2017年12月11日

ジョニー・アリディ 国葬のような葬儀

フランスを代表するもっともポピュラーな歌手、ジョニー・アリディが肺がんで74歳の生涯を閉じました。12月9日の葬儀は前代未聞のもので、テレビでの実況中継を1500万人が見たほど。

ロック歌手として絶大な人気を持ち、シルヴィー・ヴァルタンと結婚。離婚後も華やかな私生活を繰り広げ、大規模なショーをするたびに話題を呼び、人気は常にトップ。

闘病生活を送っていることを皆知っていたけれど、あのジョニーだったら克服し、再びパワーあふれるショーをと願っていたフランス人。けれどもジョニー・アリディは不死身ではなかった。

ジョニー・アリディの葬儀がおこなわれたマドレーヌ教会。
ちょっと寂しそうなジョニーの大きなポートレートが印象的。
長年国民的アイドルだった彼の葬儀は格別で、ガラス張りの車に棺がのせられ、700台のバイクにエスコートされながら凱旋門、シャンゼリゼ大通り、コンコルド広場を通ります。

その間、ジョニー専属のミュージシャンが、コンコルド広場でヒット曲を演奏し続け、沿道に集まった無数の人々が大声で大合唱。

無数のファンがジョニーのヒット曲を歌い続けます。
地方からバスを連ねて多くのファンがパリに到着。最後の別れを告げます。
前夜から葬列が通る道路は車の通行禁止。
マドレーヌとコンコルドのメトロは閉鎖。
白い花が飾られた教会の階段。
左に赤いバラの花をほどこしたギター。
ロック歌手にふさわしい、パリのエスプリこもる配慮に感動。
ミサをあげるマドレーヌ教会の入り口では、ジョニーの息子、娘、マクロン大統領夫妻が棺の到着を待ち、そこでも群衆が歌いジョニーの名を声を張り上げて叫んでいました。

数分後、静寂があたりに流れました。ジョニーの棺が到着したのです。バイクはコンコルド広場で姿を消し、かわりに黒い乗用車に導かれながら、アイドルの車、彼の最後の妻、二人の養女をのせた車が続きます。

棺がマドレーヌ教会前に安置され、司教、家族、友人代表が見守る中で、マクロン大統領がジョニー・アリディの生涯を語り、偉大な業績を語り、「彼に拍手を捧げましょう」と締めくくり、割れるような拍手があたり一面から舞い上がり、冬の寒い空に向かって勢いよくのぼっていきました。

その後、ミサのために無言のジョニーは教会の中へ。
国民的歌手にふさわしい、国葬級の葬儀でした。