2017年11月22日

メトロの駅名は語る 63

Edgar Quinet
エドガー・キネ(6号線)

19世紀の歴史家であり政治家だった人の名を冠していますが、ほとんどのフランス人も知りません。幸いなことにメトロの駅名になり、道路名にもなっています。

エドガー・キネ(1803-1875)
母親がプロテスタントだったために、その影響を受けてエドガー・キネはドイツ思想に興味を抱くようになります。本格的にドイツ哲学を学ぶために、ハイデルベルクに留学。
ドイツ哲学者ヘルダーの「人間史の哲学の諸理念」をフランス語に翻訳したのはキネです。

モンパルナス墓地のキネのお墓。
そのすぐ近くにエドガー・キネ大通りがあります。
その後フランスに戻り教鞭をとり、本も多数出版しますが哲学的な内容がほとんどで、一般にはあまり知られませでした。
著書に「革命」「キリスト教とフランス革命」「ひとりの子供の歴史」「共和国」などがあります。

「さまよえるユダヤ人」は多くの作家に影響を与えた作品で、処刑地に向かうキリストが水を求めたのに断り、放浪をし続ける運命を背負わされたユダヤ人が題材になっています。

徹底的な共和主義者で、後に政界に進出。同時代だけでなく、後年の共和主義者からも尊敬されています。