やかな時代の作品も多数あり、それはいつでも誰でも観賞することができます。
今回ヴェルサイユ宮殿は、旧王室家具保管庁、現在の国立家具館と協力して、今まで公開されたことのない貴重な家具や美術品を展示。その中には
フランスの官庁関係から特別に借用している作品もあり、そうした稀有な品を目の前にすると、フランスの奥深さや世襲財産のすごさがわかります。
国王、王妃など愛用していた時計。 |
ルイ16世やマリー・アントワネット、そのほかの宮廷人愛用の目にまぶしいほどのゴールドの時計も数多い。
ルイ15世の 愛妾ポンパドゥーウル夫人の、
若く美しさが頂点に達していた時代の肖像画もあります
そのひとつは、第一次世界大戦の講和条約調印を、宮殿の「鏡の回廊」で行ったこと。1919年6月28日のことでした。
マダム・デュ・バリー のコレクション |
その調印に使用したビューロー、インク入れ、床のタピストリーなどを同じように「鏡の回廊」に設置。それだけでなく、調印に出席した各国代表の写真も展示し、当時の様子をわかりやすく再現しています。
王子、王女の部屋はオリジナリティーがいっぱいです。王朝時代の装飾と肖像画の真っ只中に、コンタンポラリーな家具が置かれているのです。それが見事な調和をしているのは、アートへの大きな理解を持つフランスならではの試み。
サプライズがいっぱいの王子、王女の間 |
ヴェルサイユ宮殿はすごい。
そして何よりも、こうした重要な作品を一般に公開する民主性がいい。
12月11日まで開催。