2018年7月14日

ジャポニズム2018 パリで開幕

日仏友好160周年を記念する様々なイヴェントが、2018年7月から2019年2月までフランス各地で開催されます。

多岐にわたるイヴェントは60を超える大規模なもの。
正式には「ジャポニズム2018 響き合う魂」と呼ばれ、日本の美の深さ、美意識、価値観を多くのフランス人に紹介するのが目的。

この記念すべき重要なイヴェントは、ロスチャイルド館での「深みへ―日本の美意識を求めて」展で始まります。

18世紀のロスチャイルド館。
均整が取れたネオクラシックです。
エントランスで迎えるのは、現代作家による、
鉄と真鍮でクリエイトしたドラ。

日本人ならではの展覧会の始まりの印。

旧貴族館と縄文土器が、
時代も国籍も超えた響きを奏でています。

手前は縄文時代の土器の破片を並べています。
意表をついた展示方法に感嘆するばかり。

同じサロンの窓辺には、
縄文時代(16000年―2300年前)の土器がふたつ飾られています。
炎と冠。

ジャポニズム2018の開催を告げる展覧会のヴェルニサ―ジュは7月13日、かつてサロモン・ド・ロスチャイルド男爵夫妻の館だった瀟洒な館でありました。18世紀の気品あふれるロスチャイルド館は、シャンゼリゼ大通り近くにあり、フランスのかつての栄華を伝えるネオクラシックの建造物。

縄文土器から現代アートまで、日本特有の文化を展示する「深みへー日本の美意識を求めてー」展は、フランス人だけでなく日本人にとっても興味深いし、学ぶことが多い展覧会です。

いろいろ鑑賞している間に、
友人の渡辺浩子さんにお会いして、思わず歓声を。

話題はもっぱらジャポニズムです、もちろん。

北斎の名作も数点。
うす暗い同じ展示室には、
僧侶であり画家の仙厓義梵の貴重な作品が展示してあり、
魂に響くような語りかけを感じます。

伊勢神宮の模型。
虚飾を廃した清らかな姿に心が打たれます。
トゲいっぱいのユーモアあふれる現代作家の作品が
2階でお迎え。

地下はそれまでと全く異なる世界。
ゆったりと絶え間なく姿を変えるフォームが圧巻。

数メートルの高さになったり、岩山や洞窟を描いたり、
氷山に思えたり・・・・
息が通ったように動くフォームに、
自分を忘れてしまうようなすごいインパクトがある。

1975年生まれの現代美術家、名和晃平さん作です。

日本の過去と現代が美しいハーモニーを奏でている展覧会。
これを機会に、日本人である誇りをさらに強く持とうと思っています。

Hôtel Salomon de Rothschild
11 rue Berryer
75008 Paris

7月14日ー8月18日