オートクチュールのパリコレの時期です。
ロダン美術館中庭に設置した ディオールのショー会場。 |
クライアントが入り混じり、
独特な光景が見られるのが面白い。
オートクチュールが元気なのを見るのはうれしいことです。
各メゾンの種々様々な製品・・・香水、バッグ、靴、アクセサリー、スカーフなどの幹となっているのはオートクチュール。これが枯れたらその枝先にあるこうした品の価値が危ぶまれるかもしれないので、元気に長生きして欲しい。
そのオートクチュールの王者はやはりディオール。
他のメゾンに率先して「気」を送り、元気を与えているように感じられます。
このメゾンのショーを見ることほど活性化されることはない。やはりモードはいいとショーを見るたびに思うばかり。
今回もロダン美術館の中庭に特別会場を設置してのショー。色彩豊かなパネルを複雑に組み合わせた会場を、外観から見るだけで期待に胸がはずみます。
モードとアートがいかに密接な関係にあるかを明確に示したのが、この秋冬コレクション。
中世、フランドル、ルネッサンス、印象派、点描主義など、異なる時代のそれぞれの特徴を捉え、それを布で表現。しかも現代との関連性が感じられるのが凄い。
主任デザイナー、ラフ・シモンズはベルギー出身。
イタリア・ルネッサンスにも大きな影響を与えたフランドル絵画を生んだ国。そうした彼が、モードとアートの融合を示したのは意義あることです。
高尚なコレクションで、心がいつも以上に豊かになりました。会場装飾は印象派の楽しい色合いと、点描主義をイメージしたのでしょう。
このショーの後、急にフランドル派の絵が見たくなりました。ラフ・シモンズの気が遠くなほど細やかなディテールが、フランドル派の画家たちの細やかな描写を思い出させたからでしょう。
写真はすべてディオールのコレクション。 |