2022年7月5日

ヴァン クリーフ&アーペル 「ダイヤモンドのレジェンド」展

 7 月4日から7日までのオート・クチュール・コレクション発表の期間中、コロナ以前と同じとはいえないけれど、かなり活気を取り戻しているパリ。

やはり、華やかな雰囲気はパリにふさわしい。この期間にハイジュエリーのメゾンがニューコレクションを発表するので、ますますゴージャス。街によろこびが漲っている感じで、ウキウキしないではいられない。

いくつか招待状を受け取ったメゾンの中で、特に見たいと思ったのはヴァン クリーフ&アーペル。蜷川実花さんのインパクトある写真とヴァン クリーフ&アーペルのジュエリーが呼応し合う、昨年のエクスポジションが記憶に新しく、今回はどのような感動を与えてくれるか、楽しみで、楽しみで、真っ先に足を運びました。

ヴァンドーム広場に面した18世紀の旧貴族館がその会場。招待客リストに書かれている名前と、いつも身に付けている身分証明書を係りの人が比べて、OKサインが出てやっと中に入れる厳重な警戒。それはそうです。高価なジュエリーがたくさん展示されているのだから、当然。

今回のテーマは「ダイアモンドのレジェンド」。
南アフリカ共和国に囲まれたレソトで発見された、910カラットのダイヤモンドがその主役。熟考に熟考を重ね、熟練の技巧でカットし、サファイヤやルビーなどと組み合わせ、メゾン特有のミステリ―セッティングを駆使したコレクションの発表。

レソトで発掘された910カラット(右上が原石)のダイヤモンドをカットし、
他の貴石と組み合わせたジュエリーは25点。どれも無比の価値と美しさを誇ります。


楕円形のような形の展示会場は、すべての壁をレソトのカラフルな風景画が飾っていて、不思議な国に入ったよう。中央は、大きな空間になっていて、ジュエリーは壁際に並べられている。驚いたことに、どれもガラスケースに入っていない。そのために、ジュエリーの語りが聞こえるような錯覚を起こす。

レソトの風景をカラフルに描いた絵と、照明を落とした暗さが相まって生む、
不思議な空間。
パリにいることを忘れさせるインパクト。
天井の唯一の照明が、ダイヤモンドのように輝いている。


オートクチュールを連想させる、滑らかなリボン飾りつきネックレス。
リボン飾りは取り外し可能。


アールデコの斬新で動きがあるジュエリー。

感嘆を誘うゴージャスなネックレス。
言葉を失うほどの煌めき。

シックな色合いと存在感あるフォルムが印象的なブレスレット。

エメラルド、サファイア、ダイヤモンドによる、
圧倒的な美と輝きを散りばめるネックレス。

夢の世界へ導いてくださったヴァン クリーフ&アーペルに感謝。
心の奥深くに残る画期的展覧会です。

コレクションを堪能した後、会場を振り返ると、中央の何もない暗い部分は鉱山で、
そこから発掘されたダイヤモンドが、人の才知で素晴らしいジュエリーになったことを、
鉱山を取り囲みながら喜び合っているように、ふと、思えました。